プラモと向き合い少しずつ「自分のものにしていく」筆塗り! きの助がHGバーグラリードッグをラッカー塗料で仕上げる
2024.08.17少しずつ「自分のものになっていく感覚」こそ筆塗りの醍醐味/ATM-09-DD バーグラリードッグ【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
胴体のウェザリングをしよう!
MSグリーンでチッピング
やりすぎたら塗り潰す
グランドブラウンとステインブラウンで汚し塗装
全体に塗らない!
ウェザリング完了
バイザーの塗装
グレーグリーンで塗装
エナメル塗料でチッピング
レールやフチを中心にチッピング
バイザー完成
武装の塗装
ブルーFS15044を塗装
ピュアホワイトと軍艦色(1)
筆跡を活かす
完全に塗り潰さない
ウォッシング
ガンメタルでチッピング!
存分にプラモと向き合える筆塗りは楽しい。
多分僕がプラモを筆で塗る理由を突き詰めると、これがすべてな気がする。筆塗りで仕上げられた模型の風合いや質感が好みだという理由ももちろんあるが、何より完成までの道中が格段に楽しいと感じるのだ。
僕の場合、細かい塗装手順などを決めずに塗装をスタートすることが多い。完成形のイメージもかなりぼんやりとしているし、途中で方向転換することもよくある。今回下地にオキサイドレッドを使っているのだって「使い込んでうっすら錆びた色合いになっているとかっこいいかもな」くらいの理由である。
使う色のチョイス・塗り方も我ながら雑だ。「赤にいきなり緑色を塗ると喧嘩しそうだからフィールドグレーを塗って。次は彩度高めだとかっこいいからデイトナグリーンをと……。あーカメムシみたいになっちゃった! よーし、少し白を加えて馴染ませて、なんだかいい感じになってきたかも!」といった具合。
最短距離で完成に向かうというよりは、カメラのレンズを左右にひねってピントを絞っていくように、完成への距離をだんだんと詰めていく。下地→基本色→汚しといったように1ステップずつ進めるのではなく、色を重ね、時に後戻りをしながら、少しずつ。少しずつ。そのうちにだんだんと作っているプラモが「自分のものになっていく」感覚、これが僕が思う筆塗りの醍醐味。
塗料を皿に出して筆を用意すれば即準備完了という手軽さもまたいい。道具の準備や片づけといった「作業」的な工程が少なく存分にプラモに向き合うことができるのである。では「筆塗りは簡単なのか?」と問われると、決してYESとは言えない。言えないが、塗れば塗っただけ上達するのもまた事実。まずは気負わず筆を手に取ってみよう。大好きな模型製作がまた一段と好きになれること請け合いだ。
BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット “ハイグレード”
ATM-09-DD バーグラリードッグ
製作・文/きの助
HG バーグラリードッグ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3850円、発売中●約12cm●プラキット
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