“ボークス”プラキットに最適な接着剤が登場!
航空機からキャラクターキット、ガールズプラモまで多数のプラキットを発売している「ボークス」。同社初となる「異素材接着(PSとABS)」が必須なVSMS(第1弾は1/100ダッカス)の発売を機に、今回新しい模型用接着剤が登場しました。基本的なPS素材はもちろん、ABS素材もしっかり溶かせるのが特徴です(ABSへの使用には相性があるため、他社製キットはランナー等で実験してからの使用をおすすめです)。多ジャンルのプラキットを手掛けるボークスならではの新しい接着剤を試してみましょう。
解説/けんたろう、月刊工具スタッフ
ボークス製プラキットに最適な接着剤「フローセメント」とは?
まず今回のアイテムは模型用の接着剤ということで、プラスチック素材を溶かしてくっつける性質を持っています。液体の粘度がサラサラの「流し込み」タイプとなっています。そして注目すべき点はPSだけでなくABSも接着できる性能でしょう。主な模型用接着剤はABS素材については接着できると明言はしておらず、ABS専用の接着剤が存在するほど違う扱いの材質となっています。今回の「フローセメント」はそのどちらも、PSとABS間であっても接着ができる性能になっていて、素材の強固な接着が期待できます。
フローセメント(スタンダード)
●発売元/ボークス●440円、発売中●40ml
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▲本容器は四角いガラスビンタイプ。キャップ側にはハケがついていて、そのまま接着したいパーツに塗布することができます。また、先端も細く流し込みたい箇所を狙いやすい形状になっています
▲早速プラ板の上にひと塗りしてみます。筆の含みはよくしっかりと塗布できます。塗布後4~5秒で揮発するため速乾性も高いです
▲乾燥した跡は表面が少しぷつぷつと荒れ、プラ素材が溶けていることがわかります
モデラーの健康に配慮!「ウェルネス」タイプも同時発売
フローセメント(ウェルネス)
●発売元/ボークス●550円、発売中●40ml
今回発売の「フローセメント(スタンダード)」のほかに、接着剤に含まれる有機溶剤の刺激臭を抑えた「ウェルネス」タイプも発売されます。それでいてスタンダードと同等の使用感と性能を持った接着剤となっています。含まれる溶剤も食品添加物にも採用されるレベルの低毒性溶剤なので、溶剤の臭いが苦手なユーザーにうれしい仕様です。安全性が高く、エントリー向けな接着剤にもなるでしょう。
「流し込み」接着剤の基本的な使い方で性能をチェック!
Impression
▲流し込みタイプの接着剤は、その名の通り接着する箇所に流し込む使い方をするもので、前提として接着対象同士の面がくっついている必要があります。プラ材をプラ板上に立つように固定し、接地部分に接着剤を含んだハケの先端を当てて流し込みます
▲接着剤を流し込むと10秒もしないうちに手で支えなくてもプラ板が自立します。指でつつくとさすがに動きますが接着箇所が剥がれることはありません
▲少しの間は押すと傾きましたが、1時間ほど置けば押しても戻るぐらいの強度ができます。艦船模型などの小さいパーツの接着も任せられる強さがありますね
▲模型用接着剤ではおなじみの「合わせ目消し」を試してみましょう。こちらでは「ブロッカーズFIORE」の脚パーツを使用。関節パーツはABSなので性能を試すのにピッタリです
▲接着剤を合わせ目部分全体が湿るぐらいに流し込んだらパーツを強くはさみましょう。接着剤によって溶けたプラが合わせ目から少しはみ出るとしっかりと溶着され、合わせ目が埋まります。ABS素材でも問題なく溶着ができてますね
▲乾燥させたらヤスリで合わせ目の周辺を整えます。曲面パーツなので柔軟性があって密着するスポンジヤスリで削っていきます
▲膝の関節パーツが処理できたら、上下のパーツを取り付けて、また接着剤で合わせ目を消します。はさみ込んだ関節部に接着剤が流れ込むと大変なことになるので、流し込むポイントを遠めにしたり、近くに滴下するときは瓶のフチでハケに含む接着剤の量を調整して使用しましょう
▲スポンジヤスリで太もも裏のくぼみも整面。キレイに合わせ目を消すことができました。ABSでもしっかり溶かしてくっつけられる、かなりのポテンシャルがあります
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