20年前に発売されたキット「アークエンジェル」を『ガンダムSEED FREEDOM』版にアップデート!艦船系キットのオマケのMSフィギュアを使って劇中のMSを再現!!
2025.02.24LCAM-01XA アークエンジェル級強襲機動特装艦 アークエンジェル【BANDAI SPIRITS 1/1700】 月刊ホビージャパン2025年3月号(1月24日発売)
■EXモデル復活求む!
今回は懐かしのEXモデル「アークエンジェル」を『ガンダムSEED FREEDOM』版にアップデートすることになりました。20年前のキットということを聞けばびっくりしますが、このEXモデルシリーズはサポートメカにモビルアーマー、宇宙戦艦など独特なラインナップでガンプラ世界に深みを与えてくれて、当時から大好きでありました。スナップフィットながら色分けを考慮しないシンプルなパーツ割りで、シールもなし。マスキング塗装前提の中・上級者向けとなっています。塗装指示もなく少々不親切感は否めませんが、なによりアイテムが渋すぎです! 多少のことなら許せます!(笑)。しかし、シリーズは27作目でストップ。とても寂しいです…。今でもU.C.HARD GRAPHとともにに密かに復活を願っているシリーズであります。
■アークエンジェルよ永遠なれ!
アークエンジェルは長らく伝説の不沈艦でしたが、『ガンダムSEED FREEDOM』ではついに涙の最期を迎えてしまいました…。マリュー艦長以下、馴染みのメンバーが新造艦に乗り換えてしまって複雑な気分を味わったファンも多かったろうと思います…。ということで自然と気合が入るべき作例なのですが、キットの箱にある完成写真と映画版CGモデルを見比べてみて情報量の圧倒的な差に愕然としてしまい、限られた期間内でどこまで再現できるかと、製作を前にして戦意喪失気味のスタートとなりました…。
■とても作りがいのあるキット
まあ、こういう場合はともかく手を動かしていけばその内にいいアイデアが浮かんできますので、まずは基本工作からきっちり進めます。なにしろ古いキットなのでヒケや変形が結構目立ちます。また、格納庫底面やU字型尾翼の合わせ目も段差や隙間が出ます。精密感を上げる第一歩はこういうところをキッチリ仕上げることなので、じっくり丁寧に整形してやりましょう。もちろんこの際、各翼端は削り込んで薄くしておくのも忘れずに。また、映画版のアークエンジェルは武装が追加されているので、CGモデルを参考にイーゲルシュテルンやミサイルハッチなどをプラ板・プラ材で追加してやると気分が乗ってきます。基本工作が終わったらスジ彫りを追加していきます。CGモデルを見て効果的なところを選んで彫ります。ただし、キットとCGモデルではシルエットが若干違うのでその通りにはいきません。かっこよければよし! と割り切って適宜アレンジしましょう。さらにスケールに見合うように小さめの「・」「-」「凹」を各所に彫り込み、伸ばしランナーやプラ材のチップなども貼り付けて精密感を上げてやります。
■ラインデカールでパネル表現
映画版CGモデルの最大の特徴が細かく色分けされたパネル表現です。これをこのスケールの模型に忠実に落とし込むには少々無理があるので、ここまできたらCGモデルは見ず、イメージ重視で進めることにします(時間もないし…)。そこで、まずは分解できるパーツを分解してトーンを変化させて塗装(スミ入れまでやっちゃう)します。その後、同系色のラインデカール(HJモデラーズデカールなど)を貼り付けることで細かいパネルが存在するような雰囲気にしました。ただし、ラインデカールはワンパターンなので多用すれば逆にスケール感を損ねる危険もあります。ある程度で加減し、重ね貼りしたりナイフでカットしたりして変化を付けるのがコツでしょう。最後にツヤと濃さを調整したスーパークリアーグレートーンで軽くグラデーションをかけて完成です。
■何の機体かわかるかな?
EXモデルの艦船系キットにはオマケのMSミニフィギュアが付属します。これがひそかな楽しみでもあります! 今回はエターナル付属のフィギュアも使って、映画版に相応しい4機を用意してみました。とにかく小さいので雰囲気重視で改造しましょう。仕上げはエナメル塗料の筆塗りです。
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BANDAI SPIRITS 1/1700スケール プラスチックキット “EXモデル” アークエンジェル使用
LCAM-01XA アークエンジェル級強襲機動特装艦 アークエンジェル
製作・文/木村直貴
EXモデル アークエンジェル
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4950円、発売中●1/1700、約24cm●プラキット
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©創通・サンライズ
木村直貴(キムラナオキ)
工作&塗装ともにミリタリー要素を取り入れたディテールアップを得意とするエースモデラー。和歌山在住の大正琴師範代。