HOME記事キャラクターモデル『銀河漂流バイファム』のネオファムを1/144で製作!搭乗者バーツのイメージも採り入れたスマートなプロポーションに大改修!【サンライズ・メカニック列伝】

『銀河漂流バイファム』のネオファムを1/144で製作!搭乗者バーツのイメージも採り入れたスマートなプロポーションに大改修!【サンライズ・メカニック列伝】

2025.05.22

サンライズ・メカニック列伝 第71回/FAM-RV-5 ネオファム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年6月号(4月24日発売)

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田仲正樹製作「ネオファム」ポージング例2

[装備品]

田仲正樹製作「ネオファム」装備品
田仲正樹製作「ネオファム」製作途中ビームガン
田仲正樹製作「ネオファム」製作途中バーニア
田仲正樹製作「ネオファム」製作途中盾
田仲正樹製作「ネオファム」製作途中タンク

 専用ビームガンはいったん前後に切り離し、合わせ目を処理後に再接着。グリップ上部後方の凹モールドは市販のボルトパーツでシャープ化した。盾はMG ガンダムVer.2.0のシールドから切り出した板状部品を重ねて接着し、プラ材で大型化したもの。「プラ板でゆるい曲面を作るより、基からゆるい曲面になっているパーツを加工したほうが上手くいく」とのこと。裏面のグリップはプラ角棒で自作し、溶接の跡をつけている。
 スリング・パニアーは各可動部の軸と受けをHIPS樹脂のランナーとキャップに交換し、保持力を強化。動力パイプはアルミ線を芯に入れたスプリングに交換。各翼端は薄く削り込んだ。
 航続距離延長用プロペラントタンクのツインムーバーは、本体がプラ板の箱組み、ボンベが12.5mm径の円筒と市販のバーニアパーツを組み合わせたもの。スリング・パニアーとツインムーバーはどちらもネオジム磁石で本体に固定する方式にしている

田仲正樹製作「ネオファム」
田仲正樹製作「ネオファム」
田仲正樹製作「ネオファム」ポージング例3

■トマトレッドを撃て!
「オタ副司令」を超えるおもしろい司令官の名前をいつも考えているサンライズメカファンのみなさん、「昔作ったあのキット、当時の自分が納得できる完成品にならなかったんだよな…」という苦い思い出をお持ちではないでしょうか。私の場合は1/144ネオファムの製作体験がそれにあたります。バーツのイメージを投影したスマートなネオファムが欲しかったけど、キットは手脚の横幅が広く力強い体型。さらに本体色の赤が上手く塗れず濁ってしまい、まるでアイアン・ギアーのような渋い色になった完成品を前に、1984年の私は「いつか必ず、スマートで赤いネオファムを作ってやる」と決意したのです。
 あれから41年。「約束を果たす時が来たか…」と考えながらキットを仮組みすると、エッジやモールドはディルファムよりシャープですし、ビームガンを両手で保持するための可動機構もよく考えられています。一方、フォルムは記憶どおりのガッシリ体型。また、脚部は左右非対称です。まず右の太モモだけ接着面で1.5mm幅詰めしておきます。その後、肩外装を胸部にめり込ませる形で肩幅を詰め、前腕を前後左右に1mm強ずつ幅詰めして小型化。腹部は延長、腰部はプラ板とエポパテで大型化。太モモは4.5mm延長し、スネは横幅を3mm詰め、靴部は前後に2mm、左右に3mm幅を詰めて小型化。全身のフォルムを縦長に変更します(背が高くなるけど、他のメカの作例もみんな背が高くなっているので問題ないのです)。各関節にはHGガンプラの可動部を移植。ヒジは本編のカットやキットの箱絵を吟味し、ヒジ装甲が関節の側面に来る状態も再現できるようにしました。なお、みなさんが模型を作るスペースにも、部品や工具を吸い込み消し去る異次元空間が必ず存在すると思いますが、頭部の板状アンテナは120%の確率で折れてここに吸い込まれるので、根元を1mm径の三角棒で補強しておくと良いでしょう。腹部ハッチの開閉はさせなくていいと思います。スリング・パニアーは翼端のシャープ化とディテールアップを行い、可動部の保持力を強化。盾とツインムーバーは好みの大きさのものを気楽に自作しましょう。

■消えた銃2丁
 塗装は講談社刊「テレビマガジンアニメスペシャル4 銀河漂流バイファム」、バンダイ刊「MJマテリアル2 ROUND VERNIAN VIFAM スーパー・メカニック・ガイド」、キットのカラーガイドを参考に。
本体赤=ハーマンレッドにダグラムレッド少量
上腕、腹部等=自作の紫系ライトグレー
関節=自作の紫系グレー
スリング・パニアー=スカイブルーにクールホワイト、純色シアン、純色グリーン、フレッシュミントグリーン、関節のグレーを各少量
 ビームガン(塗装直前に異次元空間に吸い込まれたので作り直しています。出てきたらバイファムに持たせよう…)は自作の赤紫系グレー。バーニアは焼鉄色にシルバー少量。ツインムーバーは自作の青系グレー。盾はクールホワイトに前々回のギド・マックの青緑を少量。頭部ゴーグルには緑色のアルミ蒸着テープを貼りました。ここで脚部がまだ左右非対称なのに気づいて作り直したのち、ツヤ消しを混ぜた半光沢クリアーでコートして終了です。

 なお今回の作例は、私が組み間違えたことで太モモ形状が左右非対称になってしまい、右側を1.5㎜幅詰めして形状を揃えています。これは組立説明書がない状態で組んだためで、説明書を読んで正しく組み立てればこの加工は必要ありません。作例製作中は部品の左右形状が揃っていないと勘違いしており、ホビージャパン6月号誌面でもそのように製作文を書いてしまっているのですが、これはまったくの誤りです。この場をお借りして訂正させていただくとともに、関係者の皆様と読者の皆様にお詫び申し上げます。


 次回は回転翼で空を飛ぶメカの作例が登場します。

田仲正樹製作「ネオファム」

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット

FAM-RV-5 ネオファム

製作・文/田仲正樹


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