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零式艦上戦闘機五二型(中島製)をエアブラシによるグラデーション塗装&銀箔を活用した塗装ハゲ表現で仕上げる

2025.01.06

零式艦上戦闘機五二型(中島製)【ファインモールド 1/48】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)

●機体色の塗装

コックピットをマスキング

▲機体色を塗っていく。まずは最初に完成させたコックピットに塗料が入り込まないようにマスキングする

黒下地を吹く

▲機体の美しいモールドに陰影が映えるように、まずはウイノーブラックを全体に吹き黒下地を作る

下面の塗装

▲次に下面の塗装へ。Mr.カラーの明灰白色(1)を吹き付ける。黒の下地を完全に隠蔽せずに、うっすらと下地が透けるように塗装するとグラデーション効果が現れる

下面をマスキング

▲下面の塗料が乾いたらマスキング。側面に迫り上がってくる部分もマスキングして、上面の緑と塗り分けられるようにしておく

上面の緑を塗装

▲メインカラーとなる緑を塗っていく。使用した塗料はAKの「リアルカラー RC955 IJN D2 グリーンブラック(ラッカー塗料)」。パネルラインなどにうっすらと下地の黒が残るようにして塗っていく

ハイライト用の下地を塗る

▲クールホワイトを各面の中央に薄く吹き付ける。この後に薄めたグリーンを塗ることでハイライト効果が生まれ、機体色が若干退色している雰囲気が表現できる

薄く希釈した緑を吹き付ける

▲より薄く希釈したリアルカラー RC955 IJN D2 グリーンブラックを吹き付けていく。下地の白が透け、表情豊かな塗面に仕上がっているのがわかる

下面のウェザリング&スミ入れ

▲Mr.ウェザリングカラーのマルチブラックを使用して、くっきりとしたスミ入れと汚しを入れる

上面のウェザリング

▲上面はMr.ウェザリングカラーのマルチグレーを使用。マルチグレーはくどさが無いので、清潔感ある雰囲気を保ちたい時のウェザリングにピッタリ。拭き取り方向は、飛行機の進行方向を意識して拭き取った。この後ピンポイントでMr.ウェザリングカラーのステインブラウンをスミ入れした

▲コックピットに同社のナノアヴィエーションのシートベルトパーツを作例のように追加するだけで、完成度が高くなる

▲キットのエンジンカウルは完成後も取り外し可能な設計となっている。この構成を活かして、じっくりとエンジンを作り込むのも楽しい。作例は0.3mmの銅線でプラグコードを追加している
▲プロペラ外側にも塗装ハゲを表現

●銀箔を使用した塗装ハゲ表現

極薄の銀箔

▲バイクのカスタムペイントなどにも使用される銀箔シートを使用。非常に薄く模型と一体になる

マークセッターを用意

▲銀箔を貼る部分にまずはマークセッターを塗る

薄いのですぐに密着!

▲マークセッターを塗った部分に銀箔を持っていく。その後指やピンセットで擦ったりして銀箔をランダムに砕く

ピンセットで砕いた銀箔を移動&除去

▲砕いた銀箔を好きな位置に調整したり、間引いたりしてお好みの塗装ハゲになるように調整する。最後に定着のためにトップコートを吹く。トップコートを吹いても濁ったりせず美しい輝きを保つので、模型のアクセントになる

