HOME記事キャラクターモデルウェーブから2種類のキットで発売される「スーパーバルキリー」を合わせて製作!パーツの組み換えでガウォークも再現【マクロス】

ウェーブから2種類のキットで発売される「スーパーバルキリー」を合わせて製作!パーツの組み換えでガウォークも再現【マクロス】

2024.06.12

VF-1A スーパーバルキリー(一条輝機) 【ウェーブ 1/100】 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

2種の製品を並行製作して3形態を再現する

 SFアニメの金字塔、劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(1984)。冒頭、土星の衛星タイタン近傍での戦闘に参加した一条輝のVF-1は、TV序盤の登場機体であったJ型からA型へと変わり、さらにいきなりスーパーパック装備というサプライズで観客を沸かせた。ウェーブの1/100シリーズはTV版、劇場版に登場する機体を豊富にラインナップしているが、ついにこの「輝のA型」が再現できる「S/A」選択式のスーパーバルキリーを発売。これまでのシリーズフォーマット同様、非変形のファイターとバトロイドキットがそれぞれ分売され、ふたつを組み合わせることでガウォーク形態が再現できるようになっている。今回は2種のキットをKen16wが合わせて製作。それぞれの形態のパブリックイメージを的確に落とし込んだ、完成度の高いキットをほぼそのままに製作している。

》SPEC.

所属:地球統合軍
全長:14.0m (ファイター)
エンジン:新中州重工/P&W/ロイスFF-2001 熱核タービンエンジン×2
武装:HMMP-02 マイクロミサイルポッド×2、NP-AR-01 マイクロミサイルランチャー×2、マウラー レーザー機銃ROV-20×1、ハワード GU-11 55mm3連装ガンポッド×1
パイロット:一条輝

▲新たに発売されるスーパーパック仕様のファイターとバトロイドを並べて。どちらの製品にもそれぞれA型とS型の頭部が付属、パーソナルカラーを再現できる水転写式デカールは一条輝、マクシミリアン・ジーナス、ロイ・フォッカーの3種が付属し好みのカラーリングで組めるようになっている。今回は赤のワンポイントがあしらわれた一条輝機で2体を仕上げた

 》GERWALK

▲ファイターのエンジンブロック周りを取り外し、バトロイド側の手足を組み込めばガウォーク形態を作ることができる。スマートなファイターのボディと、骨太なバトロイドの手足というそれぞれのチャームポイントを組み合わせるので破綻のないスタイルに仕上がる
▲腕部はファイターのまま、脚部だけバトロイドのものに交換することで、反応弾を斉射したあとの急制動をかけるシーンを再現してみた(ファイターの腕部は両面テープでボディに固定している)

 》BATTROID

▲まずはバトロイド形態を紹介。作例は胴体の延長以外はほぼ手を入れていない。頭部レーザー機銃の銃口はドリルで開口した
▲肩周りには設定どおりの細かなディテールが彫刻されている
▲バトロイドとしてのプロポーションを優先し、脇はシャッターで閉じられている
▲脚部スーパーパックのノズル類はすべて別パーツ化されているので塗装しやすい。作例はガイアカラー スターブライトアイアンで塗り分けた
▲制作途中の状態。キットは設定画の骨太なイメージを的確に再現しているのでスタイルにはほとんど手を入れていない。握り拳もキットのままだ
▲スーパーパック側面のノズルも別パーツ化されているのがうれしい。キットのモールドはほどよい密度感だが、スミ入れをはっきりさせるためにいったん彫り直した
▲SDF-1艦橋に接近するヌージャデル・ガーを間一髪で撃墜、ブリッジ方向へ振り向くと…。「冗談じゃない! 助けてやったのにそんな言い方ないだろう!」
▲ウェーブ製1/100 VF-1バトロイドシリーズの初出は2014年。登場から10年が経過しているがこのスケールでのプロポーション、組みやすさ、可動を高次元でまとめた設計の絶妙なバランスは未だに色褪せない。まだ入手していない人もぜひ手に取ってほしい名キットだ
▲ついでにキット同梱のS型頭部も製作。輝が搭乗したS型はストライクパック装備だったのであくまでオマケということで…
▲コックピットの胸部ブロックへの取り付け軸を2mm伸ばし、軸棒に適当なプラパイプをはさむことで胴体を約2mm延長した

