Tu-134UBL “CRUSTY-B”
TRAINING PLANE ツポレフ Tu-134UBL クラスティ-B 練習機
2021.06.29
漆黒に身を包んだロシア空軍の爆撃機トレーナー
1970年代から導入が始まったツポレフTu-134旅客機は、約900機が生産され東側諸国で運用されたソビエトの傑作小型旅客機だが、一部は軍用にも使われている。なかでも1980年代に登場したTu-134UBLは、Tu-22M3バックファイアやTu-160ブラックジャックなど可変翼爆撃機の操縦訓練用として使われており、機首を長く尖った形状とした特異な姿で有名だ。ズベズダでは1/144スケールの旅客機型Tu-134A/B-3を発売中だが、実機と同様に新たな機首パーツなどを追加しTu-134UBL練習機をリリース。先鋭的な機影がグロスブラックの装いでさらに引き立つ!
Tu-134UBL “CRUSTY-B”
■実機について
ツポレフTu-134は、1960年代中頃より旧ソビエト連邦や共産圏諸国を中心に使われた小型の双発旅客機です。リアエンジン、T字尾翼の機体で当時の旅客機の標準的なデザインとも言えそうです。
機体サイズから国内線近距離路線を中心に使われましたが、各国の軍用輸送機などとしても多用されてきました。中でも外観的に特徴があるのが今回の作例、Tu-134UBLです。この機体は当時の戦略爆撃機Tu-160ブラックジャックの乗員訓練用の機体であり、ノーズコーンはまさにそのTu-160の機首にそっくりになってます。
■キットについて
1/144スケールでズベズダから発売されたこのキットは、以前にリリースされた民間型のTu-134旅客機のパーツ変更でモデル化されたもので、胴体やノーズコーンが新規に追加されています。シャープなノーズコーンや、機体のパネルラインなど、現代のズベズダらしいパーツの完成度を見せています。
組み立てもストレスなく組み立てられます。若干の「引け」がありますが、そこはパテ埋めの練習と思って(汗)。
このキット、コクピット内部は「ドンガラ」状態なので、紙などで簡単な仕切りを作り、毎度お馴染みのトミーテック1/150スケールのものをパイロットに仕立てたフィギュアを乗せています。
■塗装
箱絵にもなっている、インパクトありすぎの黒い機体を選びました。黒いけどツヤがある! 軍用機ですが、なんかシックなプライベートジェットみたいに見えますね。機体色はブラックを使用せず、ダークグレー(ブラックグレー?)を実機画像などから想像して調合してみました。
デカールは貼りやすくクリアーコートにも馴染む、今のズベズダ標準仕様。窓周りの銀縁もきれいに印刷されています。
最後に細かいパーツを付けますが、インテーク部品など極端に小さい(T-T)ので、なくさないようにくれぐれもご注意ください。ギヤ周りもシャープですが、折れやすいので細心の注意で取り付けました。あー、怖い怖い( ̄▽ ̄;)。
キットに含まれない細かいパーツは、手持ちで使えそうなものから取り付けました。胴体の衝突防止灯はクリアーパーツで似たものを、コクピット窓のワイパーは鉄道模型の部品から選びました。
■終わりに
さまざまな姿で飛ぶ飛行機。そんな中でも爆撃機の訓練用という、特殊な機体ではありますが、模型としてはその色も相まって独特な姿は興味を引くものですね。実機を見る機会がほとんどない機体だけに、色味も含めて想像を膨らませながら製作しました。
ズベズダ 1/144スケール プラスチックキット
ツポレフ TU-134 UBL練習機(NATOコード クラスティ-B)
製作・文/飛楽
ツポレフ TU-134 UBL練習機(NATOコード クラスティ-B)
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス
●2750円、発売中●1/144、約28.5cm
●プラキット
飛楽(ヒラク)
2021年春も参加予定だった展示会が中止や延期となり、結果、模型製作をサボりまくっている飛楽であります。