HOME記事ガンダムRX-78-2 ガンダムはなぜ革新的だったのか? その誕生プロセスを「RG RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」とともに紐解く。

RX-78-2 ガンダムはなぜ革新的だったのか? その誕生プロセスを「RG RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」とともに紐解く。

2024.09.08

RX-78-2 ガンダムは、なぜ革新的だったのか? 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)

RX-78-2 ガンダムはなぜ革新的だったのか?

機動戦士ガンダムのアニメカット その5

 一年戦争において伝説的な活躍を見せたRX-78-2 ガンダム。ジオン公国軍兵士に「白い悪魔」として恐れられた名機は、どのようなプロセスを経て誕生したのか。機体の優秀性、そして機能の優位性を改めて振り返ろう。

構成・解説/河合宏之


 ガンダム誕生のきっかけとなった「RX計画」の起源を紐解くと、ジオン公国軍によるモビルスーツ開発という「すべての始まり」にたどり着く。当初、大艦巨砲主義である連邦軍首脳部はMS開発に消極的であったが、一年戦争の開戦にともないMSの脅威を目の当たりにしたことで対抗措置の必要性が急速に浮上し、本格的なMS開発に乗り出した。

 宇宙世紀0078年3月、地球連邦軍は自軍のモビルスーツの開発計画であるRX計画を発動。RX計画は具体的な兵器開発というよりは、「モビルスーツとは?」という基礎研究(ここにコア・ブロック・システムやルナ・チタニウムの研究も含まれる)や諜報活動を含めた情報収集の段階といえるもので、のちに宇宙世紀0079年4月1日に開始される「V作戦」に引き継がれることになる。

 V作戦とは「Victory(勝利)」の意味で、連邦軍の必勝を期したものとなった。具体的な内容としては、モビルスーツの開発と量産化、その母艦となる強襲揚陸艦の建造、それらを踏まえたモビルスーツの運用方法の確立にあった。RX-75 ガンタンク、RX-77 ガンキャノンの開発を経て、RX-78 ガンダムで、ようやくV作戦の要綱をすべて盛り込んだモビルスーツの開発を実現する。

 ジオン公国軍の主力機であるMS-06 ザクⅡを性能的指針として開発されたガンダムは、ジェネレーター出力やスラスター推力をはじめとする全スペックでザクを上回り、対モビルスーツ戦を考慮した開発がなされたことも大きなアドバンテージとなった。
 武装面ではモビルスーツサイズで携行可能なビーム兵器を実現しており、ザクの装備で最大級の威力を誇るザク・バズーカをしのぐだけではなく、艦船クラスの攻撃力を実現。その他ルナ・チタニウム合金を採用した装甲は、ザク・マシンガンの攻撃をも防ぐほどの堅牢さを誇った。

 RX-78はジャブローで8機が生産されたといわれ、そのうち数機がサイド7の地球連邦軍の研究施設に送られ、最終調整が行われた。だがジオン公国軍の襲撃によって、多くのRXシリーズの機体が失われ、RX-78は同サイドの民間人の少年だったアムロ・レイが搭乗した2号機が被害を免れる。それどころかRX-78-2は前線で突出した活躍を示し、「白い悪魔」という異名で呼ばれるほどジオン公国軍を恐れさせることになった。

 ガンダムをはじめ、ホワイトベースの存在に対しては懐疑的であった地球連邦軍上層部だが、逆にこの状況を利用して地球連邦軍主力艦隊の囮として利用すべく、「第13独立部隊」として単独行動を命じた。皮肉なことに、この運用によってガンダムはさらに戦果を挙げることになり、その名を高めることになるのだった。
 その後、パイロットであるアムロ・レイのニュータイプ能力の開花にともなって、ガンダムのポテンシャルが不足する場面もあったが、一年戦争終盤に至るまでトップクラスの性能を誇った。

ⓒ創通・サンライズ

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