宇宙海賊ガイスター首領「ダイノガイスト」をキットの味を活かした改修で仕上げる【勇者エクスカイザー】
2024.02.20ダークサンダーインフェルノォッ!!
これまでにもさまざまな勇者シリーズのプラキットを展開しているコトブキヤが、シリーズ初の悪役プラキットとしてチョイスしたのは…『勇者エクスカイザー』(1990)のダイノガイスト! 宇宙海賊ガイスター首領であり、その強烈なカリスマ性と圧倒的な強さで高い人気を誇る巨悪が、30数年の時を経て初プラモ化を果たしたのだ。キットは変形ギミックを廃することで劇中さながらのプロポーションに仕上がり、引き出し関節を多数搭載するなど可動に抜かりはなし。作例は後ハメ加工や細部のディテール調整など大きな手は加えず、キットの素性を活かす方針で製作。悪のカリスマにふさわしい、漆黒の塗装で仕上げた。
グレートエクスカイザーを強化せよ!
キットにはオマケとして、既発売のグレートエクスカイザー用アップデートパーツが付属する。差し替え頭部、胴体ライオンの角度のついた鬣パーツ、新規股関節フレーム(股関節にスイング可動が追加)を組み込むことにより、最終回の戦いが再現できるのだ
■はじめに
コトブキヤより発売されている勇者シリーズ、『勇者エクスカイザー』より、ガイスターの首領・ダイノガイストが発売されました。
劇中ではロボット(人型形態)、ダイノモード(恐竜形態)、ビークルモード(ジェット戦闘機形態)と三段変形しますが、キットはプロポーションと可動を優先しロボット形態のみでの製品化。コンセプトが明確なぶん完成度は高く、組んだだけで劇中のシーンを再現できるようになっています。今回はキットを活かし、ガシガシ動かした際の塗装剥げ対策として入念な可動部のすり合わせを行ったり、細かな肉抜きを埋めるなど、重箱の隅をつつくような改修で仕上げてみました。
■改修
胸部センターブロックはダイノモード時の頭部になるのですが、キットは非変形にも関わらずキバのモールドが入っています。ここは設計者の意図を汲み、丁寧に彫り込み塗り分けることで、変形をイメージするような仕上げとしてみました。
背中に背負っている、ジェット機モード時の機首の断面部のメカディテールは市販パーツを積極的に組み込んでディテールアップしてみました。他の部位はあえてツルツルにしてメカというよりもキャラクター性を強調しているのですが、ここは変形時のギミックがむき出しのままと考え、あえてワンポイント的にディテール密度を上げています。変形時をイメージして機首に入れたDG(ダイノガイスト)の文字デカールも良いアクセントになっていると思います。
そのほか、ヒザのキバ状ディテールは頭部角パーツと同じように根本に7番ブラウンでグラデーションを入れて象牙風にしてみました。
■カラーレシピ
ホワイト=ボトムズカラー ホワイトグレー70%+ガイアカラー アルティメットホワイト30%
ダークグレー(胸部)=333番エクストラダークシーグレー
レッド=バーチャロンカラー ローズブライトレッド
ブルー=バーチャロンカラー マーズディープブルー50%+ガイアカラー ウルトラブルー50%
ゴールド(濃)=ガイアカラー スターブライトゴールド
ゴールド(薄)=ガイアカラー ブライトゴールド
メカ色=13番ニュートラルグレー
関節(濃)=ガイアカラー ニュートラルグレーⅢ50%+同ニュートラルグレーⅡ50%
関節(薄)=ガイアカラー ニュートラルグレーⅡ
ブラック=ガイアカラー ニュートラルグレーⅤ
■あとがき
キットは細かくパーツ分けされており、色分けも完璧なのですが、挟み込みのパーツがやや多いため、合わせ目を消して塗装…となるとちょっと下ごしらえが必要ですね。また、関節部は赤や白など軽い色が配色されていますが、今回のようにグレーに置き換えたり、白は白でもワントーン暗い色を関節に使ったりするとグッと引き締まって見えるのでオススメです。
コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット
ダイノガイスト
製作・文/ken16w
ダイノガイスト
●発売元/コトブキヤ●10780円、発売中●約16.8cm●プラキット
ⓒサンライズ
ken16w(ケンイチロー)
徹底した整面処理と妥協のないディテール工作を信条とする豪腕モデラー。