可変機構搭載の「MGSD ウイングガンダムゼロ EW」をシャープに、美しく仕上げる【新機動戦記ガンダムW Endless Waltz】
2024.12.30XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ EW【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
ATMOSPHERIC ENTRY MODE 大気圏突入モード
状況に応じたシャープ化を使い分けるべし
●ピンと尖らせたい円錐状のエッジは真鍮線を使って強度を上げながらシャープ化しよう。0.3mmのピンバイスで、シャープ化したい先端に穴を開けて同径の真鍮線を差し込む。その後瞬間接着パテを盛って削り出してシャープ化する
●板状の面を含むエッジは、プラ板を挟み込んでシャープ化することで強度を上げることができる。まずは厚さ0.3mmの模型用ノコで先端に垂直に切り込みを入れる。そこに同厚のプラ板を差し込んで瞬間接着パテで接着しつつ盛り、削り込むことでシャープ化する
NEO BIRD FORM IN-ATMOSPHERE MODE ネオバード形態 大気圏内モード
NEO BIRD FORM OUTSIDE-ATMOSPHERE MODE ネオバード形態 大気圏外モード
■はじめまして!
MGSD ウイングガンダムゼロ EWの作例を担当させていただきましたtauyoと申します。MGSDと聞くと、MGのキットをSDの頭身にデフォルメ化して簡単にしたものかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まったく別物です。小さい体にディテールを凝縮したうえ、翼の設計やギミックはMGからさらに進化しているように感じました。
■ヒロイックでかっこいい!
MGSD第3弾にしてプロポーションが完全に完成されておりヒロイックにかっこよく仕上がっています。個人的に、真横から見た際に頭部の前後厚のみ、気持ち薄いように感じたため、サイドダクトの外装の後ろ半分のみを切り離し、1.5mmプラ板をはさみ後ろ方向にボリュームを増しています。
■ウイングバインダーの合わせ目
素組みでは主翼(大きい羽)と副翼(後ろの羽)の周囲ほぼすべてに合わせ目が残ります。今回はスライドや展開ギミック、強度面に支障が出ないよう注意しながら、部分的に一度切り離して合わせ目を消します。切り離しにはエッチングソーや0.1mmのタガネで慎重に削り進め、最後はデザインナイフで切り離します。切断して粗くなった断面はラッカーパテを厚めに塗って整えます。
■シャープ化
アンテナや肩アーマー、シールドや主翼の小羽根等、全身にわたって突起をシャープ化しました。アンテナや小羽根等の円錐または三角錐に尖らせたい箇所は0.3mmの穴を開け、0.3mm径の真鍮線を瞬着で固定して削り込みます。若干厚みがあるパーツ等の線状に尖らせたい箇所は、パーツの厚みに対して垂直にノコギリで切り込みを入れ、その刃厚に合う薄プラ板を差し込み、瞬着で固定し削り込んでいます。先端にプラ材を溶着して削るシャープ化より、時短と強度を両得できます。
■塗装とシール仕上げ
MGの高明度、高彩度の色彩設計を参考にさらに彩度を少し上げ、面積が広い白と青は濃淡2色を使用して情報量を上げてみました。ランナー時点できれいなシルバーのパーツはキットを順守し黒地にガイアノーツ スターブライトシルバー。フレームはGSIクレオス グレーバイオレットを基調に、部分的にガイアノーツ スターブライトアイアンで差異を出しています。付属のシールは可能な限り縁をデザインナイフで切り取って貼付することで境目が目立ちにくくなります。シール台紙の大枠をベロ〜っとめくり剥がすことで、マーキングシールだけのシール台紙になります。そこから、細かな余白をデザインナイフで切除すると、きれいにマーキングのみを切り出せます。
BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット “MGSD”
XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ EW
製作・文/tauyo
MGSD ウイングガンダムゼロ EW
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーデビジョン クリエイション部●4950円、発売中●約13cm●プラキット
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ⓒ創通・サンライズ
tauyo(タウヨ)
月刊ホビージャパン2025年1月号「第27回 全日本オラザク選手権」のガンプラ部門で一次審査を通過し、2025年2月号で作例デビュー。精度の高い工作と清潔感のある仕上がりを得意とする新進気鋭のモデラー。