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キャンディ塗装マイスターに訊く!模型テクニック【マイスター関田】

2021.06.30

キャンディ塗装マイスター/マイスター関田(サイバスター【BANDAI SPIRITS】) 月刊ホビージャパン2021年8月号(6月24日発売)

CANDY PAINTING Meister

キャンディ塗装マイスター

マイスター関田

 模型店スタッフ兼モデラーとして工具や塗料の知識を培い、中でもパール・メタリック塗料には一家言を持つマイスター関田。最新HGアイテムのサイバスターを題材に、メタリック色の上にクリアーカラーを乗せる「キャンディ塗装」を解説してもらおう。

▲ パールとメタリック塗料を駆使して塗り上げたMODEROIDガイキング(月刊ホビージャパン2021年5月号掲載)。プラスチックとは思えない、まるで超合金のような仕上がり (月刊ホビージャパン2021年5月号の詳細はこちら)
▲月刊ホビージャパン2020年6月号特集「これからも残しておきたい塗装テクニック」では、パール・メタリック塗料の変遷についてインタビューに応じている(月刊ホビージャパン2020年6月号の書籍情報はこちら)

 キャンディ塗装のポイント 

●表面処理と下地
 下地塗装の時点で顔が映るほどの光沢を出すと美しい反射層が得られます。表面処理を入念に行い、傷や作業の痕跡を確実に消しておくことがきれいな下地への近道です。また、下地の色調も表現したいイメージによって変えましょう。黒下地は有効な選択肢だが唯一の正解ではありません。
反射層の選択
 仕上がった作品を、実物を鑑賞して楽しみたいのか、撮影して画像で楽しみたいのか。その要求を満たすために、メタリックとパールどちらを使うのか、粒子の大きさはどれくらいの塗料を選ぶのか。それぞれの特性を知ったうえで選択して組み合わせます。
試し吹き
 下地・反射層・着色コートの組み合わせがイメージ通りの仕上がりになるかは実際に塗ってみないとわかりません。ぶっつけ本番はあまりにもリスキーなため、事前に試し吹きを行い「すでに勝っている状態」で本番に臨むべきです。

キャンディ塗装に役立つおススメ塗料

ガイアノーツ スターブライトシルバー

▲配合されている金属粒子が大きくギラつきが強いです。他の大粒径金属粒子で構成されたシルバーに比べて着色クリアーを重ねても塗膜が平滑になりやすく、キャンディ塗装の反射層として、特に撮影が前提となっている作品では重宝します

GSIクレオス スーパークリアーIII

▲通常のMr.カラーのクリアーよりも塗膜が固く、適切な条件設定で吹けば吹きっぱなしでも顔がハッキリと映り込むくらいの硬質感のある光沢に仕上がって便利。後述の色ノ源との組み合わせにも使えます。ガイアノーツのEx-クリアーも同様の硬質感ある仕上がりになりますよ!

GSIクレオス 色ノ源シリーズ

▲3色のうち2色を組み合わせて混ぜることでほとんどの色相が調合でき、クリアーを足すことで(純粋なクリアカラーの透過性には及ばないものの)自作のクリアカラーが作れます。また、既存のクリアーカラーに足すことで色相をシフトさせることができるので便利です

メインカラーの塗装

 サイバスターの色は銀のような白のような不思議な色合いです。今回はゲーム『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END』版を意識しつつも、CGで表現されている大理石のようなムラやコントラストを抑えながら、グラデーションをかけました。

▲ここで下地を暗色にしてしまうと仕上がりも暗く、イメージしたバイオレット調の白にならないため、明るめの青にしています
▲グラデーションのシェード色になる鮮やかな青紫を狙って、一度極端に彩度を上げます
▲ホワイトに2層目の色を混ぜて、ハイライトグラデーションをかけつつ一気に明るくしていきます
▲仕上げに薄くホワイトパールを重ねて反射に変化を持たせます
▲実際に塗装したパーツ。青と銀がかかった白、といった雰囲気になりました。曲面が多いので最後のパールコートの効果が顕著に出ます

関節部の塗装

 作例の重厚感を上げつつ装甲色との対比を強めてメリハリをつけるため、『第2次スーパーロボット大戦OG』ゲーム内のCGを意識しながら彩度を上げつつ暗くしています。

▲仕上がりのイメージに重厚感を加え、また2層目のシルバーの反射を強めるため暗くなるまで彩度を上げた青紫を下地にします。色の濁りを極力抑えるため黒下地は使用しません
▲強めのクリアーカラーを重ねることを想定して、粒子が大きくギラつきの強いシルバーを選択
▲原色調合した色調にクリアーを足して作った高透過性の青紫を、イメージ通りの彩度・明度(ここでは暗さ)になるまで重ねていきます
▲紫のパールを重ねることで、クリアー層を通して表現されるメタリック青紫と併せて角度によって反射と色調が変化する仕上がりを目指しました

▲パーツに塗装した状態。作例では一部にレッドパールをさらに重ねることで疑似的なカラーストリーミングを表現しています

完成!

▲ 実際に完成させたのがこちら。淡くミステリアスなメインカラーと、ギラリと主張の強い関節部の対比がいいメリハリになっています

風の魔装機神を塗装で魅せる!

