HOME記事スケールモデルタミヤの「レオパルト2 A7V」メインにディオラマ製作!装甲の展開ギミックを活かした整備シーンで脇役すら存在感のある濃厚な作品を公開!

タミヤの「レオパルト2 A7V」メインにディオラマ製作!装甲の展開ギミックを活かした整備シーンで脇役すら存在感のある濃厚な作品を公開!

2025.05.13

öI 2025【タミヤ 1/35】 月刊ホビージャパン2025年6月号(4月24日発売)

嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマ

öI 2025

 タミヤから発売中のレオパルト2 A7Vをメインにしたベテランディオラマビルダー、嘉瀬翔の新作は、レオパルト2の砲塔に備えられた、装甲の展開ギミックを活かした整備シーン。ライフィールドモデルのキットを利用したレオパルト2の巨大なパワーパックに加え、脇役と呼ぶにはあまりにも存在感のある戦車回収車など、随所に見どころをちりばめた濃密な作品をじっくりとお楽しみいただきたい。

※各キャプションは製作者によるもの

■今回使用したキット

●レオパルト2 A7V タミヤ ITEM 35387
●レオパルト2 A7V メタル砲身 タミヤ ITEM 12694
●Buffalo ARV ホビーボス
●レオパルト2 パワーパック&スリングセット ライフィールドモデル
●BUNDES WEHR TANK CREW ミニアート 37032
●MODERN GERMAN TANK CREW モンモデル MH 006
●Jornalists in war ICM 35751
●ドイツ戦車兵エンジン整備セット タミヤ ITEM 35180

嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマ全景
▲ディオラマ全景縦53.5cm×横55cm×高さ24cm。ドイツ国内軍事演習場を訪れたテレビクルーが兵士にインタビューをしているシーンを再現した。登場させた車両は3台、フィギュアは14体
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマレオパルト2 A7V後方右側面寄
▲演習場のフラットな地面に何台もの車両が通過しできた轍を派手に再現。所々にある植生は紙をカットした物で再現。車体の汚れはベースに使った物と油絵具で強めに施した
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマテレビクルーフィギュアアップ
▲テレビクルーのヘルメットと背中のPRESSはプリンターで出力した物を切って接着。マイクはドイツ放送局ZDFのカラーリングに塗装。兵士はホーネットのサブヘッドを使用
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマ戦車兵フィギュア立ちポーズ
▲立ちポーズの戦車兵にキャンバスの片付けをさせた。キャンバスはクラフト紙をクチャクチャに柔らかくして、タミヤカラー(アクリル系塗料)で彩色。ベースの泥を擦り付けた
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマレオパルト2 A7Vアップ
▲レオパルト2 A7Vの砲塔に3体の戦車兵とブルーのツナギを着ている整備兵を配置。見えにくいがバッファローの兵士はリモコン(自作)でクレーンを操作している
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマレオパルト2 A7V運搬作業アップ
▲パワーパックを吊り上げているアームはバッファローの物を使用。残念なことに固定用ワイヤーが2本取れてしまい、残骸が下に転がっている。過酷な運搬に耐えられなかったようだ
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマLKW軽車両ウルフアップ
▲LKW軽車両ウルフはDEFモデルのレジン製自重変形タイヤに交換。キャンバスはルーターで加工して布感を強調させた
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマパワーパックマン置場アップ
▲パワーパックを置く台座。これはライフィールドモデルのキットに付いていた物。中のオイルパンはプラ板で自作
嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマBPz3A1 Buffalo ARV (戦車回収車)アップ
▲クレーンのワイヤーは磯釣り用4号釣り糸を使用。始点から終点まで1本のワイヤーで取り付けた。ワイヤーはピーンと張る。これ大切! 神経を使う作業ですが、クレーン製作の醍醐味

