全長87cmで再現!ルン仕様の限定版「シュペルター・K.O.G」をキットレビュー!【ファイブスター物語】
2024.07.06シュペルター・K.O.G.=ボォス 2992= with バスターランチャー(限定版)【ボークス1/100】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)
IMS史上最長となる全長87cmの大ボリュームキットを、ファーストインプレッション込みでキットレビュー!
ミラージュ騎士団ミシャル・ハ・ルンが駆る騎体が、ボークスIMS 1/100 シュペルター・K.O.G.バリエーションにラインナップ。シュペルター本体は、ルン仕様のさまざまな特徴を新規金型で表現。また本キットの最大の目玉ともいえるバスターランチャーも、IMS史上最長となる大迫力の全長87cmで完全再現するなど、バリエーションキットの枠を超える充実した完成度となっている。作例はMHキットを多数手がけてきた桜井信之が担当。キットのファーストインプレッションも兼ねたレビュー作例となった。
今年に入ってからF.S.S.関連はGTMを連続で製作していましたが、今回久しぶりのMH製作です。しかも僕が大好きなシュペルター、第三のバージョンの「シュペルター・K.O.G.=ボォス 2992=」。ファンの間ではルン・シュペルターと呼ばれるMHです。外部装甲はウォータードラゴン/ダグラス・カイエン騎との相違点レベルではなく、大きく変更となった姿で、本編に登場したときは大興奮したものです。一見しただけでは一般的に知られたシュぺルターとあまり変わらないようですが、後頭部は大きくふたつに分かれ後方に伸び、カイエンバージョンをさらに発展させたものだと理解することができます。加えてコクピットはレッドミラージュのものに換装されているためか、胸部にはミラージュマシン特有のレーザー・リフレクターを装備、スネのカラーリングも赤に変更された姿は、ミラージュマシンの特徴を兼ね備えています。そして「命の水」争奪戦のクライマックスで使用されたバスターランチャーも付属し、展示幅はIMSシリーズ史上最大の87cmという大迫力でのモデライズ。このような桁外れでヤバいキットを見ると笑いが止まらなくなる奇病を患っている僕としては、本キットは作りたくてたまりません。「永野護デザイン展」の興奮から醒めやらないことも加わり「まだ誰にも発注していないなら、ぜひ僕に作らせて!」と自ら志願し製作となりました(笑)。
個人的にシュペルターとしては4度目の製作になるのですが、本キットは設計が大きく変更となっており、製作中も変更点を確認しながら新鮮な気持ちで製作することができました。特に肩アーマーなどはシュペルターマークをモールディングする必要がないため、単純な前後分割に変更されていたり、非常に作りやすくなった部分も多く見受けられます。逆に腕や脚の関節などは、バスターランチャーを装備したポーズが決まるよう、可動構造が見直されていて、今までよりも大胆なポージングが可能となっています。外部装甲の変更点を楽しみ、可動のための新設計に驚きながらの製作は、過去2作のシュペルターを経験済みの皆さんも新鮮な気持ちで進められると思います。問題のバスターランチャーは完成時の重量軽減の目的もあって、非常に単純な分割となっています。87cmにもなるバレルも完成後でも3分割が可能なので、展示スペースの関係で購入を躊躇している方も、アレンジしての展示や収納も容易な設計になっています。
製作するうえで、構造的にも技術的にも難しい箇所はないキットなので、完成までのコツはただひとつ、この大迫力の姿を夢見て、ひたすら手を動かすだけです。心残りはL.E.D.ミラージュのベイルも持たせたかったのですが、手元にキットがなく、インフェルノナパームで製作したものを流用しようとも考えましたが、以前製作したベイルは騎体色と同じ半透明ホワイトで塗装しているので、本シュペルターとは模型的に整合性が取れなくなるので諦めました。でも、いつの日か初登場シーンでも展示したいので、時間を見つけてシュペルター用にベイルを製作したいと思っています。というわけで、僕のシュペルターとの旅はまだまだ終わらないようです…。
ボークス 1/100スケール プラスチックキット“INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
シュペルター・K.O.G.=ボォス 2992=with バスターランチャー(限定版)
製作・文/桜井信之
IMS 1/100 シュペルター・K.O.G.=ボォス 2992=with バスターランチャー(限定版)
●発売元/ボークス●17600円、発売中●1/100、約28.4cm●プラキット●原型/造形村F.S.S.プロジェクトチーム
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桜井信之(サクライノブユキ)
著書「たった2日でできる! 週末ホビーライフ」が好評発売中。あらゆるテクニックに精通する模型の伝道師。