HGライジングフリーダムガンダム 先陣を切ったハイスペックキットをより精鍛に引き締める『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
2024.03.01
STTS-909 ライジングフリーダムガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年4月号(2月24日発売)
新たな「舞い降りる剣」を精鍛に仕上げる
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』プラキットの先陣を切るかたちで発売されたHGライジングフリーダムガンダム。多数搭載した武装や翼の展開、MA形態への変形、「SEEDアクションシステム」に基づく可動性能など内容は非常に充実しており、『SEED』新世代キットに相応しいハイスペックアイテムとなっている。哀川和彦による作例では、翼他各部の先端をシャープ化して印象を引き締め、劇中での力強く精鍛なイメージを表現して製作。翼の塗り分け方法などもぜひ参考にしていただきたい。
▲世界平和監視機構コンパスにおいてキラ・ヤマトが搭乗するMS。ストライクフリーダムの運用データとムラサメなどの可変機の技術を流用してオーブが開発した。一方で武装はプラント側が開発を担当しており、勢力の垣根を越えて造り上げられた機体である
▲頭部の合わせ目は段落ち処理がされているが機関砲だけは合わせ目が残ってしまっているので、作例は機関砲の盛り上がりに合わせて分割を変えて合わせ目を消した。ツノはシャープに削り込み、砲口は金属パーツに置き換えている
▲作例は立たせる際の安定感を増すため、靴部の中に重りを詰め込んでいる
▲素組み(左)との比較。翼をはじめ各部のシャープ化によって印象が引き締まり、劇中の雰囲気にさらに近付けられている。特にエッジ出しは腰部フロントアーマーや靴部など全身にわたって行っている。根気のいる作業だが、ライジングフリーダムの様なヒロイックなイメージの機体には特に効果的といえるだろう
▲胸の赤ラインはエッジを立てるとともに境目をエポパテでならしてツライチにした。翼や後部スラスターの先端はすべて鋭利に削り込んでいる
▲キットのウイング基部は付け根の軸の引き出しが可能で、変形の兼ね合いで基部ごと上下スイングも可能。このため可動の自由度はかなり高い
▲フロントアーマー先端はプラ材を貼ってから削ってシャープ化。リアアーマーは裏を塞ぎつつ可動化している。キットのままでもかなり踏ん張りを利かせることができるが、可動化させたことでより大きく脚を後ろに引くことができるようになった
▲翼には400mm超高インパルス砲 シュトゥルムスヴァーハー、腰にはヴァイパー3 レールガンを装備。作例はセンサー部にメタリックシールを貼り、スライドしたレール部分にシルバー塗装を加えた
▲左右前腕にはインフェクタス ビームシールドを内蔵している。偏光樹脂の質感が非常に良好なため作例もほぼそのままとした
▲左腕にはフラッシュエッジG-3 シールドブーメランを装備。劇中でキラが高頻度で使用していた武装である。キットでもビーム刃を再現している
▲高エネルギービームライフルはグリップ周りを後ハメ。また腰部へのジョイントを磁石式に変更し、ダボをなくして見映えを向上させた
▲シールドブーメランのアーム裏にある肉抜きはエポパテで埋めた。また変形時の擦れ対策として、機首部の内側を軽く削り込んで余裕を持たせている
▲背面に折り畳んだ機首を被せ、機首先端とふくらはぎの小翼を展開するとMA形態に。コンパスの任務の都合もあり、単独で大気圏突入が可能となっている
▲フリーダムの代名詞であるハイマットフルバースト。キットでも当然ながら再現可能。劇中では一斉射撃後にシールドブーメランで追撃をかけるというさらに進化した攻撃を見せていた
▲翼の白いラインの塗装攻略。下準備として境目をスジ彫りしておき、境界線をくっきりさせておく
▲最初に青の下地も兼ねて白を塗装し、スジ彫り部分をガイドにマスキングテープを切り出していく。段差部分はテープを押し込むように貼ればOK。あとは青→濃紺と塗れば完成だ
■はじめに
情報解禁時から話題になっていた「ライジングフリーダムガンダム」です。HGは作りやすく可動域も抜群ですね。製作は基本工作を中心に劇中のシャープな印象に仕上げました。
■頭部・腕部
機関砲は後部を切り離し中央の合わせ目を消して分割ラインを変え、砲口は真鍮パイプを埋め込みアンテナはシャープ化しました。握り拳は「ビルダーズパーツHD MSハンド01連邦系」を調整し追加しました。
■胴体・脚部
胸部中央の赤いパーツは設定画に合わせて隙間をエポパテで埋めツライチにしました。フロントアーマーは左右切り離して肉抜き穴はエポパテで埋め、リアアーマーも切り離しプラ丸棒とアルミ線で可動式にして肉抜き穴は軽量化のためプラ板でフタをしました。腰部に接続するライフルの差し込みピンが目立つのでカットしてそれぞれにネオジム磁石を仕込みました。背部ウイングが重いので靴内部の隙間にエポパテと釣り具用のおもりを入れ安定性を上げました。
■バックパック
変形時に頭部へ干渉しないよう頭部カバー内部を一回り削り込み、ウイング先端部はシャープ化しました。ウイングの塗装は別途写真で手順を解説していますが、ポイントは一段高くなっている白ラインの段差にしっかり溝を彫っておくことです。
■武器
ライフルは中央の合わせ目を消し、一体成型パーツは塗り分けを考慮して切り離して後ハメ加工をしました。シールドは展開時のアームの肉抜き穴を瞬間接着パテで埋め、正面の噴射部は開口しました。
■塗装
白=ニュートラルグレーI
青=スージーブルー
赤=ブライトレッド
濃紺=ブルーFS15044
灰=メカサフ ヘヴィ
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレードコズミックイラ”
STTS-909 ライジングフリーダムガンダム
製作・文/哀川和彦
HG ライジングフリーダムガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITSホビーディビジョン クリエイション部●2640円、発売中●1/144、約13cm●プラキット
ⓒ創通・サンライズ
哀川和彦(アイカワカズヒコ)
細部まで行き届いた丁寧な工作と製作スピードの速さで、主に最新キットのレビューなどを担当する中堅モデラー。
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ガンダムウェポンズ 機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラの世界編
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