3年ぶり二度目の登場 石野平四郎による連作「Stardust(星屑)」シリーズ最新作【H.M.S.】
2024.06.22-第5章-
飴坊の羽を毟り 宥めると
その黄金の冠に捕まり共に水底へと向かった
降りていく際 私は何とも不思議な連中とすれ違った
屍蝋の様なテカリを放つそれは
波も立てず水そのものの様な動きで掻いている
まるで鼻を垂らした象が踊りを披露しているようだ
『しかし、彼らはちっとも沈もうとしないな。お先に失礼するか…』
毎回さまざまな分野で活躍する人々の手による、独自の作品世界をお届けしている本連載。今回は3年ぶり二度目の登場となる、芸術家であり彫刻家、そして造形作家集団GOLEMのキュレーターでもある石野平四郎による連作「Stardust(星屑)」シリーズの最新作をご覧いただこう。
■ 素材:鉄、石粉粘土、合成漆・樹脂塗料、エンジェライト、アクリル塗料
■ 私が作家活動で取り組んでいるテーマのひとつである「Astral Body(天体観測)」という対象物と自分と造形行為の”距離”を出力したシリーズの派生で、“物語”の「Stardust(星屑)」シリーズ。宝石や天然鉱物などの美しい石を中心に異星からの来訪者を制作しています。
「第1章」月刊ホビージャパン 2021年7月号掲載/「第2章」幻獣神話展Ⅷ 出展/「第3、4章」SCULPTORS 08(幻冬舎)掲載
スクラッチビルド
Stardust – Dancing Ange Nose –
製作・文/石野平四郎
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前回作品
【H.M.S.】Stardust -Cloudy Opal Eye-【石野平四郎】
スクラッチビルド Stardust – Cloudy Opal Eye – 空の星々が一つに集まる年の 大いなる星降りの夜、 アンタレスの輝きに似た一番星が ついに大海へと落ちた。蛋白色に光るその灯台のような[…]
石野平四郎(イシノヘイシロウ)
1992年神戸生まれ。美術家・彫刻家。幼い頃から生き物を間近で観察することに興味を持ち、日常的に想像の中で生き物を描くようになる。観察、体験の繰り返しにより、表現の世界が徐々に広がり、芸術的な実践へと発展していく。人の持つエネルギーを超越したようなものへの憧れと自分より遥かに大きな存在に対して常に畏敬の念を持ち、その崇高さを表すため超常的な存在や神話、伝承上の生き物などをモチーフに粘土素材で造形した作品を制作している。造形作家集団GOLEMのキュレーターでもあり日本のメインカルチャーとサブカルチャーを越境し、批評的立ち位置を表明することで新たなジャンルの創設と日本における芸術様式の細分化を目指している。