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メカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム(REVIVAL Ver.)開発者インタビュー! 「リバイバル」への思いを聞いた

2024.09.21

ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム(REVIVAL Ver.)開発者インタビュー 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)

──開発において苦労した部分はありますか?

野澤 やはり「見映え」の部分です。先ほども言ったとおり、合わせ目が目立たないパーツ分割と組みやすさという部分では、すごく工夫させていただきました。例えば、各パーツはどれとどれを組み合わせればいいか直感的に分かるように、ダボやパーツの形状を工夫していますし、右脚と左脚の区別がつきやすいようにLとRのマークが入っていて、切り離したあとも迷わずに済みます。形状的には、ヒザとふくらはぎ部分は苦労しました。シンプルな形状だからこそ、どうやって合わせ目を見せなくするかが大変で。本当に久しぶりにガンプラに触れる人や、初めて手にするという人でも組みやすくなっていると思います。

──プラモデルの組み立てに慣れている人は気付きづらいですが、不慣れな人は「どのパーツがどれか分からなくなった」というところで組み立てが難しいと感じることもあるので、迷わず完成に向かうことができる動線もしっかりと敷いているということですね。

野澤 やはり、「組み立てる楽しさ」を感じてほしいキットではあるので、組む過程で苦労を感じることなく、どんどん組み上がって楽しいと思えるようにしました。

——エントリーグレード(EG)に近い構造の部分も多いですが、近年のガンプラからフィードバックした要素はありますか? 

野澤 今まで組みやすいと言われているキットはひと通り参考にしています。組み立てやすさを重視するなかで、どことどこが組み合わさるのかを分かりやすくするために、EGとは似たアプローチになっていますね。

──パッケージや組立説明書なども、何か思いが込められているのでしょうか?

野澤 パッケージは昔買っていた方が当時のことを思い出しつつ手にできるものを考えています。組立説明書も同じように当時感を意識したものになるかと思います。一方で、最新のアイテムであるということも忘れず、でも昔からのユーザーが「こうだったよね」という要素を残したので、そこは実際に手に取って味わってほしいです。

──今回、REVIVAL Ver.が実現したことを踏まえて、ご自身で何か継続的にやってみたい要素などはありますか?

野澤 今回はホビーショーの会場などでもいい反応をいただけたので、今後はこの方向性をホビーディビジョン内でもみんなで考えていこうという流れにはなっています。具体的なことはまだこれからなので、あくまで私の中での考えですが、旧キットは、一種のアートというか、みんなに受け入れられているガンプラの象徴みたいなところがあると思います。REVIVAL Ver.では、そうした部分も踏まえて、この形の組みやすさをもとに、色替えでのアプローチなどで、若い人にも手に取ってもらえる方向にも振っていきたいです。

──旧キットの持つレトロ感を今風のクリアー成型などで表現できると、また違った見え方になるかもしれないですね。怪獣ソフビなどはそうしたムーブメントはあるわけですから。

野澤 レトロ感を「逆にこれがいい」みたいに感じてくれる若者の風潮をうまくこの商品で掴んでいけたらいいなと思います。

──ホビーディビジョンとしては珍しい、女性の開発担当ということですが、この企画に携わった感想をお聞かせください。

野澤 私は開発に入って2年目なので、この商品が企画・開発の初担当になります。実は、プラモデルにはまったく触れることのない人生を過ごしてきまして、会社に入って初めて知ったことばかりで。ホビーディビジョンに配属されて、いろいろと企画に関わるなかで、ガンプラの人気やユーザーの皆さんの熱量の高さなどを改めて知りましたし、私の父の世代の方に会うとガンダムが大好きで、ガンプラについて語り出す方も多い。そういう方々が、いろんな人生のターニングポイントでガンプラから離れてしまったのが、寂しいなと思えてきたので、だったらそういう方々にもう一度当時のような楽しみをお届けできたらいいなという思いがありました。

──では、最後にREVIVAL Ver.の発売を待っているガンプラファンにメッセージをお願いします。

野澤 今まで、新商品でガンプラの最新技術を見せるということはたくさんしてきたと思うのですが、今回は今まであった技術に再フォーカスしていこうという部分を大事にしています。これは、ありそうなことながら、今までなかったことなのかなと思います。今回の反応を見ていても、改めてREVIVAL Ver.に使っている技術に対していろんな感想をいただくので、やはり今まで培ってきたものをしっかりと一度見せておくのも大切だなと。ですので、ガンプラにいろんな思い出を持たれている方も多いと思いますが、ぜひ手に取っていただいて、少年少女だった子供時代に思いを馳せていただき、そこからまた新たなガンプラにも触れるきっかけになっていただければと思っています。

――本日はありがとうございました。

(2024年7月、BANDAI SPIRITS ホビーディビジョンにて収録)

ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム(REVIVAL Ver.)と旧ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム

ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム(REVIVAL Ver.)

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1320円、10月予定●1/144、約12.5cm●プラキット


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©創通・サンライズ

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