HOME記事キャラクターモデルPLAMAX「VF-1J ファイターバルキリー(一条輝機)」キットこだわりのコックピット周りの精度を高めてディテールアップ!【超時空要塞マクロス】

PLAMAX「VF-1J ファイターバルキリー(一条輝機)」キットこだわりのコックピット周りの精度を高めてディテールアップ!【超時空要塞マクロス】

2024.06.20

VF-1J バルキリー(一条輝機) 【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

定番工作で航空機らしさを高める

『超時空要塞マクロス』より「PLAMAX VF-1J ファイターバルキリー(一条輝機)」をご覧いただこう。マックスファクトリーはマクロスモデラーズ参画後、1/20スケールのminimum factoryシリーズでキャラクターを中心としたラインナップを続けていたが、その後“同スケールの”VF-1 スーパー/ストライク ガウォークバルキリーや機首コレクションといった変わり種アイテムを経て、2022年ついに1/72スケールのVF-1A/S ファイターバルキリー(一条輝機)をリリース。本アイテムはそのバリエーションキットとなる。こちらの作例は木村直貴が担当。キットこだわりのコックピットまわりの精度をさらに高めつつ、ライト類や着陸脚のディテールアップなど、定番の航空機工作で完成させた。

》SPEC.

所属:地球統合軍
全長:14.23m(ファイター)
エンジン:新中州重工/P&W/ロイスFF-2001 熱核反応タービンエンジン×2
武装:マウラー レーザー機銃ROV-20×2、
ハワード GU-11 55mm3連装ガンポッド×1
パイロット:一条輝

▲航空機的なフォルムやディテールにこだわりつつも、少ないパーツ構成でストレスなくスムーズに完成させられる組み立てやすさも合わせ持つ。本アイテムではJ型頭部と新規造形の一条輝(着座姿勢)フィギュアが付属し、キャノピー前の外板も別パーツ化することで塗装しやすくなっている
▲主翼、尾翼、ベントラルフィンは翼端を削り込んでシャープ化。胴体上部や前脚横のアンテナ類も同様にシャープ化している

▲輝フィギュアは丁寧に塗り分け。HUDは薄い透明板(OHPシート)で再現し、TV版では両サイドもコンソールになっているので、それらしく塗装した

▲塗装後にフィギュアを乗せられるようにコンソールのはめ込み部をカット。キャノピーはガラスとフレームが別パーツ化されているので、接着する際はクリアーパーツ表面に接着剤が付かないよう注意しよう。作例ではガラスとフレームの間に若干隙間が生じたので細切りした黒い紙で埋めている

▲エンジンナセルはインテークシャッター、ヒザ関節パーツ、ベクタードスラスト・ノズルを一部加工して後ハメ化
▲前脚および主脚の収納庫カバーパーツは着脱用のつまみ等がないので、片方の接続ダボを短くカットして、押し込むことで外しやすくした

▲前脚、主脚ともに伸ばしランナーを使用したブレーキチューブを追加。前脚カバーのランプはクリアーランナーとメタリックシールでキラリと光るようにディテールアップ。カバー内側もコードや軽め穴でディテールアップした

▲ランディングギアは箱状のブロックごと引き抜く仕様になっているので、着陸/離陸の変更をスムーズに行える
▲ガンポッド先端のセンサーはクリアーレッドのランナーを削り出したもので作り替えている

▲主翼の着陸灯および翼端灯、尾翼の衝突防止灯はクリアーランナー各種を使用してディテールアップ。着陸灯は使用したランナーよりも幅があり、火で炙って太く縮ませてから削り出した

▲VF-1J バトロイドバルキリー(製作/清水圭)とのそろい踏み。バトロイドは純粋なアニメ登場ロボットとしてのかっこよさ、ファイターはスケールモデルとしての精密感とキャラクターモデルとしての組み立てやすさを両立、とそれぞれ異なるコンセプトを持つ両アイテム。新世代の1/72スケールVF-1キットとしてぜひ手に取ってほしい

▶︎愛・おぼえていますよ!(TV版ですが)
 PLAMAX VF-1J ファイターバルキリーを担当させていただきました。J型の“J”は日本のJで、しかも紅白のカラーリング! そして主人公、一条輝の専用機ということで、VF-1のなかでもとりわけ愛着をおぼえる機体であります! 重厚なテーマをバックにほの暗い格納庫からエレベーターで上がってくる“こいつ”! あのアニメのオープニングは何度見てもかっこいいですなぁ! 製作モチベーション、上がらないわけないよね!

