HOME記事スケールモデルシュナイダー杯出場を目指した水上レーサー機「サボイア S.65」がV1modelsより登場!さらにICM「ヘンシェル Hs123A-1(後期型)」など注目のスケールモデル最新情報をお届け!

シュナイダー杯出場を目指した水上レーサー機「サボイア S.65」がV1modelsより登場!さらにICM「ヘンシェル Hs123A-1(後期型)」など注目のスケールモデル最新情報をお届け!

2025.09.15

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サボイア S.65

シュナイダー杯出場を目指した水上レーサー機

サボイア S.65

 フランスの大富豪シュナイダーが企画して、資金を供出した水上機の速度競技会シュナイダートロフィーには、ヨーロッパ各国を中心に1913年に第1回目が開催されたが、第一次大戦勃発により本格的な競技会として年1回開催になったのは、大戦終了後の1919年からのことだった。そしてさまざまな機体が登場し、数多くのエピソードを産むことになった。ここで紹介するサヴォイアS65は1929年の競技会参加を目的に製作された機体で、胴体の前後にエンジンを納めたいわゆる串形機関配置が採られ、その結果として下翼後縁から支柱を伸ばし、その先端に尾翼を配置するという、当時としては特異なスタイルが採られた。しかし製作が間に合わず、競技への参加は見送られた。この年の競技会ではスピットファイアの原型とも言えるスーパーマリンS6が勝利しており、参加しても優勝はおぼつかなかったものと思われる。1929年後半に軽量化など改良が施されたが、1930年1月の試験で墜落して失われ、計画は頓挫した。今回V1モデルがリリースするキットは、1/144スケールの3Dプリントモデルで、全幅7.5cm、全長7cmという手のひらサイズだが、にもかかわらずかなり細かくパーツ化され、1/72スケールもかくやと思わせるほど力のこもったキットだ。また一体成型だが、1/350スケールのキットも同梱されている。

サボイア S.65

●発売元/V1models、販売元/HMAガレージ●3630円、9月予定1/144、7cm●レジンキット


複葉固定脚の独急降下爆撃機を完全新金型で!

ヘンシェル Hs123A-1(後期型)

ヘンシェル Hs123A-1(後期型)

 もはや古参と言っても過言ではないウクライナのICMは、1/32という大スケールで再建ドイツ空軍の初期に登場した複葉の急降下爆撃機Hs123A-1をキット化した。このスケールというとどうしても大サイズと思われそうだが、元々が小柄な機体のため完成しても全幅33cm、全長27cmと1/48スケールのジェット戦闘機と大差ないサイズとなる。このため大スケールでありながらパーツ点数は少なく、ギミックなどもないため、製作はたやすいと判断した。一応エルロン、エレベーター、そしてラダーという動翼は別パーツで、脚のスパッツを取り外した状態で組み立てることもできる。実機が簡素なためか、コクピットのディテール再現も単純で、スケールを感じることはできないが、これは致し方ないことだろう。キットは通常のドイツ空軍機と、スペイン内乱に参加した5機のコンドル部隊所属機の2種が並行してリリースされている。ラダーが2種セットされて前期と後期を選択でき、コンドル部隊の所属機は前期生産機、第二次大戦参加機は後期生産機として別キットとしているが、どちらのキットにもラダーは2種セットされ、あまり意味がないような気がする。武装は3種類の爆弾が用意され、主翼下面に搭載が可能だ。先にも書いたようにパーツ点数が少ないため、このスケールのキットとしては短時間で組み上げることができよう。それにしてもこの古典的なスタイルの機体が、1944年初めまで第一線で使われ続けたということには驚かされる。結構ドイツ空軍も物持ちが良かったようだ。 基本的には近来の歩兵戦闘車に準じるが、搭乗可能な歩兵は8人とわずかではあるが西側の同級車を上回り、武装は40mm機関砲と各国の歩兵戦闘車を凌駕している。さらに車体前面と側面には複合装甲を装着して、防御力の向上が図られたのも特徴である。また生産当初は未装備だが、事後装備の形でイスラエルの対戦車ミサイル スパイクを母体にした国産対戦車ミサイルAT1を、砲塔左側に装備する計画だ。今回アカデミーがキット化したK21の詳細は明らかではないが、インテリアは省略され、履帯は樹脂製の一体式が採用されている。また各ハッチは開閉選択式で、ペリスコープは現在一般化した透明パーツではなく、着色シールで再現している。

ヘンシェル Hs123A-1(後期型)

●発売元/ICM、販売元/ハセガワ●14190円、9月予定●1/32●プラキット

ヘンシェル Hs123A-1(コンドル軍団)

ヘンシェル Hs123A-1(コンドル軍団)

ヘンシェル Hs123A-1(コンドル軍団)

●発売元/ICM、販売元/ハセガワ●14190円、9月予定●1/32●プラキット


DCシリーズ最少生産数のマイナー輸送機

プダグラス DC-5“KLM・日本軍鹵獲機”

 DC3というベストセラー双発旅客機をものにしたダグラス社が、続く双発機として開発したのがこのDC5で、それまでの同社製双発旅客機とは一転して主翼は 高翼配置となり、車輪配置も前脚式が採用されたが、これらは当時の機体として初めてのものだった。1939年から生産を開始したものの、第二次大戦の勃発直前だったことと、座席数が最大で22席と少なかったことから、実際に販売されたのはKLMオランダ航空向けの4機に過ぎなかった。生産機数は試作機を含んで12機で、後に試作機はボーイング社の創設者ウィリアム・ボーイングが購入し、専用機としている。KLMの4機はドイツ侵攻によりインドネシアに逃れたものの、今度は日本軍の侵攻に伴い2機はオーストラリアに逃れ、2機は日本陸軍に捕獲されている。キットはレジン製で、全幅33cm、全長26.5cmとそれなりのサイズに仕上がる。詳細は不明だが、キャノピーはバキューフォーム製で、KLMオランダ航空と日本陸軍の二種がセットされている。とても傑作と呼べる機体ではないが、ダグラス社の歴史のひとつとして、コレクションに加えるのも楽しいだろう。

プダグラス DC-5“KLM・日本軍鹵獲機”

プダグラス DC-5“KLM・日本軍鹵獲機”

●発売元/プラネットモデル、販売元/ビーバーコーポレーション●22330円、発売中●1/72●レジンキット

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