実は水棲生物! 最新学説によるスピノサウルスを水中ディオラマで再現!【1/35スケール ジュラシック・パークIII エクスプラス】
2024.05.11最新学説によるスピノサウルスの姿をディオラマで再現する
エクスプラスの『ジュラシック・パークIII』スピノサウルスを2回にわたり製作していく本企画の第2弾。今回は映画のシーンから離れ、“スピノサウルスは水棲生物だった”という、最新の学説をヒントに水の中で躍動する姿をディオラマ化。水面を作ることで、スピノサウルスが水の中にいるように演出。前脚や後ろ足に水掻きを追加し、体表もウミイグアナをイメージした赤味の強いカラーリングにアレンジするなど、恐竜モデルとしてのディテールを突き詰めた作品となった。
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スピノサウルスとは?
全長は10~18mほどと巨大で、1億3500万~9000万年前(白亜紀前期~中期)に生息していたものとみられる。1915年にドイツ人のエルンスト・シュトローマーによりアフリカで化石が発見され、長くミュンヘンにある博物館に保管されていたが、第二次世界大戦での空襲でそのほとんどが消失。発見された化石の少なさから謎も多く、これまで陸棲と考えられていたが、2014年9月にアメリカシカゴ大学の研究チームが、骨格構造から水中での生活に適応していたのではないかという研究結果を発表。その後の2020年にも同大学のニザール・イブラヒムによって、生活のほとんどを水の中で過ごしていた水棲生物だったとの論文が出され話題となっている。
1/35スケール ジュラシック・パークIII スピノサウルス プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●6600円、発売中●1/35、約41cm●プラキット
恐竜という素材を手にするとつい楽しくなって、妄想と暴走が加速してしまうのが毎度のこと。今回も『ジュラシック・パーク』だというのに、スピノサウルスという名の未知の生物って考えてしまって、前回の作例キットレビューの他にもうひとつやっちまいましたw で、何気に前回予告していた、もうひとつのスピノサウルス作例は、“巨大生物としてのスピノサウルスを想像したディオラマ”です。
映画『ジュラシック・パークIII』制作当時と現在では、スピノサウルスまわりの解釈が変化しているようで、最近では陸上を歩くのには向いていないという説が有力で、泳ぎも上手く半水棲の生物と考えられるようになってきているようです。そんな状況で復元画を多数見ちゃうと、そりゃあ作ってみたくなるってもんでさぁw
■水中のシーンを考える
まず、水中のシーンを作るならば普通は透明のケースに綴じ込めるか、クリアー素材(レジン等)を流すのが一般的だと思いますが、今回はもっと楽で効率のよい方法をとっています。つまり“水面があることでその下は水中である”と想像させてしまうことです。これによって奥深くまで水中っぽく見せることができます。そして、その水面を浮かせるために選んだシチュエーションが、満ち潮や増水による水没林です。メインをスピノサウルス、その両脇にヌマスギ系の木を立て3点で支えています。これには軽い材質の水没パーツが欠かせないんですが、このパーツ(商品)がもう手に入らない…。ストックももうない(哀)。余剰在庫をお持ちの方、いくつか譲っていただけませんか?
その水面にクリアーブルーを塗り、映り込みで青色が水中に落ちるようにしてみました。因みにスピノサウルスはより水棲っぽく、指の間には水掻き、尾は尾鰭を足して少しポーズ変えして、前回との差別化を図っています。
エクスプラス 1/35スケール プラスチックキット ジュラシック・パークIII スピノサウルス使用
スピノサウルス
ディオラマ製作・文/小池徹弥
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小池徹弥(コイケテツヤ)
ネイチャー系からモータースポーツ、キャラクターモデル等幅広いジャンルで活躍するディオラマビルダー。サッカー観戦も好き。