HOME記事キャラクターモデル「ファルケスタビライザーの折り畳み」を実現! 横山宏41年越しの新設定に呼応したMAX渡辺とのファルケ特集!【Ma.K. in SF3D】

「ファルケスタビライザーの折り畳み」を実現! 横山宏41年越しの新設定に呼応したMAX渡辺とのファルケ特集!【Ma.K. in SF3D】

2024.10.12

Ma.K. in SF3D/傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ【マックスファクトリー 1/35】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

41年越しの新設定、折り畳まれたスタビライザー

 今回はマックスファクトリー1/35ファルケ特集の後編。横山宏が前回掲載したファルケのダイブブレーキ兼スタビライザーを折り畳んだ状態に改造。1983年の発表以来、41年越しとなる新設定にMAX渡辺が呼応し折り畳んだスタビライザーを追加、ファルケが格納状態で揃い踏みとなった。傑作キットの改造作例でファルケの魅力をじっくりと味わっていただきたい。
前編はコチラ

PLAMAX 1/35反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ

●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●5280円、発売中●1/35、約19cm●プラキット●原型/ファルケ:せど、フィギュア:平田英明


傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 製作/MAX渡辺

 格納庫には3機の新型戦闘機が並んでいた。反重力装置と間接視認システムを備えたファルケが配備された第5戦闘航空団には、新鋭機の搭乗経験がある古参のパイロットや適性能力を有すると判断された者が配属された。
 反重力状態での飛行が及ぼす影響は未知のもので「未来の自分に会った」と唱えた者が複数いたことから時間軸を歪ませるとの噂が第5戦闘航空団にも漏れ伝わっていた。整備を担当することになったエルモ・ロンカイネン伍長もその噂を聞き一抹の不安を覚えていたが、自分にできるのは入念に整備することしかないと黙々と作業を開始した。

 ダイブブレーキを兼ねたファルケ機体側面後方のスタビライザーは格納用に垂直方向に折り畳める機構を有しているが、極初期生産型では同部位の不具合が複数報告されていた。ロンカイネン伍長はスタビライザーの展開機構を慎重に確認し、比較的脆弱なスタビライザーに被弾しないようパイロットに注意を促した。

「そんなことはわかっちゃいるさ。そんなことより俺も一度くらいはこいつに乗って未来の自分に会いてえもんだな」
 古参のパイロットでファルケの搭乗経験もあるジェフリー・ブライトマン中尉はひと回り以上年の離れたロンカイネン伍長をからかうようにそう答え、単独で哨戒空域へ飛び立った。
 ブライトマン中尉は哨戒中に未確認の飛行体に遭遇。発見を報告した直後に消息が途絶えている。

▲“松本ドクロ”が大胆に描かれたMAX渡辺のファルケ。パネルラインは伸ばしランナーで埋めている
▲機体下面はダークレッドに塗られている。女性兵士をドーリーに座らせるのも味わい深い
▲ドクロは下描きなしでいきなり筆塗り。資料も見ずにそらで描けるという
▲演習時の敵想定機としてシュトラール軍特有の迷彩パターンで塗装。スペーサーパーツを使用し機首を伸ばした
▲手描きの円をデカール化してから筆で上塗り
▲パネルラインをまたぐなど変化に富む円の位置
▲︎ビビッドな赤で塗られた反重力装置がひときわ目を惹く機体下面
▲ブルーグレー×グリーングレーの迷彩機はスタビライザーを折り畳んだ状態に改造。機首を延長しパネルラインは埋めていない
▲ノーマルなスタビライザーに付け替えることもできる
▲︎競作したアグレッサー機を“タマミー2024”で撮影。左が小川昌男氏、右が森本たかへい氏の完成品
▲スタビライザーを折り畳んだことで間隔を詰めて並べることが可能に
▲折り畳んだスタビライザーの裏側も見えるようになったことで色のコントラストをいっそう楽しむことができる
▲︎横山氏の指示を受け、別キットのスタビライザーの軸を加工した
▲︎軸の角度を変えてスタビライザーを展開せずに緊急離陸するシーンを再現

