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「F-5E/FタイガーⅡ」退役する台湾の戦闘機キットを塗装とマーキングで東南アジア迷彩のアグレッサー機に仕上げる!【AFVクラブ】 

2024.06.16

F-5F 中正号 複座戦闘機【AFVクラブ 1/48】●石原肇 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」

台湾の空を守り続ける複座の戦虎タイガー

 一般的には「台湾」と呼ばれている中華民国は、さまざまな制約を受けながらも国家防衛の要となる空軍力の強化に力を入れてきた。F-5E/FタイガーIIもその一環で、1973年から1986年にかけて約300機をライセンス生産し「中正号」として配備、独自改修を受けつつ運用が続けられていたが、ついに2024年に退役する。台湾のメーカー、AFVクラブによる1/48スケールキットを、これまでの活動に思いを馳せつつ東南アジア迷彩のアグレッサー機として仕上げる!

石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」右側面
▲台湾空軍では1973年から自国のAIDCでF-5E/Fをライセンス生産し、偵察型のRF-5Eも合わせて運用。今後はF-16Vなどの導入に合わせて退役を予定しているといわれる
石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」左側面
▲AFVクラブのキットは自国の戦闘機ということもあって出来映えは抜群。この他にもアメリカ海軍F-5N、東南アジア諸国機など多くのバリエーションを展開している
石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」部隊マークは第46戦闘機作戦隊“アグレッサーズ”
▲海軍戦闘機兵器学校“トップガン”に似た部隊マークは第46戦闘機作戦隊“アグレッサーズ”のもの
石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」複座型のF型では機首左側には機関砲は搭載されず、砲口は冷却口
▲複座型のF型では機首左側には機関砲は搭載されず、砲口は冷却口として利用。レドームは試作で終わったF-20タイガーシャークと同様の扁平型に改修されている
石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」胴体下面にはキット付属の大型の275 US Gal.タンクを搭載
▲胴体下面にはキット付属の大型の275 US Gal.タンクを搭載。主翼端左側にはAIM-9Pサイドワインダー空対空ミサイル、右側は訓練用のTACTSポットを装備した
石原肇作例「F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット」面積が拡大されたエアインテーク直後の主翼付け根に取り付けられたストレーキ(LEX)
▲面積が拡大されたエアインテーク直後の主翼付け根に取り付けられたストレーキ(LEX)は別パーツ。胴体前後なども分割されているが、組み立て時の合いは良好だ

アジアで人気のF-5EタイガーII
 アメリカの海外軍事援助計画(MAP)によって開発されたF-5EタイガーII軽量小型多用途戦闘機は、東南アジア地域ではタイ、マレーシア、シンガポール、台湾、韓国などで使用された他、フィリピンに展開していたアメリカ空軍の機体がたびたび嘉手納基地などに飛来していたため、日本の飛行機ファンには意外と人気が高い機種のひとつだ。

キットについて
 AFVクラブから1/48スケールでアメリカ空軍と海軍の仮想敵飛行隊のF-5Eの他、マレーシアや台湾空軍、シンガポール空軍のF-5E(単座型)、F-5F(複座型)、RF-5E(偵察型)などが発売されている。最近になって台湾空軍のF-5E/Fは今年中に退役という情報が入ってきたため、部屋の片隅で眠っていたAFVクラブのキットの中から台湾空軍のF-5Fを製作した。このキットのF-5Fは、機首と胴体後部に新型レーダー警戒装置(RHAWS)、主翼下面にチャフ/フレアディスペンサーを追加し、レドームはF-20と同じ扁平型のシャークノーズに改修されているのが特徴だ。

製作
 単座型のF-5Eと複座型のF-5Fのバリエーション展開のため、コクピット後方で胴体が分割されている他、コクピット下面、胴体後部、主翼前部のストレーキ、インテーク部分、各動翼なども別パーツで分割はやや複雑だが、ほとんどストレートに組んでも問題はないほど合いはよい。
 コクピットの計器類はメリハリのあるモールドで、射出座席などもリアルに再現されている。特徴のあるキャノピーは開閉が選択可能で、完成後もコクピット内部はよく見えるので、ていねいに塗装したい部分だ。台湾空軍パイロットのフライトスーツは最近までオレンジだったので、作例でも前席はグリーン、後席はオレンジのパイロットを搭乗させている。パイロットを乗せない場合はシートベルトは追加したい。
 機首左側の機銃点検パネルは別パーツとなっているが、内部の機銃はパーツ化されていないのであまり意味がない。ちなみに複座型F-5Fの20mm機銃は右側のみで、左側は機銃の形状に似た電子機器の冷却用空気取り入れ口となっている。またF-5E/FタイガーIIの特徴のひとつとなっている胴体後部にあるルーバー状の補助空気取り入れ口も開閉が選択可能なパーツが用意されている他、胴体下面のエアブレーキも開閉が選択可能となっている。
 ウェポン類は150 US Gal.と275 US Gal.燃料タンクの他、AIM-9Pサイドワインダー空対空ミサイル、訓練中の機動飛行、命中判定などのデータを地上に送信するAN/APX-95 TACTSポッドが付属している。作例では胴体下面にはフェリー時などに使用する大型の275 US Gal.タンク、主翼先端にはAIM-9PとTACTSポットを搭載している。

塗装とマーキング
 デカールのマーキングは、アメリカ海軍の「TOP GUN」に似た部隊マークの第46戦闘機作戦隊「AGGRESSORS」の機体の中から、全面無塗装の2機と東南アジア迷彩の2機、計4機分からから選択できる。発色はよいが、非常に硬く扱いにくいので注意が必要となる。
 作例のマーキングは通称「ベトナム迷彩」と呼ばれる、ダークグリーン、ミディアムグリーン、タンの東南アジア(SEA)迷彩だが、下面のグレイを廃止したオーバーラルパターン。迷彩パターンは型紙を使用して塗装を行った。

AFV クラブ 1/48 スケール プラスチックキット

F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット

製作・文/石原 肇

F-5F 中正号 複座戦闘機 & RF-5E タイガーアイ 偵察機 2機セット
●発売元/AFVクラブ、販売元/GSIクレオス●12100円、発売中●1/48、約27.8cm●プラキット


 「F-5E/FタイガーII」を製作するのに役立つ実機写真も別記事にてご紹介中! 今回の作例でも参考にされたものなのでぜひご覧になってみてくださいね!

\詳細はコチラ/


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石原 肇(イシハラハジメ)

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