HOME記事アニメ・ゲームサンライズロボット研究所の実験動画に携わる水﨑淳平氏へインタビュー! 『ザブングル』リアタイ視聴世代が作り上げた『BLUE GALE XABUNGLE SIDE L』について語る!

サンライズロボット研究所の実験動画に携わる水﨑淳平氏へインタビュー! 『ザブングル』リアタイ視聴世代が作り上げた『BLUE GALE XABUNGLE SIDE L』について語る!

2025.06.03

サンライズロボット研究所 月刊ホビージャパン2025年7月号(5月23日発売)

実験動画『BLUE GALE XABUNGLE SIDE L』監督

水﨑淳平

インタビュー

水﨑淳平(みずさき・じゅんぺい)

 1973年生まれ。神風動画代表取締役/演出。アニメやゲームのOP映像やCM、PVなどの短編映像を中心にクリエイティブプロデューサーとして活躍する一方、『ニンジャバットマン』のような長編作品の監督も務める。「妥協は死」を座右の銘とし、サンライズロボット研究所初の実験動画『AURA BATTLER DUNBINE SIDE L』においても、監督・演出・絵コンテなどを兼務した。


当時リアルタイムで観た世代が作り上げた作品です

──『BLUE GALE XABUNGLE SIDE L』に関わったきっかけをお願いします。

水﨑:“サンライズロボット研究所”で「いろんな角度から過去のロボット作品に改めて触れたい」というご相談を受けたのがすべての始まりです。映像第一弾は40周年を迎えたばかりの『聖戦士ダンバイン』で決定していましたが、ある日プロデューサーから今後の展開について意見を求められた際、「ザブングル! ザブングル!」と即答したことが制作のきっかけとなりました。

──『戦闘メカ ザブングル』をご覧になってどのような魅力を感じられましたか?

水﨑:自分はガンプラブームの真っ只中で育ち、アニメも観ていたものの、まずプラモデルからサンライズのロボット作品に夢中になりました。『ザブングル』の放映が始まったとき、それまでのガンプラとは明らかに違う方向性を感じたのを覚えています。ウォーカーマシンだけが描かれたパース風のおしゃれなパッケージに、スケールモデルのような重機的ディテールのパーツ。当時、自衛官だった父もそのリアルさに引き込まれ、塗装にこだわりながらいくつも一緒に組み立てました。
 主人公機・ザブングルはヒーローらしいスタイルに加え、変形合体のギミックもあり、早くキットが手に入るのを楽しみにしていましたが、合体ギミックありのプラモデルは最後まで発売されず、お預けを食らったような気分を今でも憶えています。

──SIDE Lでオリジナル作品のどのような部分にフォーカスしようと考えられましたか?

水﨑:SIDE Lの企画は「当時リアルタイムで観た世代が作り上げる」というコンセプトで進めています。『ザブングル』は復讐劇をベースにした物語ですが、明るいキャラクター達や荒廃した乾燥地帯、サイズなどが不揃いなウォーカーマシンなど、子供時代の記憶に基づく作品像に焦点を当てています。

『BLUE-GALE-XABUNGLE-SIDE-L』場面カット8

──ウォーカーマシンの動きについてこだわった部分を教えてください。

水﨑:当時の演出で、ウォーカーマシンはコミカルで人間的な動きをするのが印象的でした。あのハンドル操作ひとつでどうやってあの動きを操縦できるのかは謎ですが、きっと搭乗者の感情を表現する演出なのだろうと解釈し、ロボットのリアルさを一度忘れてコミカルにアクションさせています。逆に無人のウォーカーマシンが落下していく描写では、物理演算を使って無機質さを表現しています。

──「特にこの部分を見てほしい」というパートがありましたら教えてください。

水﨑:放映当時によく使われていた合体変形のバンクシーンを、今回はアニメでの変形演出とBANDAI SPIRITSさんのHI-METAL Rの再現ギミックを合わせた“ハイブリッド変形”として映像化しました。変形キットが出ないままお預けを食らっていた世代としては、変形合体できる立体物を手に取れる現在と過去をやっとつなげた気がしています。
 また、主人公ジロンたちの居場所でもある100m級の戦艦アイアン・ギアーが人型に変形すると何が起きるのか、そのスケール感も意識して描いています。
もちろん、アイアン・ギアーの新規立体物化も期待しています!

──ウォーカーマシンの設定を新たに起こされたとき、注意した点などがあれば教えてください。

水﨑:今回、“頑張れば手描きで作画できる範囲の質感表現”を狙い、乾燥地帯での運用でついたであろう塗装のハゲや細かな傷などはポイントを絞り配置し過剰にならない情報量を設定しています。また、水分の少ない環境でサビは何色になるのか、補修塗装の微妙な色差があるのでは? など、細かな色設計も行いました。

『BLUE-GALE-XABUNGLE-SIDE-L』場面カット9

──ご覧になっているファンの方へメッセージをお願いします。

水﨑:“ロボット研究所”という取り組みなので、「ホビージャパン」読者の皆様が大好きなロボット要素が存分に詰まっていると思います。
 自分自身も、40年近く「ホビージャパン」の読者でもあり、今回の『ザブングル』の掘り起こしがキッカケで新たな商品開発につながっていることが、いちホビー愛好者として嬉しい限りです。
 この新規の映像とともに、新たに生まれ変わった商品との出会いや、懐かしい商品との再会を一緒に楽しみましょう!

研究報告 本編


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