HOME記事スケールモデルアカデミーの1/48「T-34B メンター」キットレビュー!! 旧ミニクラフト製の金型を使用した米海軍バージョンを組み立ててみよう!

アカデミーの1/48「T-34B メンター」キットレビュー!! 旧ミニクラフト製の金型を使用した米海軍バージョンを組み立ててみよう!

2025.01.23

T-34B メンター“アメリカ海軍 第5訓練飛行隊”【アカデミー 1/48】●山田昌行 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)

山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」

自衛隊でも運用したレシプロ初等練習機

 旧ミニクラフトのプラパーツにエッチングパーツやカット済みマスクシートなどを加えたリニューアルキットを展開中のアカデミーから、アメリカ海軍が1950年代から1970年代に初等練習機として運用したビーチクラフトT-34Bメンターの1/48キットが登場。モノクロームの航空自衛隊タイプをベースに、米海軍型との細かな差異もしっかりと再現。おとなしい機影に紅白に塗り分けられた派手なカラーリングがよく似合う!

山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」俯瞰
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」右側面前方寄
▲ビーチクラフトT-34メンターは、ジェット機に合わせた前車輪式の初等練習機として開発。アメリカ空軍向けのT-34Aは1953年から導入、海軍でも細部を除きほぼ同一仕様のT-34Bが採用されている
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」後方俯瞰
▲アカデミーのキットは旧ミニクラフトの金型によるもの。2018年初出なのでフォルム、ディテールともに現在の目でも充分に満足のいく内容だ
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」前方俯瞰
▲T-34メンターは米国以外のさまざまな国で運用されたが、日本でも戦後間もない時期に富士重工で多数をライセンス生産、航空自衛隊でも運用された他、LM-1、KM-2、T-3などの派生型も生み出されている
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」L字型アンテナアップ
▲垂直尾翼頂部のL字形アンテナと方向舵下部の切り欠きはT-34Bの特徴。各翼面には凸リベットやコルゲート板の凹みもしっかりとモールドされている
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」プロペラアップ
▲T-34では当時のジェット戦闘機の標準に合わせ、練習機からの移行を容易にするため前輪式の降着装置を装備。T-34Bでは前脚の車輪は旋回式ではなく固定式となる
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」コクピット内部製作途中
▲コクピット内部は少ないパーツで詳細に再現されている。計器パネルはモールドの上からメーターのデカールを貼る形式。シートベルトもデカール再現となっている
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」機首内部製作途中
▲前脚式のため、機首にはオモリを入れておく必要がある。胴体左右の貼り合わせの前に、釣り用の薄い板鉛を使って組立説明書の指示通り15gをセットしておく
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」塗装前状態
▲機体が完成し塗装前の状態。キャノピーにはカット済みマスクシートが用意されているのでマスキングは簡単だ。プロペラや降着装置などは塗装後に取り付ける
山田昌行製作アカデミー「T-34B-メンター“アメリカ海軍-第5訓練飛行隊”」左側面
▲胴体の凸リベットなどを実機通りに再現した好キット。組み立ても問題なく進めることができる。マーキングはいずれも米海軍のもの3種類で、紅白塗り分けの機体2種、全面イエローの機体1種がセットされる

米海軍バージョンが登場
 アカデミーよりリリースされた1/48 T-34Bメンターを作ります。このメンターは航空自衛隊バージョンと米海軍バージョンが別々に発売されており、今回は米海軍バージョンを作ります。
 このキットは旧ミニクラフト製の金型を使用したものです。ミニクラフト時代にはなかったマスクシートが付属するのは大変ありがたいことです。表面は実機通りの凸リベットがモールドされています。塗装、デカール、ウォッシングなどに気を使いますが問題ないでしょう。

組み立て
 定番通りコクピットから組み立てます。細かいパーツやデカールもあるので、きれいに塗り分けて仕上げます。パイロットシートのクッションパーツにベルトがモールドされていますので、塗り分けてやればよいと思います。
 コクピット部を内部にセットして左右の胴体を組み立てますが、テールヘビーなのでオモリを入れておきます。15gと指示があるので助かりますね。エンジンカウル内に板鉛などを利用して詰め込みます。
 胴体ができたら桁パーツを取り付け、主翼を組み立てます。水平尾翼を組み立て胴体にセットすれば形ができ上がります。
 次に付属のマスクシートをキャノピーパーツに貼り胴体にセットします。ピッタリ決まりますので、ズレたり曲がったりしないよう注意します。脚部およびプロペラは別途組み立て塗装し仕上げておき、機体完成後最後に取り付けます。

塗装とマーキング
 塗装例2の機体にしました。まず全体をガイアノーツ製サーフェイサーエヴォ ブラックで下塗りし、アンチグレアの部分をマスキングしておきます。
 その後全体をGSIクレオス製Mr.カラーのC316の指示だったので塗ったのですが、黄色味が強すぎて違和感があったので、上からGX1クールホワイトを部分的にオーバーコートしてあります。次に白で残す部分をマスキングしてC59オレンジを塗ります。
 塗装後、スミ入れしてデカールを貼ります。凸リベットにもよく密着するデカールですが、薄いのでよれたり重なったりしないよう注意します。
 最終的にオーバーコートしますが、おそらく実機は光沢だと思います。ただあまり光沢が強いとおもちゃっぽくなるので、作例では半光沢にしました。その後脚部およびプロペラを取り付け完成です。
 なお垂直尾翼上部のアンテナはキットのプラパーツでは太すぎると思い、箱絵を参考に0.3mmの鋼線に変えてあります。

最後に
 以前にも旧ミニクラフトのアカデミー製品を製作させていただいています。よい製品も多いので、これからもこのパターンが続くことを期待します。

アカデミー 1/48スケール プラスチックキット

T-34B メンター“アメリカ海軍 第5訓練飛行隊”

製作・文/山田昌行

T-34B メンター“アメリカ海軍 第5訓練飛行隊”
●発売元/アカデミー、販売元/インターアライド●3080円、発売中●1/48、約18.2cm●プラキット


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山田昌行(ヤマダマサユキ)

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