HOME記事スケールモデル陸自の愛され戦車「74式」にドーザ装置を装備!HJMミリタリーシリーズの新開発オプションパーツセットを組み合わせ実戦の迫力があふれる仕上がりに!!

陸自の愛され戦車「74式」にドーザ装置を装備!HJMミリタリーシリーズの新開発オプションパーツセットを組み合わせ実戦の迫力があふれる仕上がりに!!

2025.04.15

陸上自衛隊 74式戦車(ドーザ装置付)【ホビージャパン 1/35】●木村良一 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)

国産2代目の第2.5世代主力戦車を、ドーザ装置を装備して仕上げる!

 国内で設計・金型・成型、3種類から選択可能な砲身仰角、完成後も変更可能な車高可変ギミックなど、驚異の完全新金型キットとして好評を博しているホビージャパンの1/35スケール74式戦車に、専用のオプションパーツセットが登場! 限定版には偽装網なども付属、実戦の迫力があふれるフォルムをぜひ体感してほしい!

陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)右側面後方寄
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)左側面
▲「74式戦車用 ドーザ装置&アクセサリーパーツセット」は、2023年発売の「陸上自衛隊 74式戦車」をさらに深く楽しめるオプションパーツとして開発されている
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)左側面後方寄
▲実際に砲火を交えることなく昨年度末に全車が退役した74式戦車だが、本セットにより偽装網や各種車外装備品を搭載した実戦的な姿で作り上げることが可能だ
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)ドーザ装置アップ
▲車体前面の車幅いっぱいに装備された「ドーザ装置」。「排土板」とも呼ばれ、ダッグインを行うための掩体壕の掘削などに使用される。2011年の福島第一原発の事故では敷地内のがれき撤去のため出動している
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)ドーザ装置正面
▲ドーザ装置は前面のドーザーブレードと油圧による昇降装置で構成されているが、今回のオプションパーツでも正確に再現されており、油圧シリンダーとドーザーのロッドを接着しなければ、完成後も上げ下ろしが可能だ
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)右側面
▲限定版のセットにはバラキューダ(偽装網)とゴムチューブを同梱。自衛隊車両には必須のアイテムといえ、作例を見れば効果は歴然だ
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)砲塔前部
▲砲塔前部。防盾左側の赤外線サーチライトを撤去した状態。ノーマルのプロポーションも魅力的だが、装備や積載物を追加するとさらに迫力とリアリティが高まる
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)機関室上面
▲機関室上面。塗装はGSIクレオスの陸上自衛隊車両専用塗料を使用。車体色は特に調色せずとも陸自車両らしい仕上がり。ウォッシングで明度を高く調整した
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)車体前上部
▲車体前上部。表面に比べて裏側は意外と複雑な構造のドーザ装置だが、取り付けは位置決め用の治具が用意されており、問題なく組み立てることができる
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)履帯アップ
▲履帯はアクリルのサンドカラーで塗り、エナメルのグレイでドライブラシ。車体下部やドーザーなどはウェザリングペースト マッドイエローで土汚れを表現した
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)砲塔後部アップ
▲砲塔後部には増設バスケット増設と各種の積荷を取り付け、機関室後端には丸太を搭載。限定版に付属のゴムチューブに見立てた軟質素材の帯で押さえている
陸上自衛隊-74-式戦車(ドーザ装置付)限定版に付属するナイロン製のバラキューダアップ
▲限定版に付属するナイロン製のバラキューダ(偽装網)を砲塔上面や砲身に取り付けた。非常に扱いやすく、要所を瞬間接着剤とゴムチューブで固定している

はじめに
 「こんなキットが欲しかった」そう感じさせてくれたのはHJMミリタリーシリーズの『1/35 陸上自衛隊 74式戦車』でした。形状の素晴らしさもさることながら、姿勢を変えられるサスペンションパーツのギミックや、防盾周りのパーツを交換することで俯角仰角が再現できる砲身、それと見える部分だけとはいえ車体後部ハッチを開けると見えるエンジン部など、74式の特徴を考慮し設計されたキットということが伝わってくる名作キットとなっています。サスペンションの可動ギミックに合わせて、履帯が可動式になっていますがリアルな仕上がりとなっているのも好感が持てます。

