「ASW-G-61 ガンダム・ザガン」をスクラッチ製作。独特なシルエットをプラ板工作と各種ジャンクパーツを駆使して精度高く再現『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』
2025.10.30ASW-G-61 ガンダム・ザガン【スクラッチビルド 1/144】●田中康貴 月刊ホビージャパン2025年4月号(2月25日発売)

HG ガンダム端白星(第2形態)の記事はこちら
▲ 製作途中状態。全身の外装をプラ板から製作しているのがよく分かる。芯に使用しているガンダム・フレームもそのままではガンダム・ザガンのシルエットを再現できないので、延長や幅増しを行っている
▲ シールドプライヤーユニットはプラ板積層の組み合わせ。外板の2枚で芯となる部分をはさみ込む構造で、可動部の軸は2mmのプラ棒を使用している
▲ シールドプライヤーユニットは根元、アームで3ヵ所、クローで2ヵ所可動。収納状態の各パーツがピッタリ噛み合った様をご確認いただきたい
■これぞ鉄血!
今回はガンダム・ザガンを担当させていただきました。拳とプライヤーで敵を粉砕する姿を見ると、やっぱり『鉄血のオルフェンズ』はこうでなくちゃ! という感じになります。見た目もパワーと耐久性を感じさせるものでとてもかっこいいですが、他に似た機体もないためガンダム・フレームとジャンクパーツを利用しつつ今回も大部分をプラ板等でスクラッチしています。
■頭部
高い襟で見づらいですが、かなり複雑な形状です。ベースにHG ガンダムアスタロトのフレームとHGBD ガンダムダブルオースカイの庇とフェイスを利用しました。プラ板を切り貼りして面影がないですが、大きさや左右のバランスを整える助けになりました。
■胸部・腰部
ガンダム・フレームにプラ板で自作したパーツを取り付けています。胸部は肩パーツと噛み合って結構窮屈になる部分なので、設定画の印象から離れないようにしつつ肩を納めるための空間を設けられるようパーツの取り付け位置や角度にも気を配りました。腰部は装甲の厚みが感じられること、後ろから見たときにリアアーマーがシールドプライヤーユニットに埋もれずしっかりと存在感が出ることを意識しています。
■腕部
骨格が他のガンダムと異なるようなので、ガンダム・フレームを連結・延長しています。また肩と上腕は可動がシビアで、フレームに外装を接着すると干渉してポージングの妨げになるので市販のジョイントでつないで逃がせるようにしています。
■脚部
広い肩幅と釣り合いが取れるよう脚フレームも5mmほど延長したうえで外装を取り付けています。設定画からは太い脚というよりは、左右のふくらはぎ外装の角度やアンクルガードの位置、靴部の大きさが合わさって上半身に負けないような堂々とした印象が出ていると感じたので、製作においてもこれらのバランスに気を付けながら作業を進めていきました。
■シールドプライヤーユニット
デザイン的に各パーツの噛み合わせがとても重要になってきますので、切り出しや整形、表面処理の都度、接合部の擦り合わせを欠かさず行いました。展開ギミック用の可動軸は最終的に2mmのプラ棒を利用しましたが、それを通す穴開けもブレが極力出ないよう卓上ボール盤を使用し1mm→1.5mm→1.8mm→2mmと小刻みに広げています。それでも微妙なズレが重なって思うように噛み合わなかったり、展開しなかったりとかなり苦戦しました。
■塗装
設定画のカラーを参考に塗っています。
本体紺=ティターンズブルー2+セミグロスブラック
本体グレー=グレーバイオレット+クールホワイト+MSブルー+MSレッド
本体赤=MSレッド
本体黄=MSイエロー
本体白=MSホワイト+セミグロスブラック
フレームグレー=グレーバイオレット+蛍光オレンジ+セミグロスブラック+クールホワイト
エナメル塗料でスミ入れ後、各部に水転写デカールを貼って完成です。

1/144スケール スクラッチビルド
ASW-G-61 ガンダム・ザガン
製作・文/田中康貴
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ⓒ創通・サンライズ
田中康貴(タナカヤスタカ)
本誌を代表するスクラッチモデラーのひとり。プラ板を使用したパーツ製作を得意とし、細かなギミック再現にも秀でている。

























