【コードギアス 新潔のアルマリア】ep04「無関係のひとを巻き込むなんて許せない」
2025.04.05『コードギアス 奪還のロゼ』へと続く物語
『コードギアス 復活のルルーシュ』と『奪還のロゼ』をつなぐ『コードギアス』の新たなるストーリー『新潔のアルマリア』。黒の騎士団指令室のあるママラ湾沖に突如現れた謎の武装勢力が、ついにアラ・モアナ・ビーチに上陸。迎撃指示が遅れるなか、白いナイトメアフレームが敵のサザーランドを一閃、次々と撃破していく。それはハクバの駆る新月だった。
STAFF
シナリオ 長月文弥
キャラクターデザイン 岩村あおい(サンライズ作画塾)
ナイトメアフレームデザイン アストレイズ
ナイトメアフレーム新月モデル製作 おれんぢえびす
ep04|『無関係のひとを巻き込むなんて許せない』
ワイキキに本部を構える黒の騎士団の指令室。ママラ湾沖に突如として出現した謎の武装勢力の対応に追われて騒然としている。指令室に映し出されたママラ湾の映像には、ナイトメアを数機ずつ搭載した揚陸艇が三隻ほど浜辺に向かってくる光景が映し出されていた。モニタリングしている騎士団員が慌てた様子で総司令であるインディラ・タルールに指示を請う。しかし……。
「タルール司令、ご指示を!」
「ま、待て。まずは超合集国に確認を……」
「そんな時間は……」
藤堂鏡志朗の後を継いで黒の騎士団の総司令の任に就いたインディラ・タルールにとって予期せぬ敵襲はこれが初めて。焦りと混乱でまともに指示を出すことができない。新任とはいえど、インディラはかつての黒の騎士団において参番隊の隊長を務めたほどの実力者。そのインディラの対応がおぼつかなくなるほど、超合集国と黒の騎士団の本部のあるワイキキに直接奇襲をかけるということは無謀かつ驚くべき事態であった。
「正体不明の部隊の揚陸艇、アラ・モアナ・ビーチに到着します!」
「うっ……」
ついに揚陸艇がビーチに到着し、ハッチが開く。
「怯むことはない。奇跡の藤堂が退陣した黒の騎士団など恐るるに足らん。信号を辿り、“奴”を確保しろ!」
「イエス、マイロード!」
海中深く潜った潜水艦から檄を飛ばすグラナード。士気の高まったパイロットたちの駆るサザーランドが次々と揚陸艇から飛び出す。
「砂浜か。ナイトメアとは相性が悪いな」
「サンドボードがあれば違うんだが仕方ない。黒の騎士団の応戦に警戒しつつ、超合集国の本部を目指せ!」
砂浜に下りたサザーランドがランドスピナーを使用せず、歩いて超合集国本部を目指す。悪路での走行を補助するサンドボードを装備していないためだ。この時生じた少しの時間が黒の騎士団に味方する。
「何をやっている、タルール司令! 敵性ナイトメアの上陸を許したぞ!」
指令室に飛び込んできたのは、陸軍大将であるコーネリア。
「しかし、ゼロにも確認をとらなければ……」
「この非常事態に何を悠長なことを。とにかく警戒レベルを4に引き上げ、敵性ナイトメアの排除を……」
対応の遅さを見かねたコーネリアがインディラの代わりに指示を出す。すると、アラ・モアナ・ビーチを映していた監視カメラの映像に白いナイトメアが踊り込む。
「あれは……!」
足場の悪い砂浜をものともせず、跳ねるようにサザーランドへと斬りかかって沈黙させていく。ハクバの新月だ。
「確か新月とかいう月下のカスタム機……」
「神楽耶のところのエージェントか。これは助かる。第十一旅団に通達。第一、二連隊出撃。指揮は私が執る!」
新月の登場に時間が稼げると踏んだコーネリアは、指令室の団員たちに指示を出す。が、インディラを差し置いての指示に戸惑いを隠せない。
「責任は私がとる! 復唱は!?」
「は、はい! 第十一旅団に通達! 第一、二連隊出撃せよ! 繰り返す……」
