HOME記事キャラクターモデル40周年を目前に『メガゾーン23』の「ガーランド」がMODEROID化!完全変形にも耐える全塗装とディテールアップで解像度を高める!

40周年を目前に『メガゾーン23』の「ガーランド」がMODEROID化!完全変形にも耐える全塗装とディテールアップで解像度を高める!

2024.05.20

ガーランド【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年6月号(4月25日発売)

驚異の完全変形キットをディテールアップと塗装表現で魅せる

 OVA『メガゾーン23』より可変マニューバスレイブ、ガーランドが完全変形プラキットで登場。これまでもガーランドはアオシマなどから立体化されてきたが、40周年を目前に嬉しいMODEROID化となる。より洗練されたスタイリングと考え抜かれた変形機構は、まさに最新キットに相応しい傑作。作例は、完全変形ゆえのピーキーな設計を考慮しつつ、全塗装でも変形に耐えるよう調整。各部のディテールアップも合わせ、より解像度を高めた作品に仕上がっている。

メガゾーン23とは?

『超時空要塞マクロス』のスタッフたちが再び集結して制作された1985年OVA(オリジナルビデオアニメーション)作品『メガゾーン23』。時祭イヴという歌姫や、20世紀の東京都区内の街並みをリアルに再現した巨大宇宙船(一般市民はこの事実を知らずに生活している)、そして可変メカの登場など、『マクロス』を彷彿させるモチーフが多く見受けられるが、TVアニメでは描けないよりハードな設定・ストーリー、可変メカ ガーランドの魅力など、今もなおファンを魅了する作品である。

▲完全変形を実現しながらも、マニューバクラフト(バイク)、マニューバスレイブ(ロボット)ともに良好なプロポーションを確立。ピーキーな設計ゆえに塗膜が厚くなると変形時に色剥げを起こす可能性があるため、作例ではパーツどうしの干渉部分を調整。全塗装ながらもしっかりとした完全変形を実現している

▲マニューバスレイブモードでもアクションは可能。別売りのTHE シンプルスタンドを利用すれば、さらに派手なポーズカットも楽しめる
▲頭部センサーユニットはモールドをいったん削り落として、メタルのリングおよびマイナスモールドに置き換え。アゴのラインが少し太く感じたので、前方に向かい肉厚の範囲内で少し削ってシェイプ。塗装済みのバイザーはゲート跡を処理したあと、クリアーブルーで再塗装している

▲脇下はスレイブモード時のスペースが気になるので、プラ材、プラパイプによりシリンダー風モールドをボックスアートを参考に新造。モールド側に磁石を、本体(ホイール)側に磁性プレートを貼って着脱式とした

▲肩付近のマルイチ円周部のリベットはハイキューパーツのΦ1mmのメタルリベットに置き換え。前輪ホイールにあたる部分も金属パーツでリベットを追加している

▲劇中にあった、しゃがみこんだ態勢からのマニューバクラフトへの変形をイメージじた2カット。変形させて遊ぶなら成型色を活かした簡単フィニッシュも手かもしれない
▲ハンドはキットのものの他に、あすぱら模型に販売中の製品を作例用にサイズアップしたものを出力してもらったものを用意。作者の好みで意識的に少し大きめにしてもらっている
▲レーザーオーブガンはグリップが取り外し可能なので、形状を損なうことなく手に持たせられる。作例ではセンサー部にUVレジンで製作したクリアーパーツを仕込み、銃口は少し内部をテーパー処理してから、真鍮のバレルを埋め込んだ
▲塗装済みのクリアーパーツはヒケ処理のため、いったん削り込んで整面してからクリアーオレンジで塗装し直している

▲キットには主人公の矢作省吾の着座タイプフィギュアが付属。こちらはファレホによる筆塗り。各部にストッパーがあり、マニューバクラフトモードでもグラつかずしっかりと固定される

▲メーターは劇中を参考に塗り分け、自作デカールでそれらしく再現。バイクでいう給油タンク口をエッチングパーツでディテールアップ。おそらくタンクパッドと思われるディテールはいったん削り落としてから、塗装後に黒のフィニッシュシートを貼って再現している
▲クランクケースはリベットを打ち直し、マスキングでシルバーに塗装。劇中で矢作が「バハモート」と読み間違えて先輩に「バハムート」と訂正されるシーンが印象的な「Bahamut」の刻印を再現。ベースを黒のフィニッシュシートの帯で作り、自作のデカールにてシルバーで文字を入れている
▲個人的な好みで、スネ側面は1.2mmプラ板を貼り足してから削り込み、ふっくらとしたラインとした
▲前腕の白いハンドル状の部品は手首ユニットのロックパーツとして機能しているが、写真のようにパーツをカット、軸が入る前腕パーツの穴に受けとして3mmプラ棒を入れてそこに接着固定し後ハメ可能とした

▲かかと内部は、プラ材エッチングパーツなどで製作した噴射装置を仕込んでいる

■はじめに
 ども、かいんです。
『メガゾーン23』発表当時、ドハマリしました。当時かなり高額だったVHSソフトを購入したのも懐かしい。時代は流れ、まさか完全変形のガーランドの作例をさせていただくことになるとは感慨深いものがありました。

■キットの印象
 まさかの差し替えなしで完全変形。設計の巧みさに驚愕されるかと思います。組むにあたりいくつか注意点があります。仮組み時のダボ調節は必須です。固めですが比較的浅いので、嵌合をゆるめにするよりはモデリングワックスを少量塗ると良いでしょう。また変形のためフレームやスライドなど可動部分が多いキットです。ポリキャップレスでABSの渋みで固さを持たせてあります。こちらもモデリングワックスを塗布しておくことでスムースな可動になります。調整しておかないと変形時に規定の位置までパーツが移動せずしっかり変形しにくかったり、破損に繋がる場合もあります。多少可動がゆるくなっても、各形態の保持には上手くロックが組み込まれていますので問題ないです。また、今回は負荷の掛かる軸には中心に真鍮線を仕込み瞬間接着剤で固めることで補強も行っています。

■変更点
 スネサイドはキットでは真っ平らに切り立っていますが、ここにプラ板を貼り付けて削り込むことで、劇中イメージでの少しなだらかな曲面になるようにラインを変更しています。スネ内側にはバイク形態時にロックするための丸穴とホゾの出っ張りがありますが、ホゾは少し見映えが悪く見えますのでカットしました(変形後の保持にはほぼ影響なし)。ヒジ関節は強度的に後ハメは難しいため、塗装後にマスキングで保護することで対応。ヒジ関節周りは塗膜分のクリアランス確保のため、関節、外装内側ともに0.1mmずつ削ってます。

■塗装
赤=GX03ハーマンレッド+LP-50ブライトレッド(6:4)+マホガニー数滴
白=VO-31コールドホワイト+G31アルティメットホワイト(2:1)+ウルトラマリンブルー数滴
青灰=NC007ジョイントグレー+黒少量→LGパールミルキーホワイト混入クリアーを上掛け
銀=V0-15フレームメタリック2+ファインシルバー(5:6)+シアン少量
 バイク形態時の映えを考えて、赤はグロス仕上げ。完全な鏡面に仕上げるのは形状的に難しいので今回は簡易研ぎ出し。基本塗装後、クリアーを2回塗装。4000番で軽く磨いて柚肌を消してから薄めたクリアーを吹き付け磨き傷を埋めて、乾燥後にコンパウンド、ワックス。

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”

ガーランド

製作・文/かいん(firstAge)

MODEROID ガーランド
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7500円、4月予定●約16cm●プラキット

ⓒ AICライツ

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かいん

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