▶︎気持ちのいいキットです
 先行のA/S型で皆さんご存知でしょうが、最新のVF-1キットということでプロポーションは完璧。申し分のないパーツ精度、それに加えてモデラ―目線で設計された非常に作りやすいパーツ構成になっていて「さすが!」とうなってしまう出来です! 組み立てははめ込み式ではなく接着が必須となりますが、接着ののりしろ部が複数でかつ、大きめにとられているので、ピンやダボのみで接着しても隙間ができず、強度に不安もなく、おまけに接着線が出にくいパーツ割りなので、接着後の跡処理がほとんどいらないという驚異的なキットであります! 細かい作業が得意な人なら、勘合部に極薄プラ板のチップを貼り付けたり、瞬間接着剤を盛って太らせたりしてテンションを調整することで後から分解できるように組むこともできます。
 ちなみに一番難しいのは、どの飛行機模型でも同じですが、やっぱりキャノピーです。キットは前後ガラスとフレームの3パーツで美しいバブル断面を再現しているのですが、問題は勘合が前後端のみで、あとはつるっとしているので合わせにくく隙間ができやすい。クリアーパーツ断面の接着跡も目立つので、非常に神経を使う箇所であります。作例では透明エポキシ接着剤を薄く塗って、枠に後ろパーツ→前パーツの順に貼り付け。はみ出た接着剤は半硬化時に爪楊枝でこすって取り除く作戦で、時間をかけて組みました。一番前に隙間ができましたが、ここは黒画用紙を細切りにしたものを針でねじ込み、クリアー塗料を流して固めて処理しました。とにかくキャノピーは一番目を惹くので、きれいに組みたい部分です。
 一方、パイロットはきちんとTV版のスーツを着用した一条くんで、しっかり操縦桿を握っています! こだわりが感じられてウホホですね。細かいのが得意な方はぜひ、コックピットのメインパネルの上にHUDを追加して、サイドパネルには計器類を描き込んでやり、TV版をアピールしましょう!

▶︎いわゆる“定番”工作
 追加工作でより航空機風味を出してみましょう。まずは翼端のシャープ化。エッジに向かって両側から削って薄く整形します。特に尾翼とベントラルフィンはスケール感が劇的にアップするのでおすすめです。次はランプ類のクリアー化。キットのモールドに沿ってカットし、クリアーランナーを削り合わせて接着し、整形して置き換えます。着陸灯や翼端灯など光が透過する箇所は特に効果的です。それ以外はクリアーフィニッシュで充分です。もうひとつの定番工作は着陸脚です。オープニング映像でも印象的なブレーキパイプを追加しましょう。作例では伸ばしランナーを使いました。キットの表面ディテールは精密なパネルラインのスジ彫りが施されていて気持ちいいですが、やや単調なのでボルト穴やラッチ溝などお好みで追加してやりましょう。

▶︎シンプル・イズ・ビューティフル!
 白地に赤帯のシンプルなカラーリングなので、マスキング塗り分けで仕上げています。基本色の白~黒は各種サーフェイサーを混色したもので表面処理兼用。赤はキャラクターレッド。ノズル部は黒鉄色地に焼鉄色を乗せて、ウェザリングマスターで味付けして仕上げています。エナメル塗料のグレイと黒でスミ入れして、マーキングを施し、ツヤと濃さを調整したスーパークリアーグレートーンで軽くグラデーションをかけて完成であります!

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット“PLAMAX”VF-1J ファイターバルキリー バーミリオン小隊(一条輝機)使用

VF-1J バルキリー(一条輝機)

製作・文/木村直貴

PLAMAX 1/72 VF-1J ファイターバルキリー バーミリオン小隊(一条輝機)
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●4620円、6月予定●1/72、約19cm●プラキット

©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS

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木村直貴(キムラナオキ)

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