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「リビング筆塗りモデラー」セイラマスオと清水圭が筆塗り対談! 筆塗りの面白さと挑戦しやすさを余すところなく語りつくす!

2024.08.18

東西リビングモデラー対談! セイラマスオ×清水圭 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

セイラマスオ×清水圭対談

「東西水性筆塗りモデラー横綱」の土俵入り! 対面で塗り合いもしちゃったよ

東西リビングモデラー対談!
セイラマスオ×清水圭

 月刊ホビージャパンで「水性ホビーカラー筆塗り」の作例を披露してくれる清水圭(東日本代表)とセイラマスオ(西日本代表)。ホビージャパンを代表する水性塗料筆塗りモデラーのふたりは、使用している塗料だけでなく製作環境も「リビング」という共通性があります。多くの人を楽しませてくれる作例が、リビングから生まれると聞くと、僕たちも勇気が湧きますね。そんなおふたりの「筆塗りリビングライフ」のトークをお楽しみください。

取材/ホビージャパン編集部
テキスト/フミテシ

セイラマスオ

セイラマスオ作業スペース
▲作業スペースはコタツテーブルに座椅子というストロングスタイル。専用の製作部屋は設けておらず、食事もここでとる

清水圭

清水圭作業スペース
▲ダイニングテーブルに椅子、作業時はテレビを見ながら工作から塗装までを行う。食事の時はその都度中断し、片付けている

同じ塗料、同じ環境でも生まれる作例は別物。それこそ筆塗りの面白さ

──ホビージャパンの水性塗料筆塗りモデラー代表ともいえるおふたりに今回はいろいろ聞いていきたいと思います。おふたりは模型製作をリビングでされているんですよね?
マスオ(以下マ):はい。普段生活をしているリビングのテーブルで本当に工作&塗装をしています。
清水(以下清):僕も同じです。リビングのテーブルに明るさ確保のためのデスクライトをセットして模型を製作しています。
マ:僕はお部屋の蛍光灯の光ですね〜。
清:え? 色とかわからなくならないですか?
マ:明るいライトの下で見て色が違っていたら、それもそれで「こんなふうにも見えるんだ〜」くらいの気持ちで楽しんじゃってます。
──マスオさんは見開きカレンダーをマット代わりにしてプラモを製作していると聞きました。
マ:これです。これが僕の製作スペースになります。プラモのスジ彫りやプロポーション改修などを終えたら、ホコリやゴミがつかないようにするためにひと月分めくって、きれいな面で塗装をするようにしています。
清:模型製作や塗装って実は机の上のすごい狭いスペース、手元だけで行っているんですよね。大半は工具や塗料が机を占拠していて……。だからマスオさんのようにカレンダーの範囲で楽しめるっていうのはすごくわかります。
──おふたりはメイン塗料が「水性ホビーカラー」という共通点もありますよね。
マ:それを聞いてびっくりしましたよ! この重厚な塗りが「水性ホビーカラー」なの? って。ラッカー塗料で塗っていると思ってましたもん。
清:僕もマスオさんが「筆塗り」で仕上げていることを知りませんでした。きれいに塗られているからエアブラシ塗装だとばかり思って見ていたんですよ。ついついマスオディテールのほうに目がいってたんですね。
マ:僕は基本「ベタ塗り」して塗面を均一に塗る仕上げが好きなので、フラットに塗装しています。いまの水性ホビ──カラーは定着もよくて乾燥も速いから、とりあえず塗ってみると「あれ? できるかも?」と思える塗料です。
清:まさにその通りで、ラッカー塗料のような透け感も出るので僕のような下地を透かす塗り方もできるんです。そして匂いがほぼないからリビングでも楽しめる。気軽に筆塗りを楽しんでみるには本当にいい塗料だと思います。
マ:同じ塗料を使ってこれだけ違う表情にできるんですよ! 僕達ふたりの作例を見ただけでもまったくアプローチが違ったものが出来上がるじゃないですか。この、人ごとの違いが出てみんな面白く見えるっていうのも筆塗りの魅力だと思うんです。

