整備士経験をもつ廣村英治がタミヤ「メルセデス・ベンツ 500 SEC」をディテールアップ! エンジンを中心に細部まで緻密に仕上げる!
2025.10.21Mercedes-Benz 500 SEC
ドイツを代表する自動車メーカー、メルセデス・ベンツのフラグシップ「Sクラス」として1981年に登場した500SEC。日本では好景気に沸いたバブル時代を象徴する1台ともいえるだろう。今回はそんな500SEC をフルディスプレイキットとして再現した、タミヤの1/24スケールモデルを廣村英治が製作。整備士として実車にも触れていた経験を活かし、細部のディテールにもこだわって仕上げた。
▲ボンネットを外すとV型8気筒エンジンが現れる。キット自体ラジエーター、エアクリーナー、バッテリーなど、補器類も再現されており見ごたえがあるが、作例では、パイピングの追加や一体化されているラジエーターリザーブタンクやイグニッションコイルを別パーツ化するなど、さらなるディテールアップが施されている
メルセデス・ベンツについてはW116・W126・W140系Sクラスは整備経験もありますので、エンジンのディテールアップをメインに進めていきたいと思います。一時期は憧れた車でもあります。実車を所有することは叶いませんでしたが、今回製作を担当することになり当時の記憶を振り返りたいと思います。
■室内
記憶の中の車両はホワイトのレザーシートでしたが、シート柄がデカールで用意されてますのでブルー系のベロアシート仕上げです。デカールを貼る前にデカール部分をガイアノーツのニュートラルグレーIIで塗装しておく凸凹部分でデカールが切れても目立ちにくくなると思います。乗車定員は4名なので4名分のシートベルトを用意しましたがベンツの金具は特殊形状ゆえに今回は汎用金具を使用しています。フロントシートベルトにはシートに着座しドアを閉めるとベルトガイドが自動作動し装着補助をする機能がありますので再現にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
■エンジン周り
エンジンルーム内は押し出しピン跡が目立つ所にありますので処理し、一体再現されているラジエーターリザーブタンク・イグナイター・イグニションコイルを切り離し作り直しました。
その他の追加ポイントとしては、プラグコードを工作、プラグ側にアルミパイプを用いてレジスター(抵抗)を表現しています。国産車ではコード自体に抵抗がありますが、外車ではコード自体に抵抗は無くレジスターが付くことが多いです。
エアコンのコンプレッサーの再現と低圧配管を再現しフューエルクーラーも再現してみました。シルバーで単調になるエンジンですが、エンジンオイルレベルゲージの水色とATFオイルレベルゲージの赤色でワンポイント追加。
二重構造のバルクヘッドですが、エンジン側の下側が省略されていますのでプラ板で簡易的に再現。その他はラジエーター部分にチャコールキャニスター、ラジエーターロアホースなど追加しています。また、ヘッドライト上部に隙間がありますのでプラ板でフタをしています。そのままでは雨水や埃が入りますので(笑)。
■シャシー& 足周り
エンジンにも関連するのですが、エンジン&ミッションがモナカ割構造ですので合わせ目は消しています。リアロアアームの材質がジュラルミンだった記憶がありますので、ガイアノーツのスターブライトジュラルミンで塗装してます。また、細かい部分ですが、サイドシェル部の車載ジャッキアップポイントを真鍮パイプを使い4ヵ所再現しています。
■塗装
126系初期型ではホワイトやシルバーのイメージがあるかとは思いますが、380SEC・380SELでのブルーの個体がいまだに鮮明に記憶に残ってますのでディープブルーを選択しました。黒サフをベースにGSIクレオスC322 番フタロシアニンブルーとGX5スージーブルーを2:1で調色し、ラストにGX103ディープクリアブルーを微量足しています。モール色はボディ色によって違いがありますが記憶ではシルバーだと思いますので、GSIクレオスC8 番シルバーを選択しました。
■あとがき
輸出する国によって仕様やオプションが微妙に違ったりするので、本国仕様にしたり触媒を付けて日本仕様にしたり楽しめますね。キットの車両(ドイツ本国仕様?)では運転席エアバッグ装着されてますが、当時の正規輸入車ではエアバッグは無しになります。当時国内では爆発する物は認可されてなかったので(笑)。
タミヤ 1/24スケール プラスチックキット
メルセデス・ベンツ 500 SEC
製作・文/廣村英治
メルセデス・ベンツ 500 SEC
● 発売元/タミヤ●4070円、発売中●1/24、約20.9cm●プラキット
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廣村英治(ヒロムラエイジ)
本格的に模型製作を初めて約10 年なので最近発売されたキット製作がメインですが、実際に整備してた車等のキットの再販は嬉しいですね。