「VF 0A/S バトロイド」ウェザリングとディテールアップで作中のファイター形態のロイ・フォッカー機を表現!【マクロス ゼロ】
2024.06.08スケールモデル的アプローチにさらに説得力を加味したディテールを追加する
TV『超時空要塞マクロス』の前日譚を描いたOVA作品『マクロス ゼロ』より、若き日のロイ・フォッカーが駆るVF-0S フェニックスの作例をお届けする。作例のモチーフとなったハセガワ1/72キットは、ロイ・フォッカー乗機のS型と一般機のA型のどちらかを選んで組み上げるコンバーチブル仕様で、両タイプの頭部パーツとデカールが付属する。作例はもちろん、エースであるロイ・フォッカー機を選択。スケールモデル的アプローチが心地よい傑作キットをさらにディテールアップ。ファイター形態を想定したウェザリングとともに製作の参考にされたし。
》SPEC.
所属:地球統合軍
全長:18.69m(ファイター)
エンジン:EGF-127ターボファンジェット改×2(主機)、新中洲重工 ARR-2ロケットモーター×3(副機)
武装:マウラー レーザー機銃×2、ハワード GPU-9 35mmガトリングガンポッド、中距離空対空ミサイルAMRAAM2 他
パイロット:ロイ・フォッカー
模型製作のお供に!
VF-0 フェニックスをフィーチャーしたヴァリアブルファイター・マスターファイルシリーズ。模型製作の参考になる資料がたっぷりと収録されている。
ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-0 フェニックス 始まりの不死鳥
●発行元/SBクリエイティブ●2860円、発売中●A4変形判・カラー128ページ
カラーリングデータ
本体白=クールホワイト(C)
本体黒=Ex-ブラック(G)
本体黄色=エヴァプロトイエロー(G)
メタリックカラー=フレームメタリック1(G)、
スーパーチタン(C)、レッドゴールド(C)
※(C)はGSIクレオスのMr.カラー、(G)はガイアノーツのガイアカラー
キットは同社VF-1と比べるとかなりの大型モデルに、飛行機モデルの雄であるハセガワならではの説得力のあるモールドがびっしり。まさしくスケールモデルのそれで、いわば「キャラクターのスケールモデル」といえる仕上がりです。
今回はそんなスケールモデル的アプローチをさらに深堀りしてみました。具体的にはインテークまわりや、変形することによって分断されるブロックの断面厚などに、プラの厚みが散見されるので(それでも頑張って攻めていると思います!)、それらを丁寧に処理していくことで、よりスケールモデル的アプローチに説得力を加えていく作業です。
断面厚をゼロに近付けるために断面に向かって薄くしていくのがメインですが、場所によっては厚みをそのまま利用し、断面にディテールを追加して積層状態を再現するなどして表現方法を変えています。
頭部形状は良好ですが、アゴ裏と首が干渉するため、あまりアゴが引けません。そこで完成後に見えなくなるアゴ裏面をごっそりくりぬいて干渉を避けてアゴを引けるようにします。アゴ裏の加工だけだと足りないので、首パーツを前傾気味に取り付けています。胸部や首まわりなどは、特に目を惹く部分なので、先述のように断面処理を施してやると効果的だと思います。
腕部は各ブロックやフレーム部分にディテールを追加して情報量を増やしています。また、ヒジ裏は完成後に丸見えになるのでプラ板でディテールを追加。ヒジ関節はポリパーツが剥き出しなので、可動の妨げにならない位置までプラ材で、カバーを兼ねてディテールアップ。ハンドはSTYLE Sのロボマニ角指2Lを使用しています。
脚部の各インテークのフチや各ブロック断面は薄く加工しています。
▶︎塗装
すべてのパーツをいったんメカサフ ヘヴィで仕上げたあとに基本塗装をします。白部分はエッジやディテール部分をうっすら残すように弱めにグラデーションをかけています。フレームはメカサフ ヘヴィや各メタリックカラーで塗り分け。最後にウェザリング。バトロイド時のダメージ表現ではなく、ファイター形態時基準のストレーキングを中心に施しています。
キャラクターモデル初挑戦だったVF-1から次弾のVF-0でかなり作りやすくなっていますが、そこからさらにキャラクターモデルの経験値を積み上げたYF-19がどんな形でキット化されるのか。とても楽しみです!
ハセガワ 1/72スケール プラスチックキット VF-0A/S バトロイド“マクロス ゼロ”使用
VF-0S フェニックス
製作・文/NAOKI
VF-0A/S バトロイド“マクロス ゼロ”
●発売元/ハセガワ●3740円、発売中●1/72、約22.35cm●プラキット
©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS
NAOKI(ナオキ)
メカニックデザイン、造形、造形プロデュースなどさまざまなフィールドで活躍するマルチクリエイター。