HOME記事フィギュアS.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーシリーズ100体・10周年! 『仮面ライダー THE NEXT』の「仮面ライダー1号」の原型製作を務めた長汐 響氏とBANDAI SPIRITSのつじもん氏がシリーズを振り返る!

S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーシリーズ100体・10周年! 『仮面ライダー THE NEXT』の「仮面ライダー1号」の原型製作を務めた長汐 響氏とBANDAI SPIRITSのつじもん氏がシリーズを振り返る!

2024.07.07

「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダー1号/本郷猛(仮面ライダーTHE NEXT)」原型師 長汐響氏インタビュー【バンダイ】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)

「S.H.Figuarts(真骨彫製法)
仮面ライダー1号/本郷猛(仮面ライダーTHE NEXT)」

原型師 長汐 響
インタビュー

S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダー1号/本郷猛(仮面ライダーTHE NEXT)特撮

 S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーシリーズの総アイテム数が100体の大台に到達! 記念すべき100体目はかつて「S.H.Figuarts」ブランドの第1弾アイテムにもなった『仮面ライダー THE NEXT』の「仮面ライダー1号」。この原型製作を務めた原型師の長汐 響氏と、同席したBANDAI SPIRITSの企画担当・つじもん氏にこのアイテムにかけた思い、そして100体・10周年を迎えた「真骨彫」シリーズを振り返っての感想を伺った。

(取材/ホビージャパン編集部)

長汐 響

長汐 響(ながしお・きょう)

株式会社GB2副代表で原型師。S.H.Figuarts(真骨彫製法)の仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズのほか、S.H.Figuartsワンピースシリーズ、S.H.Figuarts ベルセルクシリーズなど、数々の商品開発に携わる。ワンピース造形王頂上決戦に参加中!

X(旧Twitter)@n_kyo_


──S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーシリーズの100体記念商品として『仮面ライダー THE NEXT』の「仮面ライダー1号」が決まった際の心境はいかがでしょうか?

長汐 2008年発売の「S.H.Figuarts 仮面ライダー1号(仮面ライダーTHE NEXT)」は当時僕もいちユーザーとして買っていたんです。なので、感慨深いなと。今ではさまざまなIPのキャラクターを立体化していて、総数1500を超えるS.H.Figuartsシリーズの第1弾がこの「仮面ライダー」だったわけで、改めて仮面ライダーというタイトルの凄さを感じます。

──『仮面ライダー THE NEXT』の仮面ライダーの魅力はどのような部分にあると感じますか?

長汐 デザインが本当に素晴らしいですよね。リアリティのある「仮面ライダー」を追求していて、仮面を被る変身シークエンスも含めて人体とスーツの一体感があって、スーツアクターさんや演者さんの肉体のカッコ良さがそのまま出るデザインだと思います。だからこそ、人体を忠実に再現する真骨彫製法のコンセプトとも上手く噛み合うデザインだなと原型作業を始めてみたら気が付きました。実は今回は、フィギュア化に当たってのデフォルメをほぼ行っていないんですよ。基本的にフィギュアのスケールに落とすに当たって、基のパーツをそのまま縮小するだけではバランスが悪くなってしまうものなんですが、このデザイン、プロポーションの良さがほぼデフォルメをしない状態でのフィギュア化を可能にしたのだと思います。

──造形上のこだわりや、苦労した点をお教えください。

長汐 いつも通りと言ったらいつも通りにですが、人体をしっかりと作り込むということは「真骨彫製法」のこだわりとして行いました。その上で特に大変だったのはマスクの再現ですね。『THE FIRST』から2年の歳月を経て付いた特有の「傷」を再現するのが大変で…。この傷をデジタル彩色で、形や位置に至るまで忠実に再現できるようになるまでにいろんな過程を経ました。また、マスクの色もかなり独特で、初代仮面ライダー1号のいわゆる「桜島1号」のような黒とも緑とも言い難い色をしています。そして真骨彫製法シリーズのコンセプトは「スクリーンの中のヒーローを再現する」というものですから、ただ資料や実物を見ても映画の画面から感じ取れるマスクの色は再現できないんですよね。映画のフィルターがかかった画面の雰囲気も含めての再現が非常に難しく、そこにさらに傷のデジタル彩色の色も乗ってくるという点で色の調整はかなり苦労しました。

S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダー1号/本郷猛(仮面ライダーTHE NEXT)

──傷を再現するという作業は、仮面ライダーではなかなか珍しかったかと思います。

長汐 そうですね。ただ、本郷猛を演じられた黄川田(雅哉)氏と実際に会ってお話しした際も、『THE NEXT』の際はまずマスクに傷が入ったことにすごく驚いた、と仰っていたんです。この傷がついた仮面というデザイン自体が作品の雰囲気を語ることができるすごく重要な要素なんだなと思いました。そういった部分が演者さんにも伝わっているんだ、と。

──黄川田雅哉さん演じる本郷猛を再現された頭部が付属するのも本商品の特徴ですね。

つじもん(BANDAI SPIRITS企画担当) やはり“真骨彫製法”仮面ライダーシリーズ100体目なので満足していただける内容にしたいよね、とチーム全体で気合いが入っていまして、黄川田氏が快諾してくださったおかげで実現することができました。こちらも黄川田氏の顔をスキャンすることで「骨格」のデータを取って、それを基に資料と合わせて当時の黄川田氏の雰囲気に近づけていくという「真骨彫製法」らしい作業を行いました。

次ページ──シリーズ過去アイテムについて語る

©2007 石森プロ・東映

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