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「サイコフレーム」って何? その能力や主要な搭載機を徹底解説!【ガンダム】

2024.05.01

人類には過ぎたる未知の技術サイコフレームとは? 月刊ホビージャパン2024年6月号(4月25日発売)

人類には過ぎたる未知の技術のサイコフレームとは?

 サイコミュシステムから発展したサイコフレームとは、どのような技術だったのだろうか? さまざまな奇跡を引き起こし、人類にとっては未知の技術であることを印象付け、最終的には封印されるという結末に至った。ここではサイコフレームの誕生と運用法を紐解いていく。

解説・構成/河合宏之

サイコフレームがサイコミュの小型化をもたらす

 サイコフレームは、宇宙世紀0090年代に誕生した革新的なサイコミュ技術である。サイコミュシステムの運用に当たっては、システム自体のサイズが機体設計の自由度を奪っていたが、根幹となるコンピューター・チップを金属粒子レベルで鋳込み、構造部材として取り入れることに成功。これにより、従来は大型モビルアーマーにしか採用できなかったサイコミュシステムを、モビルスーツサイズに無理なく搭載することが可能となった。
 サイコミュシステムそのものは、一年戦争時代からジオン公国のフラナガン機関で研究がスタートし、戦後には連邦系のニュータイプ研究所も開発に乗り出したものの、依然としてジオン系勢力にアドバンテージがあった。サイコフレームの開発も、シャアが総帥となった新生ネオ・ジオンが主導し、ジオン系勢力とつながりの深いアナハイム・エレクトロニクス社のグラナダ工場にて製造が行われることになる。
 そのような出自から、新生ネオ・ジオン系のモビルスーツにのみ搭載される予定だったサイコフレームだが、総帥であるシャア・アズナブルは、アムロ・レイがνガンダムの開発に着手している情報を察知し、意図的にサイコフレームの情報を漏洩。結果的にこれがサイコフレーム情報の流出につながり、宇宙世紀0090年代後半までにアナハイム・エレクトロニクス社をはじめ、さまざまな勢力においてサイコフレームへの関心が高まることになる。
「アクシズ落とし」の回避を経験し、さらにはユニコーンガンダムの奇跡を目の当たりにしたことで、「人類には過ぎたるもの」であることを決定付けたサイコフレーム。宇宙世紀0097年の『不死鳥狩り』作戦以降、未知の力を持つサイコフレームの研究は停滞したと考えられる。再びモビルスーツ開発にサイコフレームが採用されるのは、20年以上あとの宇宙世紀0120年代まで待たねばならなかった。

 ●サイコフレームの代表的な能力

反応速度の向上
パイロットの感応波の他、敵や周囲の人間の感応波も受信し、パイロットにフィードバックすることで反応速度の向上を図る。サイコフレームでは、従来のサイコミュシステムよりも、受信容量や速度が大きく向上している。

機体の操作系の向上
パイロットの脳波を機体に対してダイレクトにフィードバックできるため、パイロットの意思に対してより忠実なコントロールが可能となっている。

ファンネル
遠隔操作兵器であるファンネルの操作系も向上し、脳波のイメージを反映することで精密なコントロールが可能となっている。また従来のサイコミュシステムよりも、操作は容易になった。

バリアー機能
防御用の耐ビームバリアーを展開する。サイコミュシステム全般に見られる機能だが、サイコフレーム搭載機では顕著に表れた。

人の意思との共鳴
サイコフレームを介して、他者の意思と共鳴を起こすことが可能である。また、優れたニュータイプであるアムロを引き金として、人の意思が過集中を起こすと、オーバーロードによってサイコフレームの発光現象=サイコ・フィールドを発生させた。

 ●宇宙世紀0093年〜宇宙世紀0097年の主要サイコフレーム搭載機

①MSN-03 ヤクト・ドーガ
当初はシャア専用機を想定し、「ギラ・ドーガにサイコミュを搭載する」というトライアルを経て完成したニュータイプ専用機。コクピット周辺フレームにサイコフレームを配し、ギラ・ドーガを大きく上回る性能を発揮したものの、バランスは悪化し、シャアの要求するスペックを満たさないことから、サザビーの開発に至った

②MSN-04 サザビー
シャア専用機として新規に開発されたニュータイプ専用機。当初からサイコミュシステムや、コクピット周辺にサイコフレームを採用することを前提として開発された機体であり、宇宙世紀0096年時においてはνガンダムと並ぶトップクラスの性能を持つ機体となった

