ブラキオサウルス属の顔「ギラファティタン」を復元!! その美しき骨格を「プラノサウルス ブラキオサウルス」を基に再現する!【プラノサウルス復元プロジェクト】
2025.11.16
プラノサウルス復元プロジェクト/ギラファティタン【BANDAI SPIRITS】●ウラベヒロト(アーミック)、G.Masukawa(GET AWAY TRIKE!) 月刊ホビージャパン2025年12月号(10月24日発売)
▲かつてブラキオサウルス・ブランカイと呼ばれ、「世界最大の恐竜」として長く君臨してきたその恐竜は、竜脚類の分類の進展にともなって今日ギラファティタン・ブランカイと呼ばれている。ギラファティタンは「世界最大の恐竜」ではなくなって久しいが、それでもジュラ紀の竜脚類では「最高」級の巨人として、そしてもっとも骨格のよく知られたブラキオサウルス科としてそびえ立っている。ブラキオサウルスやギラファティタンといったブラキオサウルス科は、竜脚類の中でも他のグループには見られない独特の体型の持ち主として知られている。背の高さゆえに、ブラキオサウルス科の復元骨格を展示している博物館は世界でもわずかだ
プラノサウルス復元プロジェクト
第七回 ギラファティタン
実際の化石や骨格図を基に、BANDAI SPIRITS「プラノサウルス」の骨格ビルドをよりリアルに“復元”する連載企画「プラノサウルス復元プロジェクト」。
第7回は、ブラキオサウルス属の「顔」を長らく務めてきたギラファティタンに挑戦する。研究の進展によって名前を変えながらも、今なおブラキオサウルス科の代表として知られる化石の美しさをご賞味あれ。
G. Masukawa
模型大好きサイエンスイラストレーター・ライター。恐竜の骨格図は国際的に高く評価されており、世界各地の博物館やイベント、論文を飾っている。主な著書に「恐竜のきほん」、「ディノペディア」(誠文堂新光社)、「新・恐竜骨格図集」(イースト・プレス)。
プラノサウルス ブラキオサウルス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●1870円、発売中●約27cm●プラキット
■使用ツール
▲・ニッパー ・デザインナイフ ・エッチングソー ・彫刻刀 ・各種ヤスリ ・ピンバイス
▲ブラキオサウルス科は四足歩行の恐竜としてはめずらしく、前肢が後肢よりも長い。竜脚類の中でも首がかなり長いグループということもあいまって、ブラキオサウルスやギラファティタンの成体では首を無理にもたげずとも頭の高さが12mを優に超える。竜脚類の中でも、特に高いところの植物の葉を食べることに適応していたようだ
▲ギラファティタンの頭骨はブラキオサウルスと比べて吻が長く、外鼻孔を取り巻くアーチがより目立つ。ブラキオサウルスといえばこの顔、という読者の方も多いのではないだろうか?
▲ブラキオサウルス科は巨体の割にすらりとした体型で、ギラファティタンの骨格はかなり繊細に見える。骨格は高度に含気化(空気室を備えること)が進んでおり、体格の割に体重は極端に重いわけではなかったようだ
▲竜脚類の四肢の構造はしばしば「柱状」と表現される。ギラファティタンの手の指はほぼ退化しており、中手骨(手の甲の骨)は円筒状をなす
▲ブラキオサウルス属として最初に命名されたのはアメリカ産のブラキオサウルス・アルティトラックスだが、はるかに完全な骨格が発見されたこともあり、ブラキオサウルス属の復元の主な参照とされたのはタンザニア産のブラキオサウルス・ブランカイ(今日のギラファティタン・ブランカイ)であった。キットの骨格ビルドはブラキオサウルス・アルティトラックスの雰囲気をよく表現しているが、それゆえギラファティタンの製作はかなりの大改造となった。各部のディテールアップはブラキオサウルスの骨格ビルドを作り込む際にも有効なので、ぜひ参考にしてほしい
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