ホラー映画『ミイラの墓場』ミイラ男がエクスプラスのプラキットシリーズにラインナップ!ディオラマビルダーならではの塗装テクニックでキットをさらに魅せる
2024.12.10ミイラの墓場 ロン・チェイニー・ジュニア as ミイラ男【エクスプラス 1/8】 ●山田卓司 月刊ホビージャパン2025年1月号(11月25日発売)
ユニバーサル・モンスターズの最新キットを塗装表現で魅せる
1942年公開のホラー映画『ミイラの墓場』より、ミイラ男がエクスプラスのユニバーサル・モンスターズのプラキットシリーズにラインナップ。怪奇映画のトップスター、ロン・チェイニー・ジュニア演じるミイラ男を、見事なパーツ分割で詳細にわたり忠実に再現している。作例は、これまでもエクスプラスの1/8プラキットシリーズを多く手掛けてきた山田卓司が担当。倒れたトーチから漏れる明かりの照り返しを塗装で表現するなど、ディオラマビルダーならではの塗装テクニックでキットを盛り立てている。
エクスプラス 1/8スケール プラスチックキット
ミイラの墓場 ロン・チェイニー・ジュニアas ミイラ男
ディオラマ製作・文/山田卓司
『ミイラの墓場』。1942年公開の古いアメリカ映画です。ちなみにユニバーサルのミイラ映画としては3作目。ロン・チェイニー・ジュニア演じるミイラ男としては1作目の作品。
モチーフが同じだと思われる旧オーロラのプラキット「ミイラ男」はモノグラム、レベルと引き継がれ、いまだにリリースされるほどの名キットですが、我らのエクスプラスはこれに果敢に挑戦しました。現代のプラキットならではの抜群のパーツ勘合。プロポーション、ディテール、ベースのアイデアなど、充分に価格に見合うだけの内容のキットに仕上がっています。モデラー視点では、倒れたトーチの照り返しの塗装表現が興味深いですね。
ボロボロに古びた包帯のディテールが素晴らしく、細かくパーツ分割してディテール再現していてまるでパズル。説明書に従ってパーツナンバーを間違えない様にじっくり取り組みましょう。逆に合わせ目処理は充分に気を使う必要があります。パーツ自体の勘合は良いのですが、油断すると塗装後に分割部がハッキリ見えてきて興ざめなので丁寧に接着することをオススメします。もちろんサーフェイサー塗装してのチェックは欠かせません。
組み立て後は楽しい塗装。このキットは倒れたトーチの炎と、その照り返し塗装がキモなので手順をよく考える必要があります。照り返しがあるということは照り返しと反対側は暗くなります。私は全体をブラックのサーフェイサーを塗ってから下側からホワイトのサーフェイサーでスプレー塗装します。全体を汚れたグレーで塗装。タミヤのミディアムグレーをオススメします。
ドライブラシでディテールを浮かび上がらせますが、包帯の端はウェザリングカラーのブラックでスミ入れ塗装してクッキリさせます。照り返しに再びホワイトのサーフェイサーをスプレー塗装し、その上から蛍光オレンジを吹き付けている。足元は強く、上に行くに従って徐々に薄く塗装します。もし照り返し塗装が面倒なら、炎のパーツは透明プラなので内側から電飾するのもひとつの方法です。
この映画のミイラ男のメイクは『フランケンシュタイン』で有名なメイクアップ・アーティストのジャック・ピアース。本作品ではラバー製マスクを使用しているとのこと。フェイス部分と手はMr.ウェザリングカラーのフェイスグリーンで染めていますが、スチール画像で見るとそれほど黒ずんではいません。ハッキリしないのですが、「フェイマス・モンスターズ」誌の表紙を参考に左眼は瞳を入れました。
エクスプラス 1/8スケール プラスチックキット
ミイラの墓場
ロン・チェイニー・ジュニア as ミイラ男
製作・文/山田卓司
1/8スケール ミイラの墓場 ロン・チェイニー・ジュニア as ミイラ男 プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●6578円、発売中●1/8、約23cm(台座含む)●プラキット
▼ 関連記事はこちら
Ⓒ Universal Studios LLC. All Rights Reserved. Lon Chaney Jr.TM likeness Ⓒ Chaney Entertainment Inc. All Rights Reserved.
山田卓司(ヤマダタクジ)
本誌を代表するレジェンドディオラマビルダー、情景王。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。