HOME記事スケールモデル造形村 SWSより、ドイツ空軍の切り札こと「フォッケウルフ Fw 190 A-4」を冬季迷彩仕様で仕上げる!

造形村 SWSより、ドイツ空軍の切り札こと「フォッケウルフ Fw 190 A-4」を冬季迷彩仕様で仕上げる!

2024.07.23

フォッケウルフ Fw 190 A-4“シェブロンダブルバー”【造形村 1/32】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)

▲キャノピーから垂直尾翼まで伸びるケーブル・アンテナは、伸ばしランナーで再現。実機の写真や書籍「丸メカニック」を参考に設置している

▲主翼付根のMG 151/20mm機関砲、翼中央のMG FF 機関砲もしっかり再現されている。また機首に装備されるMG 17/7.92mm機銃×2挺はハッチを接着せず、被せるだけにしておくと、写真のように完成後も内部ディテールを楽しむことができる。なお、各機銃はブラックの上からシルバーでドライブラシを施すことで金属感を演出してる

▲胴体隔壁内部には実機と同じく空気ボンベが備え付けられている。ここもハッチを開けた状態にしておくことで完成後の隔壁内部を覗くことができる

▲垂直尾翼内部には尾輪柱や起倒アームがちらりと覗く。ハッチ裏側までびっしりとディテールが再現されているのも確認できるだろう

▲機体背面からのショット。MG FF 機関砲のアクセスドアや主脚、ホイールカバー内部、ドロップタンクなど、こちらも見どころの多いアングルといえる

 Fw 190A-4。造形村SWS最新作です。SWSはいくつか製作経験があるのですが、近作はどれも出色の出来映えでパーツの合いも良好、ノンストレスでスパスパ組み立てられます。お腹いっぱいに具の詰まったスーパーキットで、実機の見えない部分までとことんパーツ化する構成は、ある意味内部構造を知ることのできる教材のような印象を受けます。完成すると見えなくなってしまう部分が多いので、一番良いのはスケルトンで仕上げるか思い切ってカットモデルにして内部構造が見えるようにするのが正解なのかもですが、今回はキットレビュー、インストの指示通りに作っていきます。その代わりアクセスパネルなど、開けれるところはすべて開いた状態で作ることにしました。


 基本キットのインストの指示どおりに組めば、迷うことなく超絶なるフォッケウルフが爆誕します。ただ塗装しながらの組み立てが必須なので、コレも指示のとおり塗りながら組み立てていきます。色指定がほぼ全工程にわたって細かく指示されているのは助かります。コクピットなんかはいつも悩むので。色指定がGSIクレオスにも対応しているのが実にありがたい(作者はラッカー塗料ユーザーなもので)。
 まずはエンジン、コクピット、機体内部などですが、この段階ではすべて筆塗りでいけます。途中デカール指示も相当数ありますので見落とさないよう注意。ほぼ無改造ですが、キャノピー内部のワイヤー類だけは追加しています。これは伸ばしランナーで製作。「丸メカニック」に詳細が載っていましたのでこれを参考に。アンテナ線の引き込みとフレームの展張、ワイヤーを再現。シートベルトは今回ファインモールド製を使用しています。内部が組みあがり外装の塗装に入りますが、マスキングが悩ましいところ、テープで覆う、アクセスパネルを仮止めするなどして覆います。パーツを仮止めする時は使い古しの練り消しゴムがお勧め。上手い具合に仮固定できるし除去も簡単です(迷彩の線が繋がらなくなってしまうため、極力仮固定して塗装しました)。
 色指定のとおりに塗っていきますが、唯一RLM62だけはGSIクレオスに該当色がないため印刷物に近い色の126番で代用しています。ネットでカラーチップも調べましたが一番近いと思います。
 迷彩を終えてから冬季迷彩をオーバーコートしますが、あとからハゲ表現をつけるためエナメル塗料のつや消しホワイトで行います。ハゲ表現のコツはパネルの開閉や人が乗り降りするところ、雨水が流れるところ、飛行中の空気の流れで剥げるところなどを考えつつエナメル溶剤を含ませた筆やブラシで、こそぐように剥がしてやることです。排気管はエナメル塗料のレッドブラウンをまぶしてヤケて錆びた感じに、排気の煤はこのエナメル塗料のブラウンを吹いて、上から黒を吹き付けると排気の煤っぽくなります。


 ディオラマベースは100円ショップのコルクボードにプラ板を貼り、プラパテを塗って荒らしてから塗装してコンクリ仕立てに。土の地面は紙粘土で作り鉄道模型用の砂を数種撒き、ターフなどで草地を表現し、その上から重曹を撒いて雪景色に。コンクリの継ぎ目にはド根性で生えてる草を生やすといい感じになります。固定は木工用ボンドを薄めたものを染み込ませて固めます。


 重曹は水に溶けてしまうため、ボンドを染み込ませた上からパラパラ撒くとフワっとした雪になるためお勧めです。水溜りはエナメル塗料のブラックで、コンクリの染みを描き、上からKATOのリアリスティックウォーターを垂らして表現。フィギュアはジークフリートさんですが、この塗装例だとパイロットは別の方でカールハインツ・カルダスさん、とありますが、せっかくメーカーさんにご提供いただいたので製作しました。

SWS(スーパーウイングシリーズ)とは?

 造形村が手掛ける、プラスチックを最大限活用したスケールモデルシリーズ。図面だけに頼らず、
取材や現存する写真の徹底的な分析により「真実の姿」を追求。まるで実機が組み上がっていくかのような組み心地も魅力のひとつで、まさに構造体としての航空機を実体験できるものとなっている。これまで1/32、1/48、1/72の3スケールを展開。そのラインナップは30アイテムを優に超える。

造形村 1/32スケール プラスチックキット “スーパーウイングシリーズ”フォッケウルフ Fw 190 A-4“ジークフリート・シュネル”使用

フォッケウルフ Fw 190 A-4“シェブロンダブルバー”

製作・文/澤武慎一郎

1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-4“ジークフリート・シュネル”
●発売元/造形村、販売元/ボークス●13200円、発売中●1/32、約27.7cm●プラキット

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澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)

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