 先のタミヤ新製品発表の会場で設計担当の方から、レオパルト2 A7Vはエンジン交換や整備の際、機関部パネルを吊り上げると、防御のため巨大化した砲塔が邪魔になる。そのため、この小さな扉を開けて作業をする……と。「!」これは与えられた使命と勝手に受け止めてディオラマにしました。
 レオパルト2 A7Vはエンジンパネルをカットし、トーションバーなどの内部造作を製作。途中まで引き上げたエンジンで見えなくなるので適当に。砲塔脇にある例の開閉式扉内部はすっきりした造作のためプラ板でディテールを追加。A7Vになると機関部パネルに牽引ロープの固定具が付くようになったため、パネルを外すと、牽引ロープも外される。ワイヤーは金属製に置き換え、両端のフックを取り付けた。砲身は別売りのメタル砲身を使用。他はストレート組み。アンテナの長さは3.3mなので1/35スケールにすると98mm。これには 0.6mm真鍮線をルーターにセットし回転、サンドペーパーで切削し先端を細くしたものを使った。車体に三色迷彩を施したあと、演習場のホコリっぽい状況を再現。迷彩パターンはほとんど目立たなくなった。これの固着にはアルキッド・バインダー・スタンダード・ピグメント定着剤を使用。これは乾燥後も同液で薄めたりできる優れ物。レオパルトのエンジンはライフィールドのキット。デカールも入っている親切設計がうれしい。
 ベースはディオラマ用モーリン製リアルサンドをメインに泥絵の具、パステルの粉を混ぜて水を加え枠に流し込み乾燥。轍はベースより濃い色合いに混色し、少ない水を加えボソボソ状の物を溝に付けて再現。
 フィギュアはタミヤレオパルト2 A7Vの純正戦車兵に加えてミニアート、モンモデルの連邦軍戦車兵を追加。迷彩服の塗装は誰もが苦手で、できれば塗りたくない。そこで新たな塗装法を編み出しました。もしかしてもう実践されているテクニックかもしれませんが。まずマットブラックをフィギュア全体にスプレー。あとは迷彩色をスポンジで転着。そう、車体に施すチッピングです。今回使用したフィギュア8体塗装するのに2〜3時間しかかからなかった。これなら他の迷彩服も簡単にできそうです。不得意を克服しよう。それにタミヤ・ドイツ戦車兵エンジン整備セットの2体とICMのジャーナリストフィギュア達でストーリー性を持たせた。
 脇役のBPz3A1 Buffalo ARV (戦車回収車)はホビーボス製。前商品BPz2バッファローの発展型で、サイドアーマーなどを追加したもので流用パーツが多い、反面、キットに入っていないパーツがある。これは手作りで対応。次もクレーン物。好きなものはしょうがない。乞うご期待。

嘉瀬翔製作「レオパルト2 A7V」メインディオラマ

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット ドイツ連邦軍主力戦車 レオパルト2 A7V 他使用

öI 2025

ディオラマ製作・文/嘉瀬翔

ドイツ連邦軍主力戦車 レオパルト2 A7V
●発売元/タミヤ●6380円、発売中●1/35、約32cm●プラキット

ドイツ連邦軍主力戦車 レオパルト2 A7V メタル砲身
●発売元/タミヤ●1980円、発売中●1/35


\この記事が気に入った方はこちらもチェック!!/

 Sd Kfz 234/4 

ドイツの8輪重装甲偵察車Sd Kfz 234/4をミニアートのキットを使用してディオラマ化!東部戦線をモチーフとしたリアリティー溢れる作品!

EASTE RN FRONT 1944 ミニアートから積極的にバリエーション展開されているドイツの8輪重装甲偵察車 Sd Kfz 234から、青木周太郎が1944年12月から生産された長砲身の7.5cm PaK40[…]

  ドイツ Ⅰ号戦車B型 

『Ground Solid ~蹂躙~』第二次世界大戦の幕開け「ポーランド電撃戦」超大型AFVディオラマ。青木周太郎が圧倒的物量で製作!

Ground Solid ~蹂躙~ 毎年恒例となっている青木周太郎による超大型AFVディオラマが今年もついに完成。何度かのトラブルに見舞われながらも、なんとか2025年2月号のホビージャパン[…]

この記事が気に入ったらシェアしてください!

嘉瀬翔(カセショウ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2025年6月号

ご購入はこちら

ホセ・ルイスの戦車模型のつくり方 Part.3 現用戦車

ご購入はこちら

スケールモデルレビュー Vol.4

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー