大森記詩が多種多様な形状のパーツから生み出すオリジナルSFメカ「ラルファクス社 試作型兵装肢RFL-X1“ネクフィス”」前後で骨格が異なる四足歩行機体の製作方法とは【MIXINGSCAPE】
2025.08.18
MIXINGSCAPE No.020
彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。今回も多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々をお楽しみいただきたい。
シャーマナイト系列企業のラルファクス社は、大河戦争で鹵獲・接収された技術を優先的に提供されたことから、自社製人工筋肉システムのさらなる改良に着手していた。さまざまなスタイルの新造・改造機が試作されるなか、モロッサータイプなどの歩兵協働・支援型四足歩行機の更新を目的とした実験機が“ネクフィス”である。シャーマナイトの空中強襲機動軍が、大河戦争における戦績からコントーラ外征戦力としての地位を確固たるものとしたことで、本機でも強襲機への搭載を前提とした展開力が重視された。硬質部位の機体材質を軽量化する一方、外見的特徴ともなっている地形踏破性と衝撃吸収に優れた四肢の実装は、搭載可能な軽/重火器や電子線装備の選択肢を従来機から大幅に拡張するとともに、より簡易化された降下装置に複数機をパッケージした高高度からの空中投下にも成功している。また、より実験的なタイプとして、競合関係にあったHSMを意識した人型に準じるマニュピレーターの仕様を取り入れた機体も存在した。これは、兵装ポイントにさらに一対の腕部ユニットを搭載したものであり、強襲兵との装備共通化や工作活動での運用という汎用性の追求にとどまらず、それまでプランのみであった特定の歩行形態にとらわれない柔軟な機体スタイルの研究が具体化される端緒ともなっている。
▲「ザ・ミニガン」な銃塔は四角のプラケースを弾倉に、上部のフレーム状部分はハセガワのルナダイバーで機体とベースを接続するパーツを使っています。取り付け位置を前脚の真上やその前にすると頭部らしくなるのですが、この機体ではまとまり過ぎてしまい求める奇妙さが薄まってしまうので、後ろにズラした配置にしました


1/6スケール スクラッチビルド
ラルファクス社 試作型兵装肢RFL-X1“ネクフィス”
製作・文/大森記詩
全高38.5cm×全福18cm×奥行30cm
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大森記詩(オオモリキシ)
1990年生。彫刻家。本誌では筆塗りによる作例や各種作図等も担当。HP:「kishiomori.com」/ 月刊ホビージャパン9月号では巻頭特集で軍警ザク、同じく筆塗り作例で初号機”ヤシマ作戦”も担当させていただきました。合わせてぜひご覧ください!