 前半で解説した塗装により仕上げられたサイバスター。ファンタジー要素が非常に強い本機のモデルは、やはり塗装にこだわりたいところ。キャンディ塗装に限らず、パール・メタリック塗料の塗装法は知識と経験がものを言う。作例に使用したHGキットは非常にシャープな造形で塗装に注力しやすく、今回のような塗装表現の練習にも打ってつけと言えるだろう。本記事を参考に、美麗なキャンディ塗装にレッツトライ!

▲頭部周辺は細かな塗り分け箇所が点在するが、キットではこれらをほぼ色分けで再現。メインの塗装はキマったのに、マスキングを失敗して台無しに…、なんて悲しい事態も起こらない。こういった点からも、本キットは塗装表現にチャレンジしやすいアイテムと言える
▲異世界ラ・ギアスで建造され、風の精霊サイフィスと契約した風の魔装機神。装甲材質はオリハルコニウムという希少金属で、今回のような塗装はこれらの設定とよくマッチしているだろう
▲特徴的なデザインのウイング。作例では表面処理とエッジの削り込みで形状を整えているが、キット状態でもかなりシャープに成型されている
▲ 素組み(左)との比較。キット状態ですでに鋭利な造形になっており、塗装が加わることでその造形がより引き立てられている

▲積層状の腰部アーマーは、段差を彫り込むことでディテールアップ

▲各所にある肉抜きを丁寧に処理。ウイング基部はプラ板を詰め込んで瞬間接着剤でならした

▲ふくらはぎの段差部分も、腰部アーマー同様削り込んで多重構造感を演出。かかとの爪の肉抜き埋めも効果的だ

▲使い魔が憑依して操縦するハイファミリア。3パーツのみながら、こちらも塗装しやすいパーツ構成になっている
▲高速巡航形態・サイバードに変形可能。ハンドを外すのみで変形できる。爪の裏の肉抜きが目立つので、しっかり埋めておくと見映えが大きく変わる
▲ディスカッターとハンドパーツの造形も良好。武器持ち手は接着して合わせ目を消し、それで持てなくなるディスカッターは柄だけカット、真鍮線で差し込めるようにしている
▲ 肩の引き出し関節などで可動も優秀。塗装後もガシガシ動かすなら、可動部分を削り込んで塗膜分のクリアランスを確保しておこう

 ドーモ、マイスター関田でございます。
今回は1991年の初登場から30年目にしてBANDAI SPIRITSよりキット化となりましたサイバスターを製作させていただきました。HGということで組みやすく、メリハリの付いたプロポーションも魅力的ということで大改造はせず、端々の気になる部分を抑えつつ、イメージ通りの塗装で仕上げていくというのが大まかな製作方針です。
■各部の工作
 装甲パーツは各先端部が鋭く尖った状態で成型されており、これに合わせて縁を削り込んで輪郭をシャープに整えることでさらに見映えを良くしていきます。特に腰部装甲は輪郭に沿ってモールドされている段差を彫り込み、積層装甲のイメージで加工しています。その他は各部のスジ彫りや段差を彫りこみ精密感を増しつつ肉抜き穴を埋めていきました。
■塗装に関して
 サイバスターは各媒体によって微妙に色調や質感が異なりますが、今回は自分の中での好みをいいとこ取りする形で色調を選択しています。私の塗装は重厚感を目指して下地に暗めの色を置くことが多いのですが、サイバスターの本体色のように淡い色調の場合は注意が必要です。下地を暗くすることで最終的な段階でイメージとは違った濁りが発生してしまうというのは避けたいところ。あくまで明暗の陰影ではなく、極端に彩度の高いシェイド色から彩度を低くしつつ明るく白に近づけていくイメージでグラデーションをかけています。紫の関節色もまた各媒体で微妙に色調が異なり迷うところですが、今回は淡白なメインの色との対比を狙って彩度を極端に高めた色調を選択しています。この2色のバランスが作品の全体像を大きく左右するので、自分のイメージする色が出せるようキチンと試し吹きをして実際の仕上がりで確認しておきたいところです。
■作り終えて
 他のHGシリーズ同様シンプルな構成のキットで作りやすく、また自分の出したい方向性が出しやすいと感じました。俄然、他の機体も欲しくなってしまいますね! 今後の展開に期待です!
■その他の塗装レシピ
金色の部分
1層目=ブラウン→2層目=スターブライトシルバー→3層目=スーパークリアーIII→4層目=ゴールド
赤の部分
1層目=ブラウン+ブラック→2層目=クールホワイトでハイライトグラデーション→3層目=自作クリアーレッド(色ノ源マゼンタ+色ノ源イエロー+スーパークリアーIII)
グリーンの部分(宝玉部分)
1層目=ウイノーブラック→2層目=クールホワイトでハイライトグラデーション→3層目=蛍光イエローグリーン+純色シアン
蛍光グリーン(目、胸部三角形)
1層目=クールホワイト→2層目=蛍光グリーン+色ノ源シアン+クールホワイト

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット
“ハイグレード”

サイバスター

製作・文/マイスター関田

HG サイバスター
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●4400円、発売中●約17㎝●プラキット

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Ⓒ東映アニメーション ⒸSRWOG PROJECT

マイスター関田 (マイスターセキタ)

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