③RX-93 νガンダム
アムロ自身が開発に携わったニュータイプ専用ガンダム。「敵の脳波をサイコミュで強化して受信し、反応速度を高める」というアムロのコンセプトに答えるべく、サイコフレームが採用された。アムロ自身はサイコフレームがシャアによってもたらされたものとは知らなかった

④MS-06S シナンジュ・スタイン
アナハイム・エレクトロニクス社のサイコフレーム試験機。強奪された2機のうち、1機は改修ののちにフロンタルの手に渡り、未改修の予備機がゾルタン・アッカネンの乗機となった

⑤MSN-06S シナンジュ
地球連邦宇宙軍再編計画「UC計画」の一環として、アナハイム・エレクトロニクス社がサイコフレームの研究用として開発した試作機。ムーバブル・フレームにサイコフレームを採用し、本機で検証されたデータを基にユニコーンガンダムが開発された。その後、ジオン残党の『袖付き』に強奪され、独自の改修が施される

⑥RX-0 ユニコーンガンダム
「「UC」計画で開発された実験機。サイコフレームでムーバブル・フレームのすべてを構築したフル・サイコフレーム機である。サイコフレームが最大共振すると、「アクシズ落とし」の際にνガンダムから発せられた「サイコ・フィールド」を形成し、さまざまな奇跡を引き起こした

⑦RX-0 ユニコーンガンダム2号機バンシィ
ユニコーンガンダムの同型機。フル・サイコフレーム機だが、サイコフレームの発光色は金。最大共鳴時は1号機と同様に緑色に変化する。アームド・アーマーBS、アームド・アーマーVNを装備する

⑧RX-0 ユニコーンガンダム2号機バンシィ・ノルン
バンシィの改修型。機動性および防御力を向上させるアームド・アーマーDEと、機体とパイロットの感応波などを向上させるアームド・アーマーXCを装備

⑨RX-0 ユニコーンガンダム3号機フェネクス
フル・サイコフレームの試作機であるユニコーンガンダムの3号機。パイロットのリタ・ベルナルを乗せたまま消息不明となる。機能的には他のユニコーンガンダムと同様だが、2基のアームド・アーマーDEを装備する

⑩RX-0 フルアーマー・ユニコーンガンダム
『袖付き』との最終決戦に投入された重武装仕様。サイコフレームの最大共振によって、発光色が赤から緑に変化した

⑪RX-9 ナラティブガンダム(素体)
νガンダム以前に開発されたサイコフレーム試験機をベースに、近代改修を施し改修した機体。フェネクス捕獲に特化した機体で、多数のオプションによって装備の変更を行う

⑫RX-9/A ナラティブガンダム A装備
高機動と大型兵装群を両立した装備。サイコフレーム搭載機の動きを封じる捕獲用装備サイコキャプチャーを装備する

⑬RX-9/B ナラティブガンダム B装備
有線式遠隔攻撃端末を装備し、攻撃だけではなく捕獲用のサイコキャプチャーを展開することもできる

⑭RX-9/C ナラティブガンダム C装備
フェネクスを引き寄せるべく、サイコフレームを増加装甲として装備した姿

⑮YAMS-132 ローゼン・ズール
大破したギラ・ズール(アンジェロ機)に、シナンジュの予備パーツを組み込んだ機体。対ユニコーンガンダム用の兵装として、サイコミュシステムの機能を遮断するサイコ・ジャマーを装備する

⑯NZ-999 ネオ・ジオング
フル・フロンタル自らが設計に携わった全高100mを越える大型モビルアーマー。サイコミュ搭載機をコア・ユニットとすることで完成し、多数の大型サイコミュ兵器を備える。また、疑似サイコフレームである「サイコシャード」を発生させることで、意図的にサイコ・フィールドを生み出すことが可能である

⑰NZ-999 IIネオ・ジオング
ネオ・ジオングの予備パーツを用いて作られた大型モビルアーマー。コア・ユニットはシナンジュ系である必要はなく、サイコミュ搭載機であればナラティブガンダムでも機能する

⑱NZ-666 クシャトリヤ
『袖付き』のニュータイプ専用機。サイコフレームをコックピット周辺に採用し、クィン・マンサのスペックを維持したまま、ダウンサイジングに成功した

⑲AMA-X7 シャンブロ
旧ネオ・ジオン(アクシズ)が地球侵攻を目的として開発した水中用モビルアーマー。当初は複数の搭乗員による運用を想定していたが、サイコフレームを採用したことで、ロニ・ガーベイのみによる操縦が可能となった

ⓒ創通・サンライズ

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