HG マイティーストライクフリーダムガンダムを”マスオ塗り”で仕上げる 「自分の中の楽しさ」を追い求めたセイラマスオの筆塗りスタイルを丁寧に解説!
2024.08.18
「マスオ塗り」であなたのガンプラライフがさらに楽しくなる/ZGMF/A-262PD-P マイティーストライクフリーダムガンダム【 BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
黒部分の塗装からスタート!
塗料のフタにマスキングテープを貼って色味を確認
▲セイラマスオには各色ごとに好きな色味がある。その色味を毎回出せるように、塗料のフタに貼ったマスキングテープに混色した色を塗って、カラーチップ代わりとしている。混色するたびに、このマスキングテープの上に混色した色を塗って、ズレがないかを確認している。混色した色は作り溜めずに、毎回1体分しか作らないためこのようなスタイルで混色を行っている
3色混ぜ、マスオグレーを作り出す
▲黒のボディをセイラマスオの作例らしい淡いブルーグレーに塗る。ミッドナイトブルーを基調に、少量のパープルと白を混ぜて作り出す
塗装スタート!
▲混色が完了したら、早速塗装スタート。少量の水を含ませた筆に塗料を含ませて塗っていく。薄く塗り重ねるのが基本で、まずは目立たない奥まった箇所などを塗っていく
ディテールのスミに
塗料が溜まらないように注意!
▲マスオ塗りは「平滑に塗り潰す」ことが目的。そのために、塗料溜まりなどができないように塗り広げている。多めの塗料が乗ってしまうよりも、弾かれているくらいのほうが修正がしやすいので、少々塗料が弾かれても気にせず塗り広げていく
ディテールの入り組んでいるところは
さらに慎重に
▲パネルライン周辺や、塗りにくい複雑な形状のパーツは特に慎重に。マスオ塗りでは、1度で発色することはほとんどないので、数回塗り重ねて発色させるイメージを持ちながら、塗っては乾かすを繰り返していこう
1層目の筆塗り終了
▲1パーツずつ丹念に塗るのではなく、同じ色で塗るパーツを同時進行していくと、効率も上がる。1層目は薄くシャバシャバな塗料を塗り広げているので、しっかりと乾燥させよう
成型色がスケスケで問題なし!
▲1層目はこのように成型色が透けているくらいでまったく問題なし。この状態でしっかりと乾かすことのほうが大事。この薄く塗り広げられた塗料が、このあと上塗りする塗料をしっかりとキャッチして、一気に発色する
2層目。ここで色を発色&定着!!
薄めの塗料を再度塗り重ねる
▲1層目のブルーグレーが乾燥したら、再度同じ色を塗装。するとしっかりと色が定着し、弾かれることがない
細部塗装
▲ディテールのキワは、ネイル用の使い捨て筆で攻める!!
パーツをバラさずに塗る
▲筆塗りのいいところは、パーツをバラさないので塊のままでも塗っていけること。むしろバラさないことで、周囲の色とバランスを見ながら塗装できるという利点もある
成型色仕上げをさらにレベルアップさせる「裏塗り」
「マスオ塗り」は表だけでなく「裏」も大事。成型色の透け感やチラ見えした時に隙間ができないようにパーツの内側や裏側をグレーで塗装しています。こういう細かいところが成型色仕上げのクオリティをさらに引き上げているんですね。
フロントアーマーの裏側
▲フロントアーマーの裏をニュートラルグレーで塗装。可動させた時にチラッと見えるだけでなく、成型色の透け感もさらになくなるので、より高級な雰囲気に仕上がる。はみ出したらナイフで削るか、台所用洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取れば修正可能
可動させた際に見えそうな場所
▲大胆なポーズが楽しめる本シリーズ。動かした時に見えそうな場所をグレーで塗装しておくだけでも雰囲気がよくなる
ポイントを絞って塗ってみよう
▲全部のパーツの裏側を塗装していると大変なので、「裏側や内側が成型色のままでは嫌だな~」という部分を自分でピックアップして塗ってみるとよい
マスオブルーの塗装
▲撮影中に「すみれ色なんてあるんですね! しかも俺が作る色とほぼ一緒ですよ!!」とマスオが興奮したすみれ色。混色することなく、セイラマスオ風味のブルーが塗装できる
でもマスオは混色します
▲すみれ色と出会ったのに「いつもの塗り心地で塗りたいから」と使わずに混色するマスオ。それもまたよし! パープルに少量のホワイトを混ぜながら、ヴァイオレットに近い青を作っていきます
濃く塗るのは厳禁。薄めが基本
▲最初は不安になるが、我慢して薄く塗る。このように弾かれ気味でも、最終的には今回のような完成品に仕上がるのだ
ディテールを足した部分に
塗料が溜まらないように
▲白のランナータグを活用して追加したディテールと、青い成型色の箇所の色味に差が出ないように、薄い塗料を塗っては乾かしを繰り返す
4度塗りほどで発色
▲塗る色味や濃度によって発色する回数はさまざま。成型色の色味を薄く平滑な塗面で隠蔽するイメージを持って筆塗りしよう
マスオブルー塗装完了!
▲1度目はあんなに弾かれていた塗料も、下地の青の成型色が隠蔽されるほど発色している。薄めの塗料で塗り重ねることで、平滑な塗面に仕上がる
仮組みして色味をチェック!
▲何ヵ所か塗り終わったら、仮組みして色のバランスをチェック。筆塗りは、塗装工程中にパーツを外したり取り付けたりするのを気楽に行えるのも利点
▲仮組みして、色味をチェックするセイラマスオ。どんな色を塗ろうか考えている時も楽しい時間なのだ
デスティニーレッドを
ベースにスタート
▲デスティニーレッドに少量の白を加えて、より淡い赤にする
ニュートラルグレーを少量追加
▲そのままだと明度が高すぎるので、少量のニュートラルグレーを入れて調整
慌てずに薄く塗る
▲1層目は下の赤が透けるくらいで塗る。どの色を塗る時も守っている塗り方だ
内側もしっかり塗る
▲細部塗装。パーツの内側を塗る時、エッジに筆が引っかかり多めの塗料が筆から出ることがあるので、慎重に塗装しよう
塗装完了!
▲主な色の塗り分けが完了。仮組みして色味をチェックし、問題なければスミ入れ→ツヤ消しトップコートをすれば完成(金のパーツにはツヤ消しは吹かない)
筆塗りの強い味方!
「水性プレミアムトップコート」
▲成型色のツヤ、筆塗りした箇所のツヤの統一に使用しているのが「水性プレミアムトップコート つや消し」。水性塗料なので、匂いがとってもマイルド。ベランダや窓際で吹き付け可能だ。通常のものとロング缶になってUVカット効果も追加された「水性プレミアムトップコート UVカットスムースクリアーつや消し」が発売中。ツヤを統一することで、塗装面の見映えも一気によくなるので、ぜひ仕上げに使用してほしい
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