■PLAMAXファルケ2回目いや、3回目!!
 ようやく秋めいた空模様になってきたなぁとホッとしたのも束の間、残暑が激烈で心が折れそうな模型芸人MAX渡辺です。とはいえ、日の出はめっきりと遅くなり、夕刻は秋の虫の音が涼やか。確実に秋はそこまで来ていますね。
 さて、キット発売前にプレレビューをしたので都合3度目の1/35 PLAMAXファルケですよ♪ サクサクッと組み立てられてあっという間に塗りに入れるお手軽サイコーなので、調子に乗って懲りもせずに塗ってきましたよ!

■松本零士とアグレッサー
 僕の心には松本零士先生が棲んでおられるのでやはり何はなくとも「松本ドクロ」は一機塗らないといけないんです。下描き一切なしでいきなり筆を入れちゃいます。しかも参考資料も一切見ないのです。でもちゃんと「松本ドクロ」でしょ♪ ウンウン、そういうことなんですよ(笑)。死神ドクロのイカすヤツ(ガイコツの指が両翼に描かれたウェズリー“ゴースト”スミス軍曹機)もファルケの制式カラースキームにあるのでいずれそれも塗りましょう!
 もう一機は模型仲間との居酒屋ダベリで出たネタです。「アグレッサー」を競作でやろうっていう話になって。僕は全然詳しくないんですが、ごく簡単にいうと軍事演習とかを想定した時の「敵機役」ですかね。派手で見映えのするカラーリングで塗られていることが多くて、現用機ではとても人気があるんですよ。腕の立つベテランパイロットが乗ることも多いらしく(テキトー情報?)燃え要素満載ですよね。と、さてさてどんなのにしようかとひとしきり思案。そこで思いついたのが、コレです。三角や四角のスプリンターに◎をあしらう、思いっきりシュトラール軍のカラースキームですね。すごく気に入ってるパターンなんですが、結構面倒くさいのでたまにしかやりません(笑)。しかもシュトラール専用と決めているので傭兵サイドには使う機会がなかったんですよね。「アグレッサー」というお題をいただいたからこそ、大手を振って出来たのでとても嬉しい一機ですね♪ 調子に乗って2色のツートンではなく、同系3色迷彩にしたので割と面倒くさかったんですよ(笑)。◎はいつものように手描きの円形を数種スキャンして大きさを変えてプリントしたデカールを貼り込み、筆でなぞって描いてます。かっちょいいでしょ!!

■折り畳むという「発明」
 スタビライザーを畳んだファルケ♪ 2024年9月1日に開催されたタマミーこと「tamagawa meeting」に半徹して横山センセが持ち込まれたんですよ。なんてことないシンプルな構成なんですが、すごく理に叶っていて、しかもいい絵になるんです! 展示会でも大きな話題になってましたね。「これはいいですね~。僕もマネしよっと~」とか軽口言っていたんですけど。「Ma.K. in SF3D」撮影日当日の朝、寝床の中で突然閃いたんです。「アレって複数機畳んで並んでたらさぞや壮観な絵が撮れるのでは!? いや、絶対に撮れる!!」と、横山センセにメッセして工作途中画像を送ってもらい、アシスタントの鈴木さんに転送→工作指示出し!! 当日撮影分の作例はすでにHJ編集部に納品されていたので担当の大松君に写メを撮って送ってもらい、飛び起きて出社してそれを見ながら塗装!! 撮影集合時間を15分ほど遅刻して無事納品出来たのでした。すべて実話です!! ライブ感!! いや、もっと早くに思いついてたらこんなバタバタは無かったよねってのは言わない約束で(笑)。(MAX渡辺)

マックスファクトリー 1/35スケール プラスチックキット“PLAMAX”

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介

© Kow Yokoyama 2024

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MAX渡辺/横山宏

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