水性ホビーカラーと水性ホビーカラーうすめ液
▲ふたりが主に使用している塗料が「水性ホビーカラー」。水でも希釈できるので、セイラマスオは水道水で希釈して使用。清水圭は専用の水性ホビーカラーうすめ液を使用して希釈している。水とうすめ液による希釈の違いは、「月刊ホビージャパン9月号」P.54で解説しているのでチェックしてほしい

筆のお話

清:私がプロデュースさせていただきました「SSDブラシ」というものがモデルカステンさんから発売されたんです。いまはこれをメインで使用しています。それまでは多くの模型店で購入できる「上野文盛堂 ハイセーブル」の平筆を使用していました。SSDブラシは上野文盛堂の平筆の様なコシがありながらも耐久性がある筆を目指して開発しました。毛にチタンが織り込まれているので、溶剤耐性もあり、常に毛先が揃っています。もう3体くらい作例を塗っていますが、まだまだ新品のような形状を保っています。

清水圭の筆

清水圭使用筆「SSDブラシ」
▲モデルカステンより発売されている清水圭プロデュースの平筆「SSDブラシ」。飛行機模型のスケール表記に合わせたサイズで展開されていて、1/72(小)、1/48(中)、1/32(大)の3本がラインナップされている

マ:チタン!? 筆にチタンなんて入れられるんですね。それは使ってみたい。僕は100円ショップの筆セットなのですが、100円ショップに数多ある筆の中から吟味して選んだものを使用しています。いま使っているセットはコシやまとまり具合が気に入っているのでたくさんストックしてあります。
清:(100円ショップの筆を触りながら)確かに、これは100円ショップの筆とは思えない……いいコシですね。マスオさんの目利きが光ってますよ。僕も綿棒とかは100円ショップのを愛用していますが、マスオさんのように吟味して選んでいます。
マ:どうしても製品ごとに性能のばらつきがありますもんね。気軽に買いに行ける100円ショップだからこそ、じっくり吟味するんですよね。そうやって選んでいる時間も結構楽しいんですよ。

セイラマスオの筆

セイラマスオ使用筆「100ショップの筆セット」
▲100円ショップの筆セット。購入しやすい利点もあるが、それだけでなく100円ショップで売られている筆のなかでも自分の好みに合ったものを吟味していった末に辿り着いたセット

やる前から「難しそうでできない」という気持ちを取り払ってほしい。それだけで道が開ける

清:プラモデルって「塗りたい」ってみんなが思う不思議なものですよね。そのパッションに、少ない準備で応えてくれるのって「筆塗り」だと思うんです。お試しで塗料瓶を数個と筆1本買ってくるだけで楽しめますし、塗装ブースのようなものを構えなくてもいいのが気楽ですよね。
マ:僕たちみたいに水性ホビーカラーのような水性塗料を使えば匂いも少ないし、家族やパートナーにそれほど迷惑をかけずに楽しめて最高ですよね。
清:まさにそうです。エアブラシに比べると準備のハードルはかなり低いですし、塗料も1本買ったら長期間使い続けられます。
マ:筆塗りってなんだか難しそうって思う人が多いと思います。普段から筆塗りで作例を作っていても、最初に清水さんの作例を見た時は「この重厚な塗りは無理でしょ」って思ったりしました。そして先ほど清水さんも「マスオさんの塗り方、自分には難しそうだな~」と言っていたのを聞くと、みんな誰かの筆塗りを見て「すごいな~」と思っているんだと思いました。でも、こうやって僕達は「僕達の筆塗り」を楽しんでいるんだとも思います。「難しそうだから、できない」、「なんかいい方法が見つかったらやってみる」という気持ちをいったん取り払って、塗料をつけた筆でパーツに触れてみてください。きっとそれだけで、あなただけの筆塗りの楽しさが開けると思います。
清:まずはやってみるって大事ですよね。いまは筆塗りの作品も模型雑誌やSNSでたくさん見ることができますから、そこから自分の好きなイメージをピックアップしてみるといいと思います。プラモの醍醐味である塗装を、ぜひ筆塗りで楽しんでほしいです。

セイラマスオ×清水圭対談2
▲清水圭の作例を初めて生で見るセイラマスオ。自分とはまったく異なったアプローチで塗られた模型を前に質問が止まらない

本対談の様子が月刊ホビージャパンchにて公開中!

詳しくはこちらから


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