唯一のライト級AT「ツヴァーク」が1/35プラキットで登場! キットのポテンシャルをそのまま程よいウェザリングでキットレビュー!【装甲騎兵ボトムズ】
2025.09.10X・ATL-01-DT ツヴァーク[ST版]【ウェーブ 1/35】●桜井信之 月刊ホビージャパン2025年10月号(8月25日発売)
久々にL級ATがプラキット化!
1/35ツヴァークをレビュー!

『装甲騎兵ボトムズ』の登場メカの中で唯一のL級ATであるツヴァーク。クエント編での活躍が印象深くも、立体化機会に恵まれていないモチーフであった。ところが、TVアニメ放送から42年を経た2025年、ついにウェーブが1/35プラキットを発売してくれたのだ。ファン待望の「ツヴァークのサンゴー」を作るは、ベテランの桜井信之。キットのポテンシャルをそのまま尊重して製作し、程よいウェザリングでお化粧を施したツヴァークをレビューする。
サンドローダー装備
ここ数年、新製品ラッシュが続くボトムズモデル界隈。1980年代後半から90年代にかけて、ひたすらATモデリングを追い求めた世代にとっては、夢のようなキットがリリースされ続けています。そして2025年、遂にボトムズ模型メーカーの雄・ウェーブから待望の新キット、1/35ツヴァークが発売されました。
ツヴァークはもっともキット化に恵まれていないモチーフであり、ウェーブがレジンキットを発売したのは1991年(1/35)と2013年(1/24)、ユニオンの1/60プラキットを同社が引き継いで展開したのも90年代中盤の話と極めて稀であり、ツヴァークの「プラキット」が模型店の店頭に並ぶのは実に数十年ぶりということになります。
ウェーブの1/35ボトムズシリーズは新製品が発売されるたびに作っていますが、ドッグ系ATは基本構造が同じであるためさすがに見慣れたものの、ツヴァークはあらゆる構造や構成がこれまでのキットとは異なるため、組み立て時の新鮮さとワクワク感は言葉で言い表せません。夢中になって組んでいるうちに、いつの間にか完成させてしまいました。ここまで虜にしてくれるのは、デザインと設計の目新しさだけではなく、同社が数多くの1/35シリーズで培ったノウハウを、さらに進化させたような感動が随所に詰まっているからだと思います。特徴的なサンドローダーもギミック、造形ともに申し分ありません。
キットの分割も的確で、未塗装でもほぼ設定通りの色分けがされており、肩アーマー側面の白ラインのような、パーツ分割が物理的に不可能な箇所以外はマスキングもほぼ必要なし。マーキングは同社の別売デカールから適度にチョイスし、あまり主張しすぎない程度に貼っています。劇中では最新鋭機のため、当初ウェザリングは控えめにと考えていたのですが、やはりボトムズモデリングとの相性は抜群なので、見映え優先で汚しています。
機体はダークブルーとホワイトの2トーン配色なので、太モモや前腕のホワイトは油彩数色を使いタッチを描き込むように汚すことで、メインのダークブルーとの色温度差の乖離からくる違和感が出ないように汚してみました。最後に、クエント的な砂汚れを脚周りを中心に施して完成です。
しかし、やはりツヴァークだけでは寂しいので、同シリーズ第1弾キット、1/35ラビドリードッグも同時に製作しました。こちらは色設定よりも青の色味を濃くし、若干赤の要素も加えて「ほんのり紫より」のブルーで塗装しています。残るウェーブの1/35シリーズにはファッティーが控えているようです。当然そのバリエーションも期待できるはずなので、まだまだお楽しみは続きますね!
![桜井信之製作「ツヴァーク[ST版]」](https://hjweb.jp/wp-content/uploads/2025/08/HJ_25_10_152-155_4-794x1024.jpg)
ウェーブ 1/35スケール プラスチックキット
X・ATL-01-DT ツヴァーク[ST版]
製作・文/桜井信之
ツヴァーク[ST版]
●発売元/ウェーブ●4950円、発売中●1/35、約9cm●プラキット
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ⓒサンライズ
桜井信之(サクライノブユキ)
著書「たった2日でできる! 週末ホビーライフ」が好評発売中。あらゆるテクニックに精通する模型の伝道師。