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大森記詩オリジナルSFメカ「バックラーチ社製パークスカウトユニットSTU-707PF “フォルケナ”」世界観と製作過程をご覧あれ【MIXINGSCAPE】

2024.07.21

MIXINGSCAPE/バックラーチ社製 パークスカウトユニット STU-707PF “フォルケナ”【スクラッチビルド 1/16】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)

MIXINGSCAPE No.007

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々を今回もお楽しみいただきたい。


 クエンガン紛争、大河戦争での急激な権益拡大の反動によって増大した反テクノメジャー勢力に対処するべく、シャーマナイトは行動方針を外征重視へと大幅に転換した。これに代わってコントーラの警備分野でもシェアを伸ばしたのがバックラーチ社である。各種サポートマシンの中小メーカーから出発した同社はヒューマンスケールマシンの研究にも注力し、施設警備支援、群衆誘導用といったさまざまなユニットを他社に先んじて発表することで存在感を示した。
 STU-707シリーズは、一連の機体群での実績を経て開発された全天候野外警備用ユニットとして、主に緑化プラントの一大実験場となったアパナ山自然保護区、大河戦争でコントーラが掌握した大水源であるベレナン緑地帯といった重要環境区域へ優先的に配備される等、運用要員の派遣と合わせてバックラーチ社の主力製品となっている。PF型“フォルケナ”は密猟業者および敵対勢力工作員の抑止と排除に特化し、多くが区域内での視認性を重視した機体色で塗装され、メニガンMFK681ヘビーカービンを携行、高出力通信機と捜索追跡装置を標準装備した。また、半島戦争では戦域の拡大に伴って各地の拠点防衛に用いられ、シャーマナイトの空中強襲機動軍でも試験的に導入されている。


▲全高のサイズ感はいつもと同じぐらいになりますが、今回は1/6スケールを想定して人型のスケルトンを組んでいきます。プラ角棒による芯棒はかつて教わった人体塑造で垂木や小割といった角材を使うやり方の流用なので、やはり人型だと親和性を感じますね。作りやすいスタイルなので、初めての方にもオススメです
▲頭部は戦車の足周りのアームを使い、探し物が得意そうなアンテナ顔にしていきます。今回はスカウトユニットというキーワードが浮かんでいたので、頭部のディテールに指向性が出たことで追跡する機体らしくなりました。みんな大好き夜間戦闘機の趣き。嗚呼、魅惑のドイツ夜戦。ベルリンの技術博物館にはJu88と搭載されていた機首レーダーの実物も展示されているので必見です
▲1/6だと柔らか装備も欲しいところ。空弾倉用のダンプポーチは関節カバー等と同様にエポパテで作りました。前腕が長いので弾倉共々このあたりに付いていると取り回しが良さそうなどと考えながら配置を決めます
▲背面には通信兵な雰囲気の機器を背負わせてみました。長めのロッドアンテナで左右のシルエットに緩急をつけます。機体の装備品各種は磁石で着脱式です。塗装や輸送の際にも便利ですよね(頭部もそうしておけば別仕様もできたじゃないか! と後々気づくわけです)
▲携行火器もプラ角棒を芯にして作ります。弾倉はサイズとモールドがイメージにピッタリだったタミヤの88mm砲(1/35)の砲弾箱から、ハンドガードには同じくタミヤのタイガーI(1/48)の排煙カバー等、AFVモデルを中心に流用しました

▲塗装もいつもよりスケール感を意識します。運用されている場面を妄想しつつ、機体と装備品でツヤの具合など質感を変えてみました。各所のオレンジに白のスポットや、黒のラインで警戒色感も加えていきます。ガイアカラーのピュアオレンジがくすんだ黄色とのコントラストで蛍光色にも見え、良いアクセントになってくれました

▲火器を把持したマシンというSF定番立ち姿ですが、シンプルゆえにストンと重心のとれた自然なポージングにしたいところです(でも、機械の身体でしょ? いやいや、そんなことは仰らずに。)腕と手首の角度などもいろいろな方向から見つつ調整していきます。重量が乗る立脚と、力を抜きバランスをとる遊脚、上体の傾き具合も加えれば、スッと動き出しそうな感じに…と、もっともらしいことを言ってみます。人体塑造、うまくできたことないんですけどね。たはは。コントラポストの念仏を唱えながら、今後も1/6人型は登場することでしょう

1/6スケール スクラッチビルド

バックラーチ社製
パークスカウトユニット
STU-707PF “フォルケナ”

製作・文/大森記詩

全高39.5cm×全幅16.5cm×奥行17cm


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