HOME記事キャラクターモデルエクスプラス「スピノサウルス」 筆塗りで濡れたツヤ感をリアルに再現し『ジュラシック・パークIII』のワンシーンをディオラマ化! 水中の泥の濃淡などベースにも注目!!

エクスプラス「スピノサウルス」 筆塗りで濡れたツヤ感をリアルに再現し『ジュラシック・パークIII』のワンシーンをディオラマ化! 水中の泥の濃淡などベースにも注目!!

2025.09.14

ジュラシック・パークIII【エクスプラス 1/35】 月刊ホビージャパン2025年10月号(8月25日発売)

川と雨、2種類の水の表現を作り込んだ筆塗り仕上げのスピノサウルス

 2001年の『ジュラシック・パークIII』にて世に知られることとなったスピノサウルス。これまで最強といわれていたT-レックスを倒し、主人公たちを襲う姿は、次世代の最強の肉食恐竜と呼ぶにふさわしい活躍だった。こちらの作例では、川を下り海岸を目指すグラント博士たちを襲った雨のシーンを再現。劇中で見られた建造物を配しつつ、濡れたスピノサウルス、水中の泥の濃淡などミクロな部分にもこだわった力作となっている。

▲キットのスピノサウルスは形状変更こそ行っていないが、皮膚と口腔を筆塗りで生々しくリアルな塗装を行った
▲岸の草木はスポンジを使用。流木は木材にて再現した
▲約20cm×43cmのベースに高さ20cmで製作。映画のシーンを観返しながら岸の部分を創作して見どころのオブジェクトを配置している
▲製作中の様子。スチレンボードをベースにしてキットの配置を決めていく。スピノサウルス本体を外して水面をレジンで作っていく

▲キット付属のクレーン。沈んでいる状態のキットのためクリアーレジンの水面にそのまま設置。雨が流れる様子も描き込んだ

▲表面は濡れたツヤ感を意識。モールドにツヤを入れて、広い面はマットにすると水に濡れたように見せることができる

▲足元の水しぶきと水中の泥の濃淡の表現。泥が舞い上がっている水と、波による色の違いを再現した

▲川は岸に向かって浅くなるよう青みも変えている。絶妙な波の表現も見事

▲雨に濡れているようすをさらに際立たせてるため、下半身はより濡れているイメージでツヤ感を付ける。尾には水滴をクリアーパテで追加

▲劇中でも見られる檻はプラ棒を組んでスクラッチしている

▲岩場はスチレンボードを重ねて軽量なものを製作。岩表面にはパテをゴム型で整形し、乾く前にボードに取り付けた

■さて恐竜塗りますかっ!
 塗りましたっスピノサウルス。映画でのあの活躍っぷりを観るとめっちゃ強っ! カッケェ!! ってなるんですが、映画の公開時と現在での知見ではいろいろと違いもあったりして、そこも面白いところですね。
 時代を経るごとに研究が進んで、『ジュラシック・パークIII』の頃とは生態とかも変わってくるのでしょうが、映画でT-レックスを打ち負かした獰猛なスピノサウルスのイメージで作っていきましょう。

■製作
 スピノサウルス本体はキットのままストレートに組んで、劇中とキット箱絵や資料からの良いとこ取りで色を選んでいます。ただの茶色や灰色ではなく、頭から背ビレに見える赤と、背ビレの中には青、黄色、白の柄が入っていて、塗りがとても楽しくなります。
 キットの基になっている登場シーンを見るに、本来は全身濡れているのだと思います。伝わりやすい濡れ表現として、シワやモールドの奥にはクリアーを塗ってツヤを出し、逆に面になる体表はあえてツヤを抑えています。キットには自立させて飾る丸ベースと劇中シーンを再現したクレーンが沈んだ川のベースが付いてきますが、ベースおっきくしたいねってことで、自作したベースにキットのクレーンを切り離して配置し、プラ材で自作したケージを埋め込みました。
 劇中では夜の大雨のシーンのため、周囲はほとんど見えないのですが、渓谷をボートで進んできた流れということで岸に岩場を作ります。積層した発泡ボードをハンダゴテで岩肌っぽく造形して芯とし、ゴム型に木工エポパテを薄く押し付けて岩肌のテクスチャを作ります。パテの半硬化中に崖と岸辺を入れて高低差を付けました。
 水は浅いところと深いところで色を変え、底からかき混ぜられて泥で濁っているところを描き込んだり、染めてクリアーコートの工程を何層か繰り返して最後は厚めにクリアーを塗ってみました。
 強くてカッコいい恐竜に水を表現したベース、作っていて夏休みの工作の雰囲気も楽しめました。

エクスプラス 1/35スケール プラスチックキット スピノサウルス使用

ジュラシック・パークIII

ディオラマ製作・文/ぷらシバ

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