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「1/48メガサイズモデル ガンダム」を水性ホビーカラーでリアルタイプカラーに仕上げる!プロモデラー・清水圭が筆塗りテクニックを丁寧に解説!

2024.08.10

清水式 水性ホビーカラーの筆塗りでメガサイズ ガンダムリビングに立つ!!/RX-78-2 ガンダム[リアルタイプカラー]【BANDAI SPIRITS 1/48】月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

清水式 水性ホビーカラーの筆塗りでメガサイズガンダム リビングに立つ!!

調色なしの“瓶生”2色塗りでメガサイズな楽しみをリビングから

 月刊ホビージャパンをはじめとしたさまざまな媒体で、水性ホビーカラーをメインに使用した筆塗り作例を手掛けるプロモデラー・清水圭。重厚感があり、深みのある色使いで仕上がる彼の作品は、なんと混色を一切せずに瓶に入っているそのままの色(瓶生)で塗り上げられています。また、清水圭が手掛ける作例はすべてリビングで塗り上げられているという事実にさらに驚かされます。本記事では、そんな水性ホビーカラー筆塗りの第一人者である清水圭の「清水式筆塗り法」を、全高37.5cmの巨大サイズで筆致がわかりやすい「1/48メガサイズモデル ガンダム」を題材に丁寧に解説します。他のプラモにも応用が利きやすい必殺の筆塗りテクニックを余すところなくご堪能ください。

清水圭

▲「水性ホビーカラーの筆塗りで、ここまでできる」ということを世に知らしめた凄腕モデラー。塗装だけではなく、スクラッチなどの工作もマルチにこなす

清水式筆塗りは塗膜の薄さがポイント!

▲仕上がりこそ重厚だが、色の乗せ具合は極薄なのが清水式筆塗りのツボ。薄い層をミルフィーユのように重ね、厚みのある深い色を出している


使用する主な筆

SSDブラシ for 32

▲月刊ホビージャパンのプロモデラーでも愛用者が多い「SSDブラシ」は清水圭によってプロデュースされた筆だ。今回はメガサイズモデル ガンダムをほぼこれ一本で塗り上げる

使用する塗料

 清水式の筆塗りは、目標とする色味より少し暗い色を1層目に塗り、2層目で明るめの色を使ってタッチを加え、理想の色に近づける塗装法です。同系色の1色目と2色目を一覧でご紹介します。

関節

明灰白色(1)

▲ライトグレー部の2色目と同じ色。メカサフ ヘヴィに直接タッチを加える

ライトグレー部

RLM65 ライトブルー

▲少し青味のあるグレー。ここにさらに明るい色を乗せていく

明灰白色(1)

▲ライトブルーより少し青みが抑えられた明るいグレーでタッチを加える

ブラック部


ネイビーブルー

▲米海軍で使用されている、ほとんど黒に近い非常に深い青を1色目に

ジャーマングレー/
グラウ

▲青味の強いグレーを使用。黒を黒色で塗らず、少し色味が付いた塗料を使うのがポイント

グリーン部

ブラストインパルス
グリーン

▲ヒザや腰周りの緑色の1層目にちょうどいい隠蔽力の高いグリーン

デミトレーナー(チュチュ専用機)イエロー

▲かなり明るめの黄色でタッチを加えることで退色表現ができる

レッド部

モンザレッド

▲清水式のガンダム筆塗りといえばモンザレッドとサーモンピンクの組み合わせ

サーモンピンク

▲彩度の高いモンザレッドの上に、少し明るめのサーモンピンクがちょうどいい

イエロー部


ハイネ専用機オレンジ

▲水性ホビーカラーの黄色系の塗料の中で頭ひとつぬけた性能を発揮する色

RX-78-2
ガンダムイエロー

▲まさにガンダムの黄色。ハイネ専用機オレンジの上に塗ることで赤みを軽減する

バックパック、ライフル


ファントムグレー

▲単調な黒ではない、少し紫がかったグレー

RLM75
グレーバイオレット

▲ほとんど紫を感じないが、ほんの少しの鮮やかさが模型に深みを出す

清水式筆塗りの塗装ステップ

 改めて清水式の筆塗りを段階に分けて解説します。

1色目の基本塗装

▲目指している色より少し暗い色の塗りからスタート! とにかく自分がかっこいいと思うように塗り進めていき、この時点では筆のムラなどはまったく気にしない

2色目以降はタッチを加える

▲1色目より明るい色を使い、筆先でタッチを加えていく。光が当たる部分や経年劣化で退色しているような表現が簡単に手に入る

チッピング&ウォッシングで仕上げ!

▲基本色を塗り終わったらプラモに細かい傷を演出するチッピングの作業に入る
▲タミヤ スミ入れ塗料を薄く全体に塗り広げ、それを綿棒などで拭う。スミ入れもできて全体的な色味の統一もできる一石二鳥の「ウォッシング」で完成!

今回はメカサフ ヘヴィを吹いた状態からスタート!

 プロモデラーのNAOKIがプロデュースするメカ用のサーフェイサー「メカサフ ヘヴィ」を下地に塗った状態からスタートです。下にサーフェイサーを吹くことで、成型色の色に左右されず思った通りの色を塗ることができるようになります。ただ、もちろんプラモの成型色に直接塗ってもOK! 清水圭もよく成型色の上から筆塗りをしています。その時々に合わせてやりやすいほうで塗っています。

塗る時はブロックごとに分ける

 筆塗りのよさは奥まで筆が届くこと。分解の手間が少ないのも塗っていて楽しいひとつの理由かもしれませんね。色が乗っていく様子が手に取るようにわかります。

筆塗りの最初のステップ

底に固まった塗料をかき混ぜる!

▲塗装を始める前に、まずは塗料の性能を最大限に活かすために撹拌しよう。瓶を振るよりも効果的なのが、撹拌棒でかき混ぜること。棒がなければ筆の軸や竹串などでも問題ない

パレットに出した塗料を筆先に

▲かき混ぜた棒に付いた塗料をそのままパレットに出すと、筆塗りに適した量を出せる。ドバっと出すよりこのくらい少量のほうがコントロールしやすい

こんなに薄くていいの!?

▲エアブラシの塗装に慣れていると、一気に色を乗せる感覚があり、その雰囲気で筆塗りしてしまうとどうしても厚塗りになってしまう。いままで筆塗りで厚塗りになったことがある人は一度薄く塗ってみてはいかがだろう。必ず上達を感じるだろう

©創通・サンライズ

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