 ハルサーです。これまでたくさんの日本海軍機を作ってきた私ハルサー流仕上げの製作メソッドを全投入して製作したいと思います。

●コックピット製作
 座席には同社のナノアヴィエーションのシートベルトを取り付けます。これまで数々の他社製零戦に使用し愛用してきたこのパーツが、ついに同じファインモールドの零戦に使えるのは感慨深いものがあります。シートベルトはしっかり形を整えたら接着し、全体を塗装後に筆塗りで塗り分け。各パーツを切り出し丁寧にゲート処理を行い、塗装を考えて最低限の接着を済ませます。全体をまずはGX2 ウイノーブラックで塗装し、黒を残す部分をマスキングしたらC126で塗装します。次に全体をステインブラウンでウォッシングし、AKのドライブラシ筆を用いてスーパーファインシルバー2をドライブラシします。デカールを貼ったら全体をツヤ消しクリアーでコートし、計器類のガラス面を水性クリアーで筆塗りします。床面の窓ガラスは最後に取り付けました。計器盤の前に取り付けるパーツを含め、青竹色に塗装する部分は先にまとめて塗装します。まずはGX2をベースにSM208を塗装し、その上からクリアーブルーを塗装し、実際の青竹色に近い仕上げにしてみました。7.7mmと20mm機銃はそれぞれピンバイスで機銃口を開けてツヤ消し黒で塗装後にシルバーでドライブラシをかけます。コックピットを組み立てたら胴体前方パーツを上から被せます。前方パーツはヘッドレスト部分の側面のヒケを処理し、後部の軽め穴のモールドをピンバイスで開口します。

●主翼・胴体
 続いて主翼の組み立てです。脚庫内部を組み立てて翼の上下を合わせ、流し込み接着剤で少しずつ接着していきます。接着剤が完全に乾いたらパネルラインの合わせ目をハイパーカットソーで切りこみます。さらに合わせ目付近のリベットを追加で打ちます。ここまで処理をしてから合わせ目をヤスリがけします。適時スミ入れをして合わせ目付近のモールドを確認していきましょう。次に胴体と主翼を接着します。コックピットの上部と主翼の下面を手ではさんでしっかりと接着します。この時にフィレットと主翼に段差が出来ないように気をつけて接着します。接着剤が完全に乾いたらフィレット部分の省略されているリベットを追加で打っておきます。次に組み立てた胴体後部を取り付けます。ここまで組み立てたらマスキングをして塗装に入ります。水平尾翼も取り付けて士の字にしたい所ですが、マスキング工程が楽になるのでインストの指示に従いましょう。

●本体の塗装
 まずは全体をウイノーブラックで塗装し、下面を明灰白色(1)で塗装します。下面をマスキングしたらAKのIJN D2グリーンブラックを全体に軽く塗装します。次に薄めたクールホワイトでリベットラインで囲まれたパネルの中心を狙ってハイライトを入れていきます。特に主翼の付け根付近は強めに入れておきます。次にその上から先程よりもかなり薄めたAK IJN D2グリーンブラックを重ねていきます。一度に強く吹くと下地がにじんでしまうので、薄めに何度も重ね塗りします。乾燥後にマスキングを剥がし、下面はマルチブラック、上面はマルチグレーを使用してウォッシングをします。全体の拭き取りが終わったらステインブラウンを所々に付けて機体の前方から後方に流れるように綿棒で拭き取ります。そして次のデカールの工程に備えて全体を光沢クリアーでコートします。

●デカール
 日の丸デカールはマークセッターで貼るだけでリベットにある程度馴染みますので、馴染みが足りない所をマークソフターやドライヤーで軟化させて濡らした綿棒を押し付けて馴染ませました。マーキングは箱絵と同じです。

●銀箔を使用した塗装剥がれ
 デカールを貼り終えたら、塗装剥がれを銀箔を使って再現します。マークセッターを塗った所に銀箔を貼り、指やピンセットで銀箔を擦って砕いていきます。あとは乾く前に塗装剥がれを再現したい所にピンセットで銀箔を移動させます。乾燥後に半ツヤ消しクリアーでコートします。

●キャノピーの組み立て
 枠パーツはとても繊細なので取り扱いに注意します。枠とガラスの接着ですが、流し込み接着剤をキャップの刷毛ではなく、細めの面相筆を使い少しずつ点付けしていきます。キャノピーを取り付け、黒い伸ばしランナーで空中線を再現したら完成です。最新のファインモールド零戦をもとに本記事のハルサー流仕上げを参考にぜひカッコイイ零戦にチャレンジしてみてください。

ファインモールド 1/48スケール プラスチックキット IJN A6M5 艦上戦闘機

零式艦上戦闘機五二型(中島製)

製作・文/ハルサー

帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(中島製)
●発売元/ファインモールド●4950円、発売中●1/48、約18.8cm●プラキット

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