【未来戦士ルル 発売記念!!】「ルル的にはオジサマこそ本作のヒロインです(笑)。」 ルル役・会沢紗弥さんインタビュー〈月刊ホビージャパン2024年11月号掲載〉
2025.10.10『勇気爆発バーンブレイバーン』 ルル役 会沢紗弥インタビュー 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)
「ヨシ!」は「もっと達成感が欲しいです」とリテイクがありました
――第10話で語られた“未来戦士ルルの世界”ではすっかり大人になりましたが、“本編の世界”との違いはどのように演じられましたか?
大人になったルルを演じること自体、脚本を見て素直に驚きました。未来のルルはスミスとイサミを失っていて、ふたりを助ける決意が固まった状態で成長しています。ようやく『未来戦士ルル』の小説で語られたこともありますが、収録の時は本当に空白の期間でした。その間ずっと、スミスとイサミのことを胸に辛い思いもしているはずなので、そんな経験も含めた落ち着いた雰囲気は表現したいなと思いながら演じていました。オジサマやミユに見守られながら、「いよいよ…」「行ってきます」などのセリフがありますが、ルル的には長い時間を経てついにスミスとイサミを助けに行けるシーンですからね。ルルは言葉こそ学んでいますけど、ところどころまだカタコトな部分もあったり、アンバランスな感じも残すように気を付けました。
――未来シーンのあと、“現在”に戻って、ひとりで戦いに行こうとするイサミをチョークスリーパーで落としたりしていますよね。
あれはネタシーンですよね(笑)。とってもシリアスですけど「絶対に死なせない」って言いながらルルがやっちゃってる(笑)。イサミを落としたあとの「ヨシ!」は大張監督からリテイクがあって、「もっと達成感が欲しいです」とリクエストがありました。
スミスとオジサマ
――ルルとスミスとの関係についてお聞かせください。
ルルはスミスにベッタリなので、スミス役の阿座上洋平さんのお芝居、言い回しなどには特に注意していました。収録中、ブレイバーンの正体がスミスだったことは、キャストのなかではブレイバーン役の鈴村健一さんと私にしか伝えてられていなかったんです。第3話で登場した時点のルルは、本能的にはブレイバーンがスミスであることを知っているとして演じてほしいと大張監督がおっしゃっていました。
――オジサマ=スペルビアについてはいかがですか?
本編でも語られていますが、ルルとスペルビアはもともとひとつの存在だったんですよね。なので、ルル的にはオジサマこそ本作のヒロインです(笑)。最初は話が通じない部分とか、もどかしい部分もあるんですけど、“未来戦士ルルの世界”でスミスとイサミを失った、ショックを受けていたルルの側にいて、ずっと支えていてくれたのはオジサマですから。スミスとイサミを助ける覚悟を決めて“本編の世界”に戻ってきたルルがオジサマとまた一緒に戦えてよかったです。あと私、声優人生でロボットに乗るのはオジサマが初めてなので、それもあって私にとってすごく大切な存在です。オペレーション・ボーンファイアのキャンプシーンで魚、シーラを「うまっ! うまっ!」とか声を出して食べてるところは「ん? ロボット? 普通に杉田さん?」って思いましたけど(笑)。
――スペルビア役の杉田智和さんとの現場はいかがでしたか?
オジサマはキャッキャしているルルをたしなめたり、手を添えてくれるような包容力がありましたが、杉田さん自身もそんな印象でした。現場ではキャストひとりひとりとしっかり向き合っていて、とても温かみがある方なんです。ところどころに“杉田節”があって、すごく心強い存在です。最終回ではオジサマを失ってしまいましたが、この作品以降、別現場で杉田さんとお会いすると、ついオジサマとして話してしまいます(笑)。
アフレコ現場
――大張正己音響監督の演出はいかがでしたか?
大張監督はすごくキャスト陣を信用してくださっていると感じました。普通のアフレコ現場はテストがあって本番を行うのですが、大張監督はテストの部分もすごく大切に使ってくださるんです。ワンテイク目の新鮮さを重要視していて、のちに知ったのですがそれこそ「ガガピー」はテスト版を修正なしでそのまま使っていただいていました。
――ルル役はどのように決まったのでしょうか?
オーディションの概要は見せていただいたのですが、当時ルル役についてまったく情報がなくて、しかもコロナ禍だったので、音声データでのオーディションでした。指定のセリフは「ガガピー」と「イサミ強い!」だけ(笑)。わからないことが多かったので、思いっきりやらせていただきました。事務所にあるブースとマイクで収録したのですが、機器が耐えられなかったのか、音は割れていたかもしれません。
――以前のインタビューで大張監督がおっしゃっていたのですが、会沢さんの声を聴いて即「これがルルの声だ」と思ったそうです。
そのお話は初耳です! ただ、大張監督と初めてお会いした時、「(役作りは)もうすでに完璧です」とありがたいお言葉をいただきました。
©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会