HOME記事キャラクターモデル“R3”ニューレイズナーの全身を改修して頭の大きな設定画の印象に近付ける!【蒼き流星SPTレイズナー】

“R3”ニューレイズナーの全身を改修して頭の大きな設定画の印象に近付ける!【蒼き流星SPTレイズナー】

2024.04.16

ニューレイズナー【BANDAI SPIRITS 1/48】 月刊ホビージャパン2024年5月号(3月25日発売)

頭部の大きい設定画のイメージを目指して

 1985年作品『蒼き流星SPTレイズナー』より、最終決戦に臨むエイジの新機体、レイズナーの強化型を、BANDAI SPIRITS 1/48スケールキットでお届けする。キットは“Real Robot Revolution”いわゆる“R3”シリーズとしてリリースされたもので、他にエルガイムMk-IIやウォーカーギャリアなどがラインナップされている。作例はそのうちの強化型であるニューレイズナーをピックアップ。大河原邦男氏が描く“頭の大きい”バランスを実現すべく、頭部ではなく全身を徹底改修し小型化することで頭を大きく見せる手法に取り組んでいる。

蒼き流星SPTレイズナー

□1985年10月3日〜1986年6月26日□日本テレビ系□メカニカルデザイン/大河原邦男

 原作を伊藤恒久、高橋良輔の両氏が手掛けたSFロボット作品。アメリカとソ連の冷戦がエスカレートし火星にも諍いが広がる、現代と地続きの世界。そこに突如現れた異星人グラドス軍と人類の戦いを描く。グラドス軍の地球侵略まで、そしてグラドスに支配され荒廃した地球が舞台となる2部構成で描かれた点も興味深い。

SPTニューレイズナー
全長/9.52m
重量/14.05t
▲ル・カインが駆るザカールとの戦いで大破したレイズナーに代わり、地球解放戦線機構が新たに作り上げたレイズナー。メインコンピューターレイとフォロンがそのまま移植されている。ザカールのレッドパワーに対抗すべく、全身のバーニアが増設・強化されている

▲戦闘機のコクピットを彷彿させる頭部は、頬当てを前後で1mm延長し面取りも変更。フェイスはいったん切り離し前と下に1mmずつ位置移動。目を大きく作り直し、ヘルメットは下に2mm延長、キャノピーも1mmずつ前後に延長している

▲バックパックはアタッチメント方式で本体から取り外しが可能。またレーザード・ライフルを側面のアタッチメントで携行することもできる。劇中では登場しなかったが、バックパックのバリエーションがいくつか用意されていた

▲脚部ユニットも換装が可能なシステム。キットでも同様のギミックが再現されている
▲ふくらはぎにはホーミング機能を持つカーフ・ミサイルを搭載。キットでも設定どおり取り外しが可能で、ミサイルも主翼が展開し発射体勢を取らせることできる

▲レイズナーといえば宇宙でも大気圏内でも飛翔シーンが多かった。アクションベースで飛翔ポーズを楽しむのもいいだろう

▲ハンドには白兵戦用ナックル・ショットを装備。劇中でも格闘シーンが多く見られた
▲製作途中とキット素組みとの比較。作例は主に脚部の短縮などで大きく頭身が変わっているのが分かるだろう。スネのバランスの変化にも注目いただきたい
▲肩アーマーは小さく感じたので周囲にプラ板を貼って大型化

▲もっとも手の加わった脚部。細かな改修ポイントは製作文に譲るが、頭部を大きく見せるために脚部を短縮・小型化していく手法は興味深い

ニューレイズナーの強化ポイントとV-MAX発動後の放熱システム

▲胸部に2基のバーニアが増設されている
▲強化型では肩にダクトが追加。放熱時は肩アーマー、前腕ハッチが開く
▲スネ外側のバーニア、2基のスラスターが強化・大型化された脚部。冷却時はスネ左右のハッチが開く