 》FIGHTER

▲続いてファイターの作例を紹介。こちらも劇中イメージそのままの見事な造形。パーツの合わせ目を消し、丁寧にマスキング塗装を行えば、15cm程度のサイズにぎゅっと詰まった素晴らしい密度感で組み上がる

▲製作途中の状態。こちらもモールドを彫り直した程度で、形状には手を入れていない

▲シートのパイロット人形は雰囲気良好。腕周りの形状をヤスリで整えたあと、筆で細部を塗り分けた
▲主翼にはマイクロミサイルポッドと大型対艦反応弾を懸架可能。オプション武器類は軸接続なので主翼の開閉角度に合わせて左右に振ることができる
▲メインノズル、ハンド収納部、腕部マイクロミサイルランチャーの弾頭部も丁寧に造形されている
▲ランディングギアを外し、付属スタンドに乗せて飛行形態でディスプレイ。スーパーパック取り付けのために折れ曲がった主脚や、主翼に吊り下げられた重武装類など宇宙戦闘機らしいシルエットを充分に堪能できる
▲機体下面から。機首と主脚、3基のランディングギアは差し替え式となっている

 キットは発売中のVF-1S ストライクバルキリーのバリエーション機として、A型頭部とスーパーパック、それに映画仕様のデカールをセットしています。
 皆さんご存知のとおりウェーブのバトロイド、ファイターはともに良好なプロポーションです。バトロイドには胸部などに劇中イメージを彷彿させるアレンジが加えられており、とても良い雰囲気。あえて変形をオミットし、パーツの組み替えでガウォークを再現できるというのも素敵ですよね。そんな隙のないキットなので、丁寧な基本処理を心がけて製作していこうと思います。

▶︎製作
 バトロイドの胸部などに少しヒケが目立ちます、というか全体的にヒケが多いように感じます。パーツの厚みの範囲内で削り込み、浅くなってしまったモールドはあとから彫り直すとよいでしょう。
 ファイターですが、太モモ上部、インテーク部がはさみ込みとなっています。ここはダボのピンを短く切断することで後ハメ可能です。これはバトロイドとも共通の加工となります。
 コックピットは飛行機模型の定番どおり、先に塗装し機首にはさみ込むことになります。パイロット人形はスーツのモールドが簡略化されているので、タガネなどで彫り込むことでより立体感が出せます。

▶︎塗装
 バトロイド、ファイターともに黒いラインなどはデカールを使わず、塗り分けで表現しました。胸部中央の赤い部分などは起伏が大きく、センターにあるスリットモールド部にデカールを貼る難易度を考えれば、結果的にはマスキングで塗り分けたほうがきれいに仕上げられるのではと思います。実際は何度か修正してラインの歪みを直しましたけど…(苦笑)。
 以下、カラーレシピです。
ホワイト=ガイアカラー ニュートラルグレーI
ブラック=ガイアカラー Ex-ブラック
レッド=ガイアカラー ブライトレッド50%+バーチャロンカラー ローズブライトレッド50%
関節グレー=13番 ニュートラルグレー
武装=333番 エクストラダークシーグレー
インテーク、ソール=ガイアカラー スターブライトアイアン
スーパーパック=エクストラダークシーグレー75%+バーチャロンカラー マーズダークブルー20%+ ニュートラルグレーI 5%

▶︎あとがき
 作例用に送られてきたキットは試作品のデカールと既存品の詰め合わせだったため、既存製品のVF-1Sストライクバルキリーのデカールも入っていました。そのまま問題なく使えていたのですが、トップコート前に気が付きました。輝くん、終盤でVF-1Sに乗り換えると機体番号も011から001に変わるのですね…。貼ってしまった「001」のデカールを慌てて剥いで貼り直したのですが、いろいろと問題が発生し数字の「1」が不足し、泣く泣く余剰デカールから切り出して貼りました。皆さんも機体番号には気を付けましょうね…。

ウェーブ 1/100スケール プラスチックキット VF-1S/A スーパーバルキリー[ファイター]+VF-1S/A スーパーバルキリー[バトロイド]使用

VF-1A スーパーバルキリー(一条輝機)

製作・文/Ken16w

VF-1S/A スーパーバルキリー[ファイター]
VF-1S/A スーパーバルキリー[バトロイド]
●発売元/ウェーブ●各4950円、発売中●1/100、約15cm(ファイター)、約16cm(バトロイド)●プラキット

©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS

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Ken16w(ケンイチロー)

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