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「脂の乗った生肉感」を表現!シタデル・コントラストを使用した染め塗りで深みを出す【水性塗料ペインティングLAB】

2024.06.20

水性塗料ペインティングLAB.●むっちょ 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」

ミニアート 1/35 肉屋

料理もペイントも下地が大事! 染め塗りで生肉を楽しもう!

製作・文/むっちょ

 安全、安心、環境にも優しくて高性能だけどまだまだ認知度が低く使っている人も少ない「水性塗料」の可能性をお届けするコーナー。水性塗料に熟知した“水性アクリルボーイ”むっちょがさまざまなジャンルのキットを水性塗料で仕上げます。
 今回はミニアート1/35の肉屋フィギュアを製作します。見た目のインパクトが抜群なおもしろいキットで、解体された肉の生々しい様子は、ミニチュアペイントのテクニックがピッタリ! モールドも細かいので染塗りの技術を使って、お手軽かつリアルにフィギュアと豚肉を完成させてみました。

今回使用している材料

シタデルカラー/モルガイスト・ボーン、スクリーミング・スカル、コーンレッド、ブラッドリーバー・フレッシュ、イービルサンズ・レッド、スクラッグ・ブラウン、トロールスレイヤー・オレンジ、フレッシュティアラー・レッド(コントラスト)、ワイルドウッド(コントラスト)、ゴアグラント・ファー(コントラスト)、アポシカリー・ホワイト(コントラスト)

ファレホ/オフホワイト、ジャーマンレッドブラウン(プライマー)、ドワーフ・スキン(エクスプレスカラー)、ディープ・パープル(エクスプレスカラー)

 みなさんこんにちは! むっちょです!
 今回はミニアート1/35スケールの肉屋をペイントしていきます!
 シタデル・コントラストを使用した染め塗りで、基本の塗り分けをスピーディーに済ませつつ、脂染みや皮の擦れなどで味付けして深みを出してみました。下地の工夫次第で生肉も楽チンです。

■肉屋の解像度
 むっちょさん、こんなプラモがありますよ! といってこれを渡されたブッチャーズ。ホラー映画やホラーゲームなんかによく登場するサイコな悪役たちの在りし日の姿な2人組のキット。最高です…! 先日アマプラで見たコメディ映画『ヴィーガンズ・ハム』を頭に思い浮かべながら製作していきます。映画にはかわいいワンちゃんも登場するのでオススメですよ。

■このスケールは染め塗りで楽しむ
 1/35スケールでギュッと詰まったモールドが多いのでシタデルカラーやファレホ エクスプレスカラーでの染め塗りでのペイントが楽しく、少ない手順でもリアルに仕上がります。
 今回は黒サフで下地を作り、ホワイトとブラウンでベースとなる陰影をあらかじめエアブラシで吹き付けた状態でペイントをしていきます。運ばれている肉はシタデルカラー ラカラス・フレッシュを吹き付けて、色数の多い複雑な下地を作ってからペイントします。

■職人たちのエプロン
 染め塗りしたのち、ウォッシングや、スポンジを使ったチッピングで軽く明るいカラーを上乗せ。血や脂、擦れて傷んだような表現をしてみました。普段から重ね塗りに使用しているカラーレシピでも、使う道具を変えることでまた違った表現になるのがおもしろいです。
 スプラッターな映画の住人のようにならないよう、優しい、町の人々から愛されている肉屋の店員たちを目指します。台車で運ばれている豚も、可愛く仕上げることが出来ました。

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」下地状態
▲下地の状態。ケイオスブラックスプレー→オフホワイト→ジャーマンレッドブラウン プライマーの順番で吹き付ける
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」重ね塗り
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」ドワーフ・スキンでウォッシング

▲モルガイスト・ボーン→スクリーミング・スカルの順番で重ね塗りしたあと、薄めたドワーフ・スキンでウォッシング

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」スポンジとピンセットで汚れスタンプ
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」スポンジとピンセットで汚れスタンプ2

▲スポンジとピンセットを使い、ブラッドリーバー・フレッシュとイービルサンズ・レッドで脂、血の染みを表現。汚れそうな所を意識しながらランダムにスタンプ

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」エプロン塗装
▲赤のエプロンはハイライトの部分に下地が残るよう、シタデルコーンレッドを薄く塗る。ベタ塗りするのではなく、それっぽいムラが出るようにペイント
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」エプロン塗装2
▲こちらも薄めたディープ・パープルをウォッシングの要領で施す。1色めで作ったムラ感のある赤が落ち着き、深みのある自然な仕上がりに
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」エプロン塗装3
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」エプロン塗装4

▲明るい箇所、擦れて傷んでいそうな箇所にスクラッグ・ブラウン、トロールスレイヤー・オレンジを先ほど同様、スポンジを押しつける

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」生肉塗装
▲生肉の塗装。ラカラス・フレッシュをエアブラシで軽く吹き付け、フレッシュティアラー・レッドで染め塗り
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」生肉塗装2
▲たっぷりと筆に含ませてしっかり染めるいつもの塗り方ではなく、薄く広げることでムラが出やすくなるので、脂の乗ったフレッシュな生肉感が出る
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」顔塗装前
むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」顔

▲お楽しみの顔のペイント。こちらも基本はシタデル・コントラストを使用しつつ、ハイライトやシャドウを重ね塗りして、並んだ際の色味の違いがわかるようにした

完成!

むっちょ作例「ミニアート 1/35 肉屋」完成
▲ホラー映画に登場しそうな肉屋が完成。エプロンに血の染みが残っている様子がなんともリアルになった

ミニアート 1/35 肉屋

●発売元/ミニアート●3080円、発売中●1/35、約5.5cm●プラキット


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