製作
 今回製作しましたのは、HJMミリタリーシリーズの『1/35 陸上自衛隊 74式戦車』に新開発のオプションパーツセット『1/35 74式戦車用 ドーザ装置&アクセサリーパーツセット』を組み合わせています。オプションパーツセットは砲塔後部のバスケット増設パーツに丸太など積載物、それと車体前面に装備されるドーザーのパーツが付属しています。車体キットと同様に説明書をよく理解しつつ工作を進めていけば、位置決め用の治具が用意されていることもあり問題なく組み立てることができると思います。ただ、ドーザーは車体から伸びるパイプ状のパーツを油圧シリンダに接着すると、せっかく可動するドーザー部が固定されていまいます。上げたままの状態なら接着しても大丈夫ですが、のちに動かしたい場合には接着しないでおくと良いと思います。バラキュ-ダはナイロン製で破れにくく、とても扱いやすい素材です。所々瞬間接着剤を使い固定しています。その後、付属するゴムチューブに見立てた軟質素材の帯を使い、不用意に浮かないように押さえています。なにも追加装備がされないプレーンの状態も、プロポーションがわかりやすいので良いと思いますが、装備や積載物が追加された状態は迫力とリアリティが高まったと感じます。

塗装
 塗装はGSIクレオスの陸上自衛隊車両専用塗料を使用しました。車体色はとくに色を加えるなどせずに製品状態のまま使用しています。自衛隊の色は、白を加えてスケールなりに明るくすると、緑色と茶色を隣同士にした際に「自衛隊車両に見えなくなる」ことがあります。その点で言いますとGSIクレオスのMr.カラーにある専用色は、実によく調色された色と思いますので、あれこれと色をいじらずにそのまま使用したほうが“らしく”仕上がると思います。とはいえ、ミニチュアですからそのままでは暗い色調の印象になりかねません。そこで作品は迷彩塗装が完了してから、全体にGSIクレオスのMr.ウェザリングカラー、サンディーウォッシュを薄く塗布して“ホコリを被り白っぽくぼやける”ようにしています。ホコリと同時に退色感も再現できて一石二鳥の車体色調整方法(ウェザリングの一環ですが)になりました。
 ディテールを強調するためにMr.ウェザリングカラー、グラウンドブラウンを使いスミ入れも行いました。全体に塗るのではなく、はみ出しを最小限にとどめるイメージで、モールドに合わせて毛細管現象を利用しつつ作業しました。塗料の乾燥後にはみ出しを拭き取り完了です。履帯はアクリル塗料を調色して作ったサンドカラーで全体を塗り、エナメル塗料のグレイでドライブラシして仕上げました。転輪など車体下部とドーザーは、GSIクレオスのMr.ウェザリングペースト マッドイエローを使い土汚れを表現しています。
 最後に荷物を塗り分けバラキューダを取り付ければ完成です。
 HJMミリタリーシリーズの『1/35 陸上自衛隊 74式戦車』用追加パーツキットには今回紹介した『1/35 74式戦車用 ドーザ装置&アクセサリーパーツセット』のほか、『1/35 74式戦車改 リアクティブアーマー(バトルオーバー北海道Ver.)』(車体キット)もあります。作っていて楽しいと感じるキットでした。ノーマル(?)と3台並べてコレクションもいいですね!

ホビージャパン 1/35 スケール プラスチックキット

陸上自衛隊 74式戦車(ドーザ装置付)

製作・文/木村良一

陸上自衛隊74式戦車
●発売元/ホビージャパン●8690円、発売中●1/35、約26.8cm●プラキット

74式戦車用 ドーザ装置&アクセサリーパーツセット【限定版
●発売元/ホビージャパン●5478円、発売中●1/35●プラキット


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