水性塗料「アクリルガッシュ」で「ゴジラ(2023)」を“ウォッシング”と“ドライブラシ”の2パターン塗装!キットのモールドを活かした塗装プロセスを見てみよう
2025.10.14
ターナーアクリル通信 月刊ホビージャパン2025年11月号(9月25日発売)
ターナーアクリル通信 #016
話題の塗料「アクリルガッシュ」について、プロモデラーがプラキットへの塗装方法・テクニックを教えてくれる本コーナー。アオシマから発売される『ゴジラ-1.0』に登場するゴジラ(2023)を、月刊ホビージャパンベテランモデラーの村尾ゴジラがペイントします。
今回はウォッシングとドライブラシの2パターンの塗装方法をご紹介。どちらもゴツゴツとしたキットのモールドを活かした塗装となっており、細かい作業もほとんどありません。塗装プロセスと仕上がりの違いを見ていきましょう。
村尾ゴジラ
80年代から活躍するベテランモデラー。特撮作品の怪獣やメカを中心に製作する。
▲こちらのゴジラ本体を左右に分け、それぞれウォッシングとドライブラシの技法で塗装していく
Plafig.ゴジラ(2023)
●発売元/青島文化教材社●7260円、発売中●約13cm●プラキット
明→暗で仕上げるウォッシング
▲ベタ塗りでアイボリーイエロー(少量のパーマネントグリーンミドルを添加)を塗装。隅々まで色を乗せる
▲乾燥後に上から多量の水を含ませた茶系色(バーントアンバー+セピア等)でモールドの凹に塗料を流す(ウォッシング)。尾や背びれ付近はヴァイオレットを使用
▲凸部は明るく凹部分は暗くなった。同手順で徐々に暗い色にして、体表をゴジラらしい黒系色、背びれは明るいままにする
▲背びれにはスカイブルーでウォッシング。下地のアイボリー色が透けてハイライトとして一段明るい青となる
▲体全体はさらに濃いオリーブドラブ色(オリーブグリーン+セピア+バーントアンバー)でウォッシング
▲背びれの根元には発光の照り返しをイメージしながら乾燥前にヴァイオレットを上塗りして、紫との境界線もぼかしている
▲ウォッシングで仕上げたゴジラ。下地の明るい色がハイライト部分への布石となり、生物らしい複雑な色も細かい塗り分けなしで表現できている
暗→明で仕上げるドライブラシ
▲ドライブラシのための下地塗装から。こちらはジェットブラックで真っ黒な下地から明るい色を重ねていく
▲ドライブラシとしてスポンジや筆を使いローアンバーを表面に擦り付ける。水気をなるべく取り除いて塗料を凸部分にのみ乗せている
▲凹部分は下地が残って影となり、凸部分はローアンバーの色が付いている。色を重ねたり、部位で色を変えてドライブラシで仕上げていこう
▲背びれは明るめにイエローオーカーを使用。塗り分けいらずで細かなモールドが強調された
▲ヒザや筋肉の隆起など、ハイライトになる部分は明るめの茶色(ローアンバー+イエローオーカー)、影となる関節にはヴァイオレットをドライブラシ。ざっくりと部位ごとに変えることで、境界線がぼやけて自然な変化ができる
▲ドライブラシによる仕上げが完成。ウォッシングに比べるとかかる時間も短く、よりお手軽な方法である。まずはドライブラシから、慣れたらウォッシングへと挑戦してみよう
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