HOME記事工具・マテリアルプロが【HGマイクロチゼル専用 平行スジ彫りグリップ】の使い方教えます。ノモケンが気になる最新工具を本気でレビュー!

プロが【HGマイクロチゼル専用 平行スジ彫りグリップ】の使い方教えます。ノモケンが気になる最新工具を本気でレビュー!

2025.01.11

プロモデラー「ノモケン」が教える道具の使い方!! 【HGマイクロチゼル専用 平行スジ彫りグリップ/ウェーブ】

曲面、曲線のフチ取り!

▲ 続いては曲面パーツでフチ取るようなスジ彫りを行います。ガイドの向きと沿わせ方がポイントになります
▲ パーツのフチにガイドを水平にあてがった状態。このまま動かすと、断面的な幅は一定でも、パーツ表面ではフチからの幅が一定にはなりません
▲ パーツ表面でフチ取りの幅を揃えるには、このようにガイドの面とパーツが垂直に近い角度で接するようにします
▲ 軽い力で沿わすのは前の例と同様。パーツフチと接する角度を見つつ、柔軟に動かしていきます
▲ 1周回ってアタリがついた状態。フチが膨らんでいるところは沿わせやすいですが、えぐれているところはガイド面が2点で接するので少し幅が狭くなり、ブレやすいです
▲ 同じ動きを数周繰り返し、スジ彫りをクッキリ深くした仕上がり。他にもパーツフチの肉厚部分にスジ彫りを施すなど応用ができます
▲ ガイドの幅を0.5mm広げて、内側にスジ彫りを追加。スジ彫り同士が曲線で平行な状態に彫れています

段落ちモールドに使える?

▲ パーツの合わせ目を“段落ち”にしてパネルライン風に見せるテクニック。これも試してみました
▲ ガイドを“0位置”に閉じて、0.3mmチゼル刃を長めに出しています。これはガイドの先をパーツ裏のダボなどと干渉させないためですが、こうするとチゼル先がちょっと浮いて彫れる状態。ガイドを短く加工するなど工夫したら解消しそうですが、それは本来の用途ではないので、今回はここまでに

ガイド幅の調整にひと工夫

▲ 「平行スジ彫りグリップ」のガイドの位置決めについて。幅の目安となる“目盛り”が見える隙間に目的の幅のプラ材などをはさんでビスを締めることで、すばやく確実に幅の調整ができて、再現性もあるものになります。この例は1mmプラ板を挟んでネジ締め。プラ板は外してしまいます
▲ 定量的に調整できるよう、シャフト部分に通す“スペーサー”を用意してみました。シャフトが6mm径なので、それが通るようにプラ板に穴を開けたもの(1.0mm、0.5mm厚)。内径6.2mmのプラパイプを使ったもの(長さ10mm)。また6mmネジ用のワッシャ-が厚さ1mmなのでこれも都合がよさそうです
▲ 1mm厚2枚と0.5mm厚1枚を挟んで2.5mm幅に調整したところ。スペーサーを使うことで、あとから同じ幅で合わせることも容易になります

今回のまとめ

 用途としてはマニアックかもしれませんが、プラモデルの改造工作やディテールの追加などでパーツのフチと平行にアタリを付けたり、ミゾを彫る場面は案外あったりします。使用例のような加工を経験したり、自分の作業と重なりそうなら試して欲しいアイテムです。工具としては小型で、刃先を変更できるところは、長さ調整も含めて使用場面が広がります。フチからの幅を定量的に調整できるのも使い勝手を高めてくれます。加工中は刃先とガイドの接し方に気を配り、そこが安定する持ち方、動かし方をするのがコツということになります。


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解説・文/野本憲一

 多くのユーザーから愛される模型製作ガイド「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」の著者・プロモデラー。当連載『いまさら聞けないプラモデルの基礎』では、令和最新版“プラモデル製作の基礎”を解説します。現在では数多くの選択肢があるプラモデル製作の道具やテクニック。「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもなぁ…」と思うものもあるはず。そんな“ギモン”を改めて学んでみましょう。


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