HOME記事スケールモデル“若鷹(ボラメ)”の名をもつ韓国最新ステルス戦闘機「KF-21」を山田昌行が徹底製作!

“若鷹(ボラメ)”の名をもつ韓国最新ステルス戦闘機「KF-21」を山田昌行が徹底製作!

2024.08.13

KF-21 ボラメ “大韓民国空軍”【アカデミー 1/72】●山田昌行 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」

着実に歩みを進める韓国最新ステルス戦闘機

 ステルス性とマルチロール性に加えて低い運用コストをターゲットに韓国のKAIが開発を開始、インドネシアも開発参加し2022年に初飛行した第4.5世代戦闘機KF-21ボラメ。まだ試作段階ながら、自国メーカーのアカデミーが1/72スケールキットを発売した。スナップフィットやシール式のマーキングなど、初心者向けのキット形態だが、パーツ精度が高く、複雑な曲面のエアインテーク内部などもしっかり再現、兵装類も豊富にセットされるなど、キット内容はホンモノ。別売りのディテールパーツやデカールも併用し、本格派スケールモデルとして製作!

山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」機首IFFアンテナ
▲機首にはIFFアンテナや赤外線照準追尾システムを装備。先端の計測用仮アンテナはトリファクトリーのデカールセット付属の3Dプリント製パーツを組み込んだ
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」機体左側の機関砲口周辺のルーバー
▲機体左側の機関砲口周辺のルーバーなど表面のモールドは良好。スナップフィットのパーツの合いは良好だがはめ合わせがきついので、通常の接着方式で組み立てた
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」エンジンF414-GE-400を2基搭載
▲F-35AライトニングIIと似ているが、エンジンはF/A-18E/Fスーパーホーネットなどと同じF414-GE-400を2基搭載し、F-35よりも推力重量比は大きいとされる
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」後方俯瞰
▲キットのマーキングは粘着シール式のためトリファクトリーのデカールセットを使用。濃淡のグレー2色による迷彩塗装もデカールセットに付属のマスキングシートで塗り分けた
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」コクピット内のパイロットフィギュア
▲機首側面には開発国の韓国とインドネシアの国旗を描く。コクピット内のパイロットフィギュアはトリファクトリーの3Dプリント製を使用
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」兵装パーツ
▲兵装パーツは胴体下に埋め込み式搭載のミーティア空対空ミサイル、照準ポッド、増槽、爆弾をセット。前後の脚収納庫はDEFモデルの3Dプリント製
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」トリファクトリーのデカールセットから試作5号機を選択
▲トリファクトリーのデカールセットから試作5号機を選択。この他にも垂直尾翼に派手なデザインのマーキングを施した1、2、3号機のデカールも発売中。なお4号機と6号機は複座型である
山田昌行作例「KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”」右側面
▲KF-21の開発では、完全なステルス性を持つ「第5世代戦闘機」ではなく兵装類も外付けとする「第4.5世代」として、早期に実戦配備が可能な戦闘機を目指している

キットについて
 韓国とインドネシアの共同開発新型戦闘機KF-21がアカデミーより1/72でリリースされましたので、さっそく作りたいと思います。このキットは年少者にも多く作ってほしい旨開発されたもののようで、スナップフィットとなっています。ただ以前発売されたマルチカラーキットのようにプラパーツが色分けされているわけではなく、それらしく作るには塗装が必要になります。またデカールは付属せず、マーキングは付属の粘着シールだけです。エアインテークダクトが再現されているのに脚庫内はまったくモールド無しののっぺりです。つまり年少者はサクサク作ってこの新戦闘機の形を楽しんでもらい、スケールモデラーには別売りディテールアップパーツで心ゆくまで楽しんでほしいというキットではないでしょうか。
 今回製作にあたって、トリファクトリー製のデカールセットとDEFモデル製の3Dプリンター製脚庫セットを入手して組み込むこととしました。KF-21は試作5号機まで迷彩やマーキングが全部異なっていますので、自分の好みに合ったものを選べばよいわけで、今回は5号機として仕上げることとしました。トリファクトリーのデカールセットには3Dプリンター製の計測用仮アンテナとパイロット、およびキャノピーと機体迷彩用のマスキングシートが付属し、大変助かります。

組み立てです
 まずDEFモデル製の脚庫パーツを胴体に組み込み、コクピットも塗装し組み込んでおきます。そしてエアインテークダクトを組み込んでいきますが、ここでこのキットのスナップフィットが問題になります。以後のプラパーツの組み立てにも共通しますが、はめ合わせのダボがきつ過ぎます。全部切り飛ばして現物合わせで接着していったほうが確実に、またきれいに仕上がります。
 説明書では脚も組み込むようになっていますが、当然後から取り付けられますので、塗装の邪魔にならぬよう最後に取り付けます。動翼も後からで大丈夫なので、主翼と一体となった上下胴体を組み立ててからセットしていきます。レドームは計測用仮アンテナを取り付ける関係で、塗装を済ませておき最後に取り付けます。脚扉は開閉別々のパーツがありますので、閉状態のパーツは脚庫のマスキングとして使えます。
 脚パーツ、武装パーツ、ノズルパーツはそれぞれ組み立て塗装を済ませておきます。ダボ穴はきつ過ぎますが、パーツの合い自体はきわめてよいので塗装後に取り付けてもなんら問題はないでしょう。尾翼パーツを取り付けて塗装に入ります。

塗装およびマーキングです
 前述したように試作5号機とします。まず全体をガイアノーツ製サーフェイサーエヴォ ブラックで下塗り、下地処理が大丈夫かを確認します。
 まず迷彩の濃いグレーの部分から塗装します。GSIクレオス製Mr.カラーC367を迷彩用マスキングシートが充分カバーできる範囲に吹き付けます。充分に乾燥後、説明書に番号で指示されているところに貼っていきます。ただこのマスキングシートは少々オーバースケールのようで、多少カットしたりして調整したほうがよいようです。
 マスキングが終わりましたら、全体をC338で塗ります。FSナンバーで指示されている色を塗りましたが、なんとなく明るすぎるように感じます。ただその後のスミ入れ、ウォッシングで彩度が少し落ちるのでよしとします。レドームはC305にしました。
 デカールを貼りつけ後3/4ツヤ消しでオーバーコートします。別途組み立て塗装しておいたパーツを取り付ければ完成です。

最後に
 米軍のF-22ラプターによく似たシルエットですがそれよりひと回り小さく、F-35より若干大柄です。最新の機体を並べ観察できるのはおもしろいですね。展示スタンドも付属しますので、飛行姿勢で楽しむのもありだと思います。

アカデミー 1/72スケール プラスチックキット

KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”

製作・文/山田昌行

KF-21 ボラメ“大韓民国空軍”
●発売元/アカデミー、販売元/インターアライド●9350円、発売中●1/72、約23.5cm●プラキット


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