 どうもDOOVAです! 今回はR3のニューレイズナーです! 製作の際に編集長から「徹底的に弄ってください!」とのお言葉。これはもしや大河原氏の設定画を期待しているのでは? と勝手に解釈し(正解です※編集長)、スタイリッシュでかっこいいR3のキットを頭でっかちずんぐり体型な設定画風へ徹底改修させていただきました(笑)。
 レイズナーは設定画と劇中では全体バランスが大きく違っており、本キットは劇中イメージを再現した今風のスマートな印象。対して設定画はというと、とにかく頭がデカく、まさに頭でっかち胴長短足(失礼!)。しかし大河原先生大好きDOOVAにとってはそれが最高にかっこいいと思っております。設定画どおりに作ろうとすると、頭部はスクラッチしないと難しいレベルですので、キット改修で可能な限り大きく見えるように改修し、逆に胴体を小さく見えるように加工してバランス調整を図りました。
 全体バランスは、太モモで3mm短縮、スネで4mm短縮、股間パーツ1mm短縮、胴を2mm延長、首を2mm延長。全体で4mm身長が低くなりましたが、これで胴長短足のバランスが取れました。

■頭部
 頬当てを前後方向で1mm延長。さらに全方向にプラ板を貼り、面取りの角度を変更。フェイスはいったん切り離し若干前と下に1mmずつずらして接着し、目は大きく作り直しています。ヘルメットは下を2mm延長、アゴ(赤の部分)は若干大型化しています。顔のディテールは主題歌レコードジャケットのイラストのイメージでヒサシなどの形状を変更し、スジ彫りを追加しました。キャノピーは1mmプラ板で前後方向に延長しています。

■胴体
 胸装甲中心部分の角度を変更、エリの後ろは2mm延長、ウエストパーツも2mm延長しています。腰アーマーは長すぎる印象でしたので、設定画のイメージに近くなるよう短く形状を整えました。サイドアーマーの白パーツはプラ板を貼り大型化しています。

■脚部
 まず太モモを3mm短縮したあとエポパテで形状変更。スネはフレームパーツを4mm短縮しました。大河原氏の設定画はスネ前面が短いのが特徴でして、ヒザと甲アーマーの間隔をできる限り短くしました。足首はボールジョイントを内側に移動させ立ちポーズの際のラインをより自然に見えるようにしました。つま先を短くし、頭がより大きく見えるように。甲アーマーもそれに合わせて小さくしています。

■腕部
 設定画よりも太い感じがしましたので、前腕を2mm細く、上腕を2mm延長し、全体に細く見えるように。肩関節は2mm下げてなで肩にし、頭が少しでも大きく見えるようにしました。関節は定番のボールジョイントを追加しています。肩アーマーはかなり小さいのでプラ板を貼り付け、かなり大きくしています(写真参照)。ハンドパーツはSTYLE-Sさんの円指ハンド4Lを若干加工して使用しました。

■塗装
 航空機のイメージでコクピットがもろ航空機ですので、全体的に塗装もそんな感じにするとよいと思い、今回は航空機用のカラーを多用しました。特に白部分は白に塗装してしまうと浮いてしまうと思い、アメリカ海軍機のグレーを使用しました。
本体青=Mr.カラー・フタロシアニンブルー
本体白=Mr.カラー・グレーFS16440
本体薄青=モデルカステン・フランカーカラー3
赤=フィニッシャーズカラー・リッチレッド
関節・フレーム=Mr.カラー・グラファイトブラック
バーニア部分=ガイアカラー・スターブライトジェラルミン+スターブライトアイアン

■最後に
 キット改修から設定画の再現はなかなかの大手術になりましたがいかがだったでしょうか。DOOVA的にはやはり頭の大きさがまだまだ足りていないかなと思いますので、いつかフルスクラッチでリベンジしてみたいと思っております。まずは3Dソフトを覚えないと(笑)。

BANDAI SPIRITS 1/48スケール プラスチックキット“Real Robot Revolution”

E・SPT-LZ-00X-B ニューレイズナー

製作・文/DOOVA


▼ 関連記事はこちら

ⓒサンライズ ⓒ創通・サンライズ

この記事が気に入ったらシェアしてください!

DOOVA(ドゥーバ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2024年5月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2019年5月号

ご購入はこちら

サンライズ・メカニック列伝

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー