HOME記事その他再び天神のいる空へ―。自衛隊練習機「T-6 テキサン」作例とともに【コモリプロジェクト】

再び天神のいる空へ―。自衛隊練習機「T-6 テキサン」作例とともに【コモリプロジェクト】

2024.08.21

コモリプロジェクト●小森陽一、土井眞一 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

モノグラム「1/48 T-6 テキサン」のディオラマ
(写真/モノグラム 1/48 T-6 テキサン)

コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net

 皆さん、こんにちは。コモリプロジェクト代表の小森です。梅雨真っ只中の日本列島、不安定な天気のためにあちこちで大雨警報が発令され、線状降水帯も発生しています。くれぐれも気をつけてお過ごしください。
 そんな生憎の天気のなか、僕は列島各地を飛び回っております。北は北海道から南は沖縄まで。なんでそんなことになっているかと申しますと、そこに航空自衛隊の基地があるからです。そして、飛行隊に女性のファイターパイロットがいるからです。かつての想像がまさか現実になろうとは……。彼女達と相対しながら不思議な感覚を覚えました。  
 僕が最初の「天神」を書いたのは今から十二年前のこと、シリーズ化、外伝を含め五冊を世に送り出しました。取材期間を加えれば約七年間、航空自衛隊の皆さんの背中を追い続けたことになります。その間一度も女性がファイターパイロットになれる、道を開くという話は出ませんでした。だから、物語のヒロインを救難機のヘリパイロットに設定したのです。
 先日訪れた山口の防府北基地では、男子に混じって訓練に勤しむ女子達がいました。彼女達が乗る初頭練習機はT-7、ブーンという小気味の良い音が滑走路に響き渡り、やがて空へと舞い上がります。かつての練習機はT-6、テキサンの愛称で呼ばれた機体です。昔の映画で零戦役として登場してた飛行機としても有名ですね。一緒に練習風景を見上げていたかつてのブルーインパルス隊長は「私の時はT-3でした」と懐かしそうに呟きました。そう、プロペラの機体はパイロットを目指す者達すべてが通る空への通行手形なのです。
 練習機が時代とともに移り変わっていったように、航空自衛隊も大きく様変わりしています。戦闘機に乗る道が女性にも開放され、次々にファイターパイロットが誕生しているのです。それどころか近い将来、ブルーインパルスや飛行教導隊にも配属されるだろうと確信しました。
 『彼女達の物語を書いてみたい』
 僕も変化します。
 「天神」に新たな一冊を加えるべく、もう一度トライしようと思います。

文/小森陽一
撮影・構成/土井眞一

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