コーネリアの言葉に、ようやく指令室が機能し始める。
「インディラ、私が出る。ここは任せるぞ」
「ああ……」
インディラにそう言い残すと、コーネリアは急いだ様子で指令室を後にする。
「足場の悪い場所じゃあ、月下系の足周りに軍配が上がるんでな!」
悪路をスラッシュハーケンやサンドボードで踏破することを想定して設計されている旧ブリタニア系のナイトメアフレームと違い、新月に採用されている月影型フレームは、追加装備がなくても悪路での戦闘が想定されている。そのため、高速戦闘を基本とするナイトメア同士での戦闘において、この砂浜のような足場の悪い場所でも素早く動けることは絶対的な優位性を示していた。アラ・モアナ・ビーチに上陸してくるブリタニア第五世代機であるサザーランドを、月影型フレームの新月が片っ端から試作熱斬刀で斬り伏せていく。
「こいつも黒の騎士団か? ゲッカ型は厄介だな」
「しかし、こっちは数で勝っている。取り囲んで潰すぞ!」
一方でグラナードの部下たちも負けてはいない。性能差があるにもかかわらず、数の多さを利用してハクバの新月との接戦に持ち込む。取り囲まれてしまっては、さすがのハクバも防戦一方を強いられてしまう。
「連携の取れた動き。こいつら、相当な訓練を積んでいる」
「輻射障壁だけでも厄介なのに、ブレイズ・ルミナスまで持っているのか? このゲッカ型は!」
グラナードの部隊は、輻射障壁とブレイズ・ルミナスを持つ新月に決定打を与えることは出来ない。しかし、手数の多さで新月の動きを鈍らせることは出来る。それゆえにハクバのほうも、全機を相手にするのは難しい。少しでも油断すれば、押し潰されそうになる。そんな状況のなか、サトリからの通信が入る。
「ハクバ! 黒の騎士団の部隊に出動命令が出たみたい。もう少し頑張って」
「そいつは助かる。が、お前たちもチャウラー博士たちを連れてシェルターに向かえ。こいつらの動きから見て、目的は超合集国の本部ビルだ」
「わかった!」
黒の騎士団が応援に来てくれれば戦況は大きく変わる。しかし、それはグラナードの部隊にとっても同じこと。ハクバがサザーランドの動きを注視すると、数機が戦闘から離れていくのが見える。黒の騎士団の出撃を察知したグラナードの部隊が、全機でハクバを潰してから超合集国本部に向かうことを諦め、数機でハクバを足止めして他の機体で超合集国本部を襲うことに切り替えたのだ。
「言ってるそばからこれだ!」
統合兵装のチェーンガンを戦列から離れていくサザーランドたちに向けて撃つが、ハクバの足止めを買って出たサザーランドがその前に出て盾となる。
「盾になるだと? そこまでする目的があるってのか」
防戦での時間稼ぎを諦め、打って出るハクバ。しかし、新月の熱斬刀や統合兵装を駆使しても敵機を減らすには限度がある。
「こいつは時間をかけていられないがなんとも!」
ハクバが焦りの表情を浮かべたその時、空中から大型のスラッシュハーケンが放たれ、ハクバを取り囲んでいたサザーランドが破壊される。咄嗟に攻撃が放たれた頭上を見上げるハクバ。
「あいつは、この間の」
そこには中東でワールドアヴァを全滅させた謎の黒いナイトメアフレームがハクバを見下ろしていた。
「どういうつもりだ?」
すると、黒いナイトメアは、さらにグラナードの部隊へと攻撃を仕掛ける。
「どうして奴さんがここにいるのかは知らないが、味方してくれるっていうんなら甘えさせてもらう!」
黒いナイトメアの出現に動揺しているグラナードの部隊の隙をついて、超合集国本部へ向かおうとしていた部隊に追いつくハクバ。ハクバの新月をサポートするように戦う黒いナイトメアの登場により、形勢が一気に逆転する。
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