HOME記事ガールズプラモ【プロに聞いてみた】ガールズプラモ撮影の“ピントと絞り(F値)”調整のお話。ミキシングをいかに魅せることができるか

【プロに聞いてみた】ガールズプラモ撮影の“ピントと絞り(F値)”調整のお話。ミキシングをいかに魅せることができるか

2024.12.28

かわいく魅せる写真ワザ ガールズプラモスタイル#04(10月17日発売)

かわいく魅せる写真ワザ

ミキシングを魅せる撮り方とは?

 ガールズプラモの楽しみ方のひとつ「写真撮影」。本連載ではスマホで手軽に、カメラでしっかり、あなたのガールズプラモをかわいく魅せる写真ワザをご紹介します。今回のテーマは「ミキシングをいかに魅せるか」です! 今回はガールズプラモスタイル#03に収録された写真で解説しています。

撮影/葛貴紀(スマイル) 解説/大松耀久(ホビージャパン編集部)


ホビージャパンでガールズプラモを撮影しているプロカメラマンに聞いてみた

スサノヲカスタムのイメージ画像

編集部 /ガールズプラモの物撮りって正解はあるんですか?

スタジオR /そもそもプラモの物撮りって、カメラ業界でもかなり特殊な撮影なんです。そして、そこに女の子を撮る要素が入ってくるとさらに複雑にいろんな要素が絡み合ってくるので、撮影者によって撮る写真のクセが結構変わってくるんですよ。だから「これ」といった正解は無いんですが、撮影するうえで気を付けていることはあります。

編集部 /どのあたりに気を付けているんでしょう? やはりピントとか…?

スタジオR /そうですね。基本ピントは女の子の目に合わせて撮影しています。ただ、当スタジオは昔からプラモのパッケージなどにもなる「商用写真」を撮影しているという流れもあって、どこで切り抜いても成立するように全体にピントが合うようにしています。なので基本、部分カットでも後ろをそこまでボカさずピント合わせるようにしています。
 ただ、ポージングカットや特撮カット、一部だけを見せたい部分カットの時は絞りを開いて(低いF値で)あえてボカした表現で撮ることがあります。要はボカしの使い分けですね。それができればガールズプラモを撮るとき、かなりレベルアップを実感できると思いますよ。


ピンボケも使いよう?絞り(F値)を調節しよう!

絞りとはカメラのレンズを通る光の量を調整する仕組みのことを言います。その数値はF値で表します。

F値が小さいと(例: F/2.8)絞りが開いた状態でたくさん光が入り、背景がボケやすくなります。
F値が大きいと(例: F/22)絞りを絞った状態で少ししか光が入りませんが、全体にピントが合いやすくなります。

全体をくっきり見せるか、部分的に目立たせるかによって絞り(F値)を調整することでさまざまな表現が可能になります。

ガールズプラモ撮影の絞り20に設定した写真のイメージ
▲ F値20で撮影した寄りカット。目元にピントが合い、髪の毛の後ろの部分は少しボケた良い表情の写真になっています
ガールズプラモ撮影の絞り20に設定した写真のイメージ2
▲ こちらもF値20で撮影した寄りカット。こういった奥行きの少ないパーツはピントを合わせやすいため、改造箇所を紹介するのにもってこいです!
ガールズプラモ撮影の絞り22に設定した写真のイメージ
▲ さきほどよりさらに絞ったF値22で撮影した全身カット。絞れば絞るほど全身にピントが合うようになるためミキシングの全容を見せやすくなります。ただ、反比例するように絞れば絞るほどカメラが取り込む光の量が減るので、三脚に固定してシャッタースピードを落とさないといけないという点には注意が必要です

コトブキヤ 1/1スケール プラスチックキット“メガミデバイス” 皇巫 スサノヲ 紅蓮 使用

皇巫 スサノヲ 陽印

製作・文/ふにふにインド

ガールズプラモ撮影の絞り5に設定した写真のイメージ
▲ F値を5に下げて撮影したシチュエーションカットです。F値を下げたことでピントが合う範囲が狭くなり、ピントを合わせた本体以外の部分がボケて見えます。こうすることで、見せたい部分を強調する写真が撮れるのです
ガールズプラモ撮影の絞り20に設定した写真のイメージ3
▲ 全身を撮影するときは、やはりすべてにピントが合っていた方が見やすいのでF値を20にして撮影しています

コトブキヤ 1/10スケール プラスチックキット “創彩少女庭園” ドレスアップボディ【M】、結城 まどか【桃桜高校・夏服】ほか使用

結城 まどか 〜サマー・ドレスアップスタイル

製作・文/いるみーぜ

ガールズプラモ撮影の絞り20に設定した写真のイメージ4
▲ ミキシングを見せたい全身の立ちカットとは別に、ポージングを見せたいカットであればピントが全身に合っていなくても問題ないですよね。そんな時はあえて武器の先までピントを合わせないほうが迫力のある写真が撮れますよ

コトブキヤ 1/10スケール プラスチックキット“創彩少女庭園”源内あお ほか使用

源内あお アリス・ギア・アイギスVer.

製作・文/urahana3


スマホ撮影で実践だ!

 ここまではプロの撮影方法を紹介しましたが、ここからはカメラマンが実践している「ピント」の考え方をスマホでの撮影に置き換えて実践してみました。ぜひ手軽な撮影の参考にしてみてください!

プラモデルの写真撮影の背景紙のセッティング風景の画像
▲ 今回もポスターの裏側とデスクライトのみで撮影しました
スマホで撮影したプラモデルの画像1
▲ 武器を構えた全身カットです。スマホのカメラは特性上、手前から奥までピントがよく合います。そのため、少し離れた位置から2.5倍〜3倍のズームで撮影すると、画質は少し悪くなってしまいますが、ほとんどピンボケの無い写真を撮影することが可能です
スマホで撮影したプラモデルの画像2
▲ 2倍ズームで目元にピントを合わせて撮影。手前の武器の先端が少しボケていますが、目元にピントを合わせているおかげで「ポーズカット」として迫力のある写真が撮れました
スマホで撮影したプラモデルの画像3
▲ こちらは2倍ズームで武器にピントを合わせた写真です。あえて目元にピントを合わせないことで、写真を見る人に「武器」に注目してもらうことができる写真になりました
ガールズプラモスタイル03の表紙画像


ガールズプラモスタイル#04
2200円(税込)

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ガールズプラモスタイル04のバナー
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