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造形家・髙濵幹氏の「UA Monsters ガメラ」改造作例が到着!【GAMERA-Rebirth-】

2024.04.14

GAMERA(GAMERA -Rebirth-) 【メガハウス】 月刊ホビージャパン2024年5月号(3月25日発売)

ガメラのメイン画像

髙濵幹、UA Monsters ガメラを作る!

Netflixにて世界配信中!!
 Netflixにて世界配信中の『GAMERA-Rebirth-』。HJでは精力的にディオラマ作例を手掛けてきたが、ここでなんと、平成ガメラからガメラ造形に携わってきた造形家、髙濵幹氏が参戦!! 『GAMERA -Rebirth-』にてガメラと敵怪獣のデザインを務める髙濵の手によるメガハウス UA Monsters ガメラ(GAMERA -Rebirth-)改造作例をじっくりとご覧いただきたい。

ガメラのキット画像
▲ 迫力のビッグスケール、ディテール、ギミックを兼ね備えたUA Monsters シリーズに、『GAMERA-Rebirth-』版ガメラが登場。瀬下寛之監督監修協力のもと、詳細な設定に基づき立体化。表皮や甲羅、足裏に至るまで、高密度な造形が味わえる。さらにシリーズならではのライト&サウンドギミックを内蔵。咆哮音とともに「荷電重粒子砲」放射シークエンスをイメージしたギミックを搭載している

UA Monsters ガメラ(GAMERA -Rebirth-)

●発売元/メガハウス●39380円、受注終了、3月発売済み●約30cm●プレミアムバンダイ、あみあみ、でじたみん、ボークス、イエローサブマリン(一部店舗を除く) 限定アイテム(※その他一般小売店での販売はございません)


ガメラの正面全体画像
ガメラの背面全体画像
ガメラの側面全体画像
ガメラの胸元の画像
ガメラの腕の画像

▲ ギャオスの超音波メスによる全身の傷、ジャイガーの尻尾の刺し傷、ギロンの鱗弾が刺さった左眼の傷などギロン戦途中までの累積したダメージを再現、満身創痍でなお闘志を燃やすガメラを表現している。ポーズを変更した首とヒジのつなぎ目部分はエポパテで鱗などが追加で造形され、見事になじんでいる。ほんの少しのポーズ変更ながら、生き生きとした動きが加わって作例に生命感を与えている

ガメラの顔の画像 その1
ガメラの顔の画像 その2
ガメラの頭上の画像
ガメラの製作過程の画像 その1
ガメラの製作過程の画像 その2

▲ 頭部は接着箇所で分解、目の周りを大きく切除後エポパテで造形された。離型処理したステンレス球を外したあとに、内側から彩色した眼のエンビパーツを透明エポキシで接着している。LEDは市販のキットを加工して使用した。アゴは少し左を向きつつ頭部を下げている

LEDを消したガメラの画像
▲ こちらはLEDを消した状態
ガメラの製作過程の画像 その3
▲ 首と腕の角度を変更している途中の画像。首は2ヵ所で切断されている

■製品についての感想
 本編で使用されたデータを基にしているだけあって、その再現性はすばらしいです。リバースガメラは元々ボリュームが凄いんですが、これは全高30cmもあるので卓上での存在感は圧倒的ですね。しかもディテールがしっかりしていて全然間延びしていない。鱗の1枚1枚まで丁寧に表現されていて見ごたえがありますね。

■テーマ 
 ヒロイックな怪獣としてのガメラを演出しました。闘志を感じさせるポーズをつけ、連戦で受けた傷を追加して緊張感を高めています。また、商品は眼が昭和ガメラを思わせるオレンジっぽい色に光る仕様ですが、ここはこだわってアニメ本編中の青緑色の涼しい眼光を目指しています。

■製作工程
1.本体を分解し眼の機構を作る
 まずはヒートガンで熱して、カッターで頭と腕を切り離しました。頭は接着している箇所で外していったら、結構容易に内部にアクセスできました。中の機構は後からいじりにくいので、体色を塗る前に目の色を確定させています。眼球は8mmのステンレス球で熱押しした塩ビ板です。内側から黒目を筆で描いて、縁は溶剤でぼかしてくっきりしすぎないようにしています。ガイアカラーのクリアーの青緑色をエアブラシで吹いて、さらにツヤ消しにちょっとだけ白を混ぜたものを吹いています。

 元々入っていた電飾は全部外して、青と緑のLEDどうしを削って接着し、ひとつのLEDのような状態にして両眼の間の位置に固定しました。その周りは光が攪拌されるように乳白色の塩ビ板で囲んであります。透明感がある青緑っていうのを見せたかったので、色味の調整は時間をかけました。

2.平成ガメラの目つきに
 一度完全に目の周りを切り取って、パテを盛って造形し直しました。リバースのガメラは広いアングルで眼の表情が分かりすいようにちょっと上向きに眼球がついているのですが、今回は下向きに眼球が露出するように改造します。目線は撮りにくくなりますが、前を見据えた時にいい感じの三白眼になり目つきに緊張感が出るんですよ。

 目の周りをちょっと広めに切り取って、熱押しに使った8mmのステンレス球を固定し、離型処理したうえでエポパテで造形しました。目の周りの表情はかなり変わっていると思います。

3.ヒロイックなポーズ
 今回のポーズは「俺がガメラで一番かっこいいと思うポーズ」なんです(笑)。体は若干半身に構えつつ腕の力は抜き、アゴをひいて前方を見据える。ベテランの格闘家のようなイメージです(笑)。

 具体的には両腕と首を変えました。両手が内側を向いていたので手のひらを若干下に向けて、力が入りすぎてないよう自然に腕を上げているような感じにしました。

 切り離した腕を3mmのアルミ線でつなぎ、角度を決めたところでエポパテで固定し、接合部分を造形しました。首も同様に、切り離して曲げた時にできる隙間を、エポパテで造形して補っています。

 傷は組み上げて塗装する前に、ハンダゴテでつけています。目のところなど本編で目立ったダメージを受けた箇所を再現して、ギロン戦で腕を切り落とされる直前ぐらいまでの傷を大体つけたつもりです。

4.ベースを活かした塗装
 劇中でも3Dのモデルの上に色のテクスチャーをつけているので、このモデルにも同じテクスチャーを補うという意味で、色の表情を追加しています。

 牙とか爪とかは元々いい雰囲気に仕上げられているので、元の塗装をベースにして、ガイアカラーのクリアー系の赤とか茶色で、汚しや色味の調整をしました。体色に関しても元々の塗色をベースにしてます。全体にMr.カラーのブラックグリーン。鱗などちょっと堅そうな部分はガイアカラーのミッドナイトブルー。甲羅はMr.カラーの暗緑色の中島系です。それでまずベースに雰囲気を出したあとで、鮮やかな青とか緑、こげ茶色とかのリキテックスで色の表情をつけています。筆でチョンとつけてメディウムで伸ばして、ムラを出すような作業ですね。

 そのあとに黒に近いこげ茶のエナメル塗料でスミ入れをして、最後にもう一度ベースに使った3色をさっと吹いて色をなじませました。

 傷のところは体色よりも2段階ぐらい明るいグレーと茶色の間みたいな色で塗ってます。今までの特撮のガメラはすべてオガラテで仕上げられていましたが、今回は初めてそれを使わず、リバースガメラの持つアニメ独自のヌルっとした質感をいい感じに出せたらと。それを際立たせるためにダメージの表現をちょっと印象的に使ってみました。

 平成とは違う令和ガメラとしての新しいイメージが見た人に伝われば嬉しいですね。

ガメラの正面全体画像

メガハウス ノンスケール PVCモデル “UA Monsters”

GAMERA(GAMERA -Rebirth-)

製作・文/髙濵幹


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© 2023 KADOKAWA/ GAMERA Rebirth製作委員会

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髙濵幹